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【後編】ー“伝統”と”伝承”の違いに迫るー 津軽三味線 吉田兄弟 吉田健一氏(弟)にインタビュー!

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2015年5月9日

【後編】ー“伝統”と”伝承”の違いに迫るー 津軽三味線 吉田兄弟 吉田健一氏(弟)にインタビュー!


前編に引続き、後編です。

ここからはプラベートに踏み込んだお話をさせてもらいました。

 

girls Artalk編集部:三味線を弾くために鍛えてたりするんですか?

 

吉田健一氏:いえ、鍛えてません。

      でも、三味線を弾いていると筋肉が発達してしまって、

      背中の筋肉が野球選手のようになってしまいました(笑) 

 

 

後編 ②

筋肉を触らせていただきました…。        

 

 

girls Artalk編集部:お休みの日は何をされているんですか?

 

吉田健一氏:僕、登別出身で、登別温泉があるんですけど、その影響から温泉が大好きです!

      昨日も草津温泉に行ってきました。

      

girls Artalk編集部:他に好きなものや趣味はありますか?

 

吉田健一氏:車が好きです。

      車の中が自分の部屋みたいな感覚ですね。

      好きな音楽を聴いたりしてます。

 

girls Artalk編集部:どんな音楽を聴くんですか?

 

吉田健一氏:仕事の音楽も聴きますが、ポップスも普通に聴きます。

      最近好きなのは『back number(バック・ナンバー)』というアーティストです。

      その他には、個人的に3ピースや4ピースのバンドが好きなので、

      『ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアン・カンフー・ジェネレーション)』とかですね。

 

      僕、デビュー前までポップスしか聞かなかった人間なんです。

      三味線とポップスが交わるなんて、思いもよらなかったし、ありえないと思っていましたから。

      今、一緒に演奏してますけど(笑)

 

      後は、ワールド・ミュージックですね、ジャズとか。

      仕事の面においてはギタリストの曲を参考として聴いています。

      ギターのフレーズでカッコイイものは、三味線で演奏してもカッコイイことが多いんです。

 

健一さんの意外な一面が垣間見えました。

カラオケでは上げていただいたアーティストのほかに『Mr.Children(ミスター・チルドレン)』を歌うそうです。

 

後編 ③

     

girls Artalk編集部:三味線とポップスが交わる発想がなかったと仰られていましたが、

          そこから作曲に発展したキッカケはなんですか?

          

吉田健一氏:皆さんにもっと楽しい音楽を聴いて欲しいという想いに加えて、

      三味線を広げるためにどうしたらいいだろう?と、考えた時に、

      作曲するという選択肢が生まれました。

 

      皆さん、好きな曲のサビの部分はだいたい歌えますよね。

      そしたら、覚えやすいフレーズ。サビの部分を三味線で作ればいいという発想になったんです。

      そこから、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、と、構成していくようになったのが、作曲のスタートです。

      昔から曲作りの考え方として変わらないことが、繰り返しを必ず作るということです。

      何故ならば、その構成こそが安心感を生むからです。

 

      『津軽三味線』がフレーズとして頭に残らないのは、アドリブだからなんです。

      『津軽じょんがら節』という有名な民謡があります。もともとは歌の伴奏として用いられている三味線。

       前奏部分を自由に弾けることによって発達してきたものが、次第に曲弾きとして認知されていきました。

       ですが、その場の雰囲気で作るので、二度と同じものは聴けないんです。だから、残らない!

      

      今の現代において”残して広げてく”ということが、発信していく上では必要なことなので、

      サビを作って、オリジナルを作る。というのが、僕の発想です。

 

girls Artalk編集部:今回、NARUTO展の音楽を『吉田兄弟』が担当していますが、

          作曲についてお話をお聞かせてください。

 

吉田健一氏:今回の楽曲『PRANA(プラーナ)』は、作曲が僕と井上鑑さん(プロデューサー・アレンジャー)で
      手がけました。

      僕が作曲する時は、あまりテーマを決めないんです。リズムから作るんです。

      中には、僕の兄のように風景からイメージして作曲していくタイプもありますよね。

 

      今回、NARUTO展の音楽ということで72巻ある漫画を3分半に収めないといけないので苦労しました。

      ファンがすごく多い漫画なので…色んな観点がある中で、僕は”チャクラ”に注目したんです!

      “チャクラ”を練るという行為自体が、音になった時にどのような表現になるのか。と、
      いうところからスタートしていき、イントロ部分から作っていき、広げていきました。

 

      今回のタイトルについては、楽曲のタイトルをつけることが苦手なんですが、
      ”チャクラ”というキーワードをもとに調べていたら、

      サンスクリット語で「Purāṇa(プラーナ)」という言葉に出会い、その言葉をタイトルにしました!

 

girls Artalk編集部:「NARUTO」だけでなく、外国では漫画やアニメショーンというコンテンツ自体が
          アツですからね!

          今年の夏にはミラノ万博に出演しますしね。

 

吉田健一氏:イタリアだけでなく、全世界日本ブームです!

      ここからオリンピックまでは、色んなツールをものにしていく活動を、
      していかなきゃいけないと思っています!

 

写真 ④

      

girls Artalk編集部:最後にgirls Artalkの読者にメッセージをください。

 

吉田健一氏:最近は、CMだけでなく、ライブハウスやクラブでも、

      和楽器の音色を耳にする機会が増えてきたと思います。

      ですが、生音に勝るものはありません!

      その違いを会場に足を運んで確かめてください!  

 

素敵なメッセージとともに、インタビューは終了しました。

 

インタビュー後の雑談から印象に残っている言葉をピックさせていただきます。

 

ー日本の文化は壁を作って守ろうとします。

 それって、既に”今を生きる者”ではないんですよね。

 伝統って”作る”ものであって、”残す”ものではないですから。

 継承されるものがあってこそ、伝統を作っていく必要性があります。

 だから、本来は伝統の中に伝承があるんですよね。

 自分の中でも”伝統”と”伝承”の解釈を大事にしています。ー

 

 

後編 ⑤

 

【情報】

PRANA NARUTO‐ナルト‐展メインテーマ 音楽:吉田兄弟

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○PRANA NARUTO‐ナルト‐展メインテーマ
※プラーナ(サンスクリット語:प्राण (prāṇa, praaNa); 英語: prana)
気息。サンスクリットで呼吸、息吹などを意味する。生命力そのものとも考えられる。
○悠 -You- NARUTO‐ナルト‐展クロージングテーマ
他、アルバムに全5曲収録。

2015年4月29日発売
品番:MHCL2516
価格:¥1,500+税購入特典付き

アルバム「Horizon」

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◯風翔音『Fusion』 (「藤原竜也の一回道」オ ープニング曲)
◯Regalia
◯decollage ~吉田兄弟版・鳥の歌~
◯HORIZON
◯原郷 ~ゆきのおと~ (月刊少年マガジン連載「ましろのおと」コミックス第8巻スペシャルコラボCD収録曲)
◯nemure
◯Rite Of Harmony (吉田兄弟公演「和の祭典」メインテーマ曲)
 
全7曲収録

2014年7月23日発売
MHCL2459 2,593円+税

 

文 / 新 麻記子   写真 / 新井 まる