イタリアの若き天才指揮者の素顔に迫る!
アンドレア・バッティストーニ氏 インタビュー
今音楽界をアツくしている弱冠27歳の天才指揮者、アンドレア・バッティストーニ氏。コンサートのために来日する彼に、girls Artalkが突撃インタビューしてきました!
天才指揮者って、一体どんな人なの?
そもそも、指揮者という職業はどんな日々を過ごしているの?
そんな、今まで聞きづらかった質問を沢山聞いてきました!
girls Artalk(以下G):絵画がお好きのことですが、好きなアーティストはいらっしゃいますか?
アンドレア・バッティストーニ(以下B):日本との最初の出会いは葛飾北斎の版画でした。子供の時に北斎に出会い、人物の描き方や色の使い方を見て「こんな世界があるんだ!日本はどんな国なんだろう?」と思っていました。
そして、最初に日本に来た時に、人間というのはやはり自分の目で見たものを描くんだなぁと思いました。日本の空を見上げた時、「北斎の雲だ!」と思ったのです。イタリアの雲は違う。イタリアはバロック画に描かれている雲でしょうか。
好きな画家は、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ。ミケランジェロの彫刻的な絵が好きです。ムンク、ゴッホ、マルグリットも好きですね。時代を超えて好きな画家がたくさんいます。
故郷のヴェローナは中世のお城があり、アレーナがあり、と、古代の遺跡がごろごろとどこにでもある、天井のないミュージアムのような街です。ピアニストの母の影響もあり、音楽やアートは、自分にとって近くにあるものでした。
G:指揮者という職業の方は、どんな1日を過ごしているのでしょうか?
B:指揮者は自由な時間はたくさんありますが、その時間はほとんど勉強しなければなりません。
朝起きて、朝食をとり勉強、午後はずっと勉強。その日、リハーサルがなければ、少し散歩して友達と会います。
リハーサルがない日は、夜は劇場やコンサートへ行きますね。
G:日本で1日、自由に過ごせる日があったら何をしたいですか?
B:歌舞伎は一度観に行ったのですが、日本の伝統芸術にもっと触れたいです。能や文楽を観に行きたい!
時間があれば京都へも行きたいですね。日本にはとても興味があるので、東京以外にもいろいろなところを訪れたいし、日本の自然にも触れたいです。
G:音楽以外で、今、ハマっていることは何ですか?
B:好きなことがふたつあります。
ひとつは読書。ものすごい量を読みます。村上春樹は大好きで、全部読みました。「1Q84」や「海辺のカフカ」が好きですね。
もうひとつは葉巻です。葉巻を吸うのはワインを飲むのと同じで、勉強といっても良いかもしれません。
G:ガールズアートーク読者へ向けたメッセージをお願いします。
B:「若い人たちがアートに興味をもつことは素晴らしいことだよ!」と声を大にして言いたいです。
私の友人が東京フィルとのチャイコフスキー交響曲第5番の練習を見に来て、こんなことを言っていました。
「チャイコフスキーはロシアの作曲家で、演奏をするのは日本人、それを指揮するのはイタリア人。音楽を通じて世界の人が繋がることはとても素晴らしい!」と。
だから、アートを通して、色々なものと出会ってください。
天才指揮者の貴重なお時間をいただくのだから……と、とても緊張していたのがウソのようで、彼の人柄に触れ、益々演奏が待ちきれなくなった編集部でした。
アンドレア・バッティストーニ
1987年ヴェローナ生まれ。アンドレア・バッティストーニは、国際的に頭角を現している若い才能の一人である。
2011年1月,年にオペラ2演目、交響曲2演目を指揮する3年契約で パルマ・テアトロ・レッジョの首席客演指揮者に任命された。
最近の成功には、カリアリ・リリコ歌劇場でのシンフォニー公演,パルマ、アレーナ・ディ・ヴェローナ・、ヴェニスでの「セビリアの理髪師」、フィレンツェ五月音楽祭管でのシンフォニー公演デビュー、マチェラータでの「リゴレット」、ヴェローナ・フィルでの「リゴレット」とシンフォニー公演,パルマ・ヴェルディ音楽祭での「ファルスタッフ」、東京での東京フィルとの「ナブッコ」等がある。
注目すべきなのは、歴史的プロダクション「フィガロの結婚」でのスカラ座デビュー、テアトロ・レッジョでの「スティッフェリオ」ベルリン・ドイツ・オペラでのコンサート形式「イル・トロヴァトーレ」、ナポリでの「ラ・ボエム」、ローマ・サンタ・チェチーリア管デビュー、ジェノヴァでの「マクベス」、ヴァレンシアでの「ラ・ボエム」等が挙げられる。この5月には東京フィルハーモニー定期演奏会でレスピーギ「ローマ三部作」を指揮して絶賛を博した。 この6月よりジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場の首席客演指揮者に5年契約で就任。9月にはベルリン・ドイツ・オペラ新シーズンの新制作「ナブッコ」で幕開けを飾った。
インタビュー:新井まる
写真:上野隆文
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