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【おすすめアート】「遠距離現在 Universal / Remote」国立新美術館で6/3(月)まで

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2024年4月20日

【おすすめアート】「遠距離現在 Universal / Remote」国立新美術館で6/3(月)まで


【おすすめアート】「遠距離現在 Universal / Remote」国立新美術館で6/3(月)まで

 

東京・六本木の国立新美術館で、現在社会のあり方に取り組むアーティスト8名と1組の作品による展覧会「遠距離現在 Universal / Remote」が6月3日まで開催中。

 

〜ARTalk おすすめポイント〜

 

◆20世紀後半以降、人、資本、情報の移動は世界規模に広がり、2010年代から本格化したスマートデバイスの普及とともに、オーバーツーリズム、生産コストと環境負担の途上国への転嫁、情報格差など、グローバルな移動に伴う問題を抱えたまま、私たちは2020年代に突入。

2020年に始まった国境のないパンデミックにより、人の移動が不意に停止されたものの、資本と情報の移動が止まる気配を知らない。豊かさと貧しさ。強さと弱さ。私たちの世界のいびつな姿はますます露骨に、資本や情報の本当の姿が見えてくるようになってきている。

 

◆本展のタイトル「遠距離現在 Universal / Remote」は、常に遠くあり続ける現在を忘れないために造語されたもので、上記の資本と情報が世界規模で移動する今世紀の状況を踏まえている。今の時代を生きる私たちにとって、「遠さ」を感じることは、困難であるが、その地理的な「遠さ」は決して打ち消すことはできない。

本来は万能リモコンを意味するUniversal Remoteを、スラッシュで分断することで、その「万能性」にくさびを打ち、ユニバーサル(世界)とリモート(遠隔、非対面)を露呈させる。コロナ禍を経て私たちが認識した「遠さ」の感覚、また、今なお遠くにそれぞれが生きていることを認識するのは重要なのではないかという思いが、この題名に込められている。日に日に忘却の彼方へ遠ざかる 、ほんの少し前の3年間のパンデミックの時期を、現代美術を通して振り返る展覧会である。

 

◆展示室では「Pan- の規模で拡大し続ける社会」、「リモート化する個人」の2つを軸に、このような社会的条件が形成されてきた今世紀の社会の在り方に取り組んだ8名と1組の作品を紹介。参加アーティストは、井田大介、徐冰(シュ・ビン)、トレヴァー・パグレン、ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ+ヒト・シュタイエル+ミロス・トラキロヴィチ、地主麻衣子、ティナ・エングホフ、チャ・ジェミン、エヴァン・ロス、木浦奈津子。

監視システムの過剰や精密なテクノロジーのもたらす滑稽さ、また人間の深い孤独を感じさせる作品群は、今の時代、あるいはポストコロナ時代の世界と真摯に向き合っているようにも見える。熊本から巡回した本展は、その後6月29日〜9月1日の会期で広島へと巡回する。

 

 

 

 

 

 

【展覧会概要】

遠距離現在 Universal / Remote

会期|毎週火曜日休館 ※4月30日(火)は開館
開館時間|10:00~18:00金・土 20:00まで)
※4月28日(日)・5月5日(日)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場|国立新美術館 企画展示室1E
住所|〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
主催|国立新美術館、協力:ゲーテ・インスティトゥート東京
観覧料|1,500円(一般)、1,000円(大学生)