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アートを巡って佐賀を横断!『SAGA Dish & Craft』〜唐津・有田エリア〜

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2017年3月11日

アートを巡って佐賀を横断!『SAGA Dish & Craft』〜唐津・有田エリア〜


アートを巡って佐賀を横断!『SAGA Dish&Craft』 〜唐津・有田エリア〜  

 

 

伊万里焼や有田焼…有名な窯元が点在し”焼きものの里”というイメージが強い佐賀県。 そこに、”新しいアート”が出没しエキサイティングな31日間、SAGA Dish & Craftが2月18日より始まっています!

 

 

  ”舞台となるのは、カフェ、レストラン、公共施設。 この”新しいアート”は美術館や空き家でなく、「焼きものの里の日常」をアートにしています。 未知なるアートとの出会いを、まちをめぐりながら存分にお楽しみ下さい。”

 

~DISH & CRAFT (ディッシュアンドクラフト) 公式HPより~

 

 

 ということで、さっそく開催初日に5組のアーティストの方に取材をしてきました。 ”佐賀を元気に”という共通の思いはありながらも、それぞれに考え方やアプローチの方法が異なり大変面白かったです。沢山の写真と、アーティストの皆さんの言葉をなるべく引用して、エリア毎に実況中継のようにお送りしたいと思います!  

 

 

  Cato Friendさん(唐津エリア)

 

 

迷いがないスピーディーな筆づかいが印象的な大人気イラストレーターのCato Friendさん。アサヒビールのボジョレーヌーボーのボトルデザインや、サマンサタバサのミランダ・カー出演CMのイラストなどで見たこともある方も多いのでは。

今回のイベントでは展示作品の他に、似顔絵を描いていただけるスペシャルチャンスもあります!(3/11、3/12の12:00〜先着順です) モデルとなる人物の特徴を的確に捉えて、ものの5分〜10分でチャーミングな似顔絵が完成すると聞き、私も実際に描いていただきながらお話を伺いました。 

 

 

 

girls Artalk編集部: 色彩はどう決めているのですか?  

 

Cato Friendさん: フィーリングですね。事前に何色を使うかなどは全く決めておらず、目の前の人から受けた印象で選んでいます。 あと、グラデーションを綺麗に表現したいので、黒の部分は墨を使っているんです。

 

 

girls Artalk編集部:人から受けた印象で、猫耳をつけたり、鹿の角を生やしたり……、人物と動物との組み合わせがとにかく可愛い!私は犬なんですね、本当に嬉しいです。描きはじめは観察されるのに緊張しましたが、最後は手元に集中されていましたね。

 

 

 

Cato Friendさん: そうですね。まずじっくりと見て、その人の特徴を掴んでイメージの動物も決めます。その後の仕上げは全体を見ながら描いていきます。今回のイベントでは特にテーマの動物を絞っていないのでその人の可愛さが伝わる動物にしていますよ。  

 

 

他の方の似顔絵も拝見しましたが、犬や猫の他にも鹿……など、特徴がよく表れつつもしっかりとCato Friend ワールドの住人にしてもらえるので皆さん大喜びでした。

描いている最中はどんな似顔絵になっているか、モデルの人には見えないようにしているのもこだわりだそうで、完成して見せたときに“わぁ~!!!”と、歓声があがっていました。  

 

 

Cato Friendさんに似顔絵を描いてもらうことで自分では気づかなかった“可愛さ”を再発見できそうです!  

また、今回似顔絵の会場であるcaffe LunaさんにはCato Friendさんの動物の原画がお店のいたるところに飾られています。意外なところにも隠れているので、カフェタイムを楽しみながら隅々までチェックしてみてください。  

 

 

 

 

 

そして、イベントオープニングの2月18日には、唐津バスセンターでライブペインティングが行われました。

多くの人に見守られながら、約6時間をかけて描きあげた2m×3mの作品は“唐津は出会いの場”がテーマだそう。 

 

 

 

 

 

こんなに大きなサイズの作品を描くのは、Cato Friendさんにとっても、とても珍しいことだとおっしゃっていました。  

作品にはハート型の穴が空いていて、そこから顔を出して記念撮影できるフォトブースにもなっているなど、ニクい仕掛けも。来た人みんなが思わず笑顔になるような、愛が溢れる作品です。

顔をはめれるようにとくり抜いたハート部分はcaffe Lunaさんの看板になっていますよ〜! 

 

 

 

 

 

松本 美枝子さん (有田エリア)

 

有田の3会場では写真家の松本 美枝子さんの作品を見ることができます。

松本さんは今回の作品づくりのために自ら有田に約1ヶ月間滞在して、リサーチを重ねながら取り組んだそうです。有田の歴史を紐解くような、そしてリアルな有田の魅力がわかるストーリーのある展示が本当に素敵です。  

 

<松本さんの作品が見れる3会場はこちら>

①KILN ARITA

②ARITA PORCELAIN LAB 旗艦店

③Fountain Mountain  

 

 

 

どの会場から見ようかと迷ったら、まずは①KILN ARITAからどうぞ。コンテナのような外観が目を引くレストラン内では、他2つの展示のゲート役をしています。 

 

 

 

数は少ないけれど、大きなサイズの作品が、松本さんが取り組んでいた歴史とリアルな有田の魅力へ誘ってくれます。 

 

 

   

 

②ARITA PORCELAIN LABにて展示されている作品は松本さんが現地に入る前からやりたいと決めていたテーマ。そして、③Fountain Mountainの作品は実際に生活して知った有田らしさだといいます。  

松本さんご本人からお話を伺ったので、ご紹介します。

 

  ②ARITA PORCELAIN LABについて

 

松本 美枝子さん: 「佐賀県を訪れるのは初めてですが、産業と多国籍な場所というイメージがありました。 朝鮮や韓国に近く、そういった外国の方が日本に連れてこられて、焼き物だったり産業を作っていたといいますよね。

日本人は自分の国の文化は自分たちだけで作ってきたって思っている人も多いけど、有田の人たちってそうじゃないんですよね。 そんな外国から来た方が”祖国と同じもの”として”月”を心のよりどころにして夜眺めていたと聞きました。

だから当時は月をモチーフにした作品も多くあったそうで、今回はそれを探すことから始まりました。時代によってモチーフも変わってきて見つけることに大変苦戦しました(笑)。

その他にも、道やいたるところに割れた有田焼があったりとか、よそ者だからこそ気づく”有田らしさ”もこっちでは表現できたらと思い作品づくりに取り組みました。」

 

 

 

  会場となっているARITA PORCELAIN LABのショップにはモダンで可愛らしい食器もたくさん並び、乙女心をくすぐられます。 

 

 

 

有田焼に抱いていたイメージよりもイマドキで可愛らしかったり、スマートなオシャレ食器が多く、特別な日のテーブルウェアに使いたくなりました。 東京だと伊勢丹の5階にショップがあるそうですよ。

 

 

 

ARITA PORCELAIN LABの松本社長  

 

 

3つめの展示会場である③Fountain Mountainは古民家を改装してできた、おしゃれだけれど、ほっこりと落ち着ける感じの素敵なカフェです。

靴を脱いで上がった畳の部屋に立体的な配置で作品が展示されています。古き良き空間と現代との絶妙な融合を楽しむことができます。 

 

 

 

 

松本 美枝子さん: 「こちらは、住んでみて見えてきた”本当の有田”ですかね。ここに住んでいる人たちが見たら本当に日常を切り取ったような写真だと思います。

写真というツールはやはり”記憶”や”記録”などの役割になってくると思っています。”本当の有田”を伝えることができていたら嬉しいです。

色々な窯元さんや町の人にもお話をきいたのですがとても面白くて。”俺たちはアートなんてわからないよ~”と仰るけれど、話してみたらものすごく話が弾むし、やっぱりクリエイティブだなって感じました。

パッと見全然関係ないことをしていそうな人でも、やっぱり焼き物につながっていたり…今回の展示方法についても県外から人を連れてこないとできないと思っていたのに現地で技術をお持ちの人も見つかりました。そういう方たちの力があってこそ成り立っている展示。町中に凄い人がたくさんいましたね。」 

 

 

 

 

松本さんは、

「アートのこういった地域イベントをすることで社会貢献とか地域活性化なんて本当はできないかもしれません。でもだからしなくていいのか、ということにはならなくて…私が参加するからには少しはなにかお手伝いできるようにと考えたときに、”有田らしさ”というものを伝える方法として今回のテーマを決めました。」

ともお話しされていました。 

 

 

 

 

客観的にアートの役割を分析しながらも、その地域に住みこむという課題への主体的な取り組み方をした松本さんはとてもカッコイイ方でした。

普段は茨城を拠点に活動されているので、関東圏の方も彼女の活動をチェックしてみてはいかがでしょう。  

 

 

『SAGA Dish&Craft』のエリアはまだまだございます!是非後編もチェックしてみてください。 後編、嬉野・武雄・伊万里エリアへつづく…    

 

 

 

文 :山口 智子

写真:新井 まる



Writer

山口 智子

山口 智子 - Tomoko Yamaguchi -

皆さんは毎日、”わくわく”していますか?

幼いころから書道・生け花を始めとする伝統文化を学び、高校では美術を専攻。時間が許す限り様々な”アート”に触れてきました。

そして気づいたのは、”モノ”をつくることも大好きだけれど、それ以上に”好きなモノを伝える”ことにやりがいを感じるということ。

現在、外資系IT企業に勤めながらもアートとの接点は持ち続けたいと考えています。

仕事も趣味も“わくわくすること”全てに突き動かされて走り続けています。

instagram: https://www.instagram.com/yamatomo824/
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だから私はアートが好き。