前編に引続き、後編です。
ここからはプラベートに踏み込んだお話をさせてもらいました。
girls Artalk編集部:三味線を弾くために鍛えてたりするんですか?
吉田健一氏:いえ、鍛えてません。
でも、三味線を弾いていると筋肉が発達してしまって、
背中の筋肉が野球選手のようになってしまいました(笑)
筋肉を触らせていただきました…。
girls Artalk編集部:お休みの日は何をされているんですか?
吉田健一氏:僕、登別出身で、登別温泉があるんですけど、その影響から温泉が大好きです!
昨日も草津温泉に行ってきました。
girls Artalk編集部:他に好きなものや趣味はありますか?
吉田健一氏:車が好きです。
車の中が自分の部屋みたいな感覚ですね。
好きな音楽を聴いたりしてます。
girls Artalk編集部:どんな音楽を聴くんですか?
吉田健一氏:仕事の音楽も聴きますが、ポップスも普通に聴きます。
最近好きなのは『back number(バック・ナンバー)』というアーティストです。
その他には、個人的に3ピースや4ピースのバンドが好きなので、
『ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアン・カンフー・ジェネレーション)』とかですね。
僕、デビュー前までポップスしか聞かなかった人間なんです。
三味線とポップスが交わるなんて、思いもよらなかったし、ありえないと思っていましたから。
今、一緒に演奏してますけど(笑)
後は、ワールド・ミュージックですね、ジャズとか。
仕事の面においてはギタリストの曲を参考として聴いています。
ギターのフレーズでカッコイイものは、三味線で演奏してもカッコイイことが多いんです。
健一さんの意外な一面が垣間見えました。
カラオケでは上げていただいたアーティストのほかに『Mr.Children(ミスター・チルドレン)』を歌うそうです。
girls Artalk編集部:三味線とポップスが交わる発想がなかったと仰られていましたが、
そこから作曲に発展したキッカケはなんですか?
吉田健一氏:皆さんにもっと楽しい音楽を聴いて欲しいという想いに加えて、
三味線を広げるためにどうしたらいいだろう?と、考えた時に、
作曲するという選択肢が生まれました。
皆さん、好きな曲のサビの部分はだいたい歌えますよね。
そしたら、覚えやすいフレーズ。サビの部分を三味線で作ればいいという発想になったんです。
そこから、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、と、構成していくようになったのが、作曲のスタートです。
昔から曲作りの考え方として変わらないことが、繰り返しを必ず作るということです。
何故ならば、その構成こそが安心感を生むからです。
『津軽三味線』がフレーズとして頭に残らないのは、アドリブだからなんです。
『津軽じょんがら節』という有名な民謡があります。もともとは歌の伴奏として用いられている三味線。
前奏部分を自由に弾けることによって発達してきたものが、次第に曲弾きとして認知されていきました。
ですが、その場の雰囲気で作るので、二度と同じものは聴けないんです。だから、残らない!
今の現代において”残して広げてく”ということが、発信していく上では必要なことなので、
サビを作って、オリジナルを作る。というのが、僕の発想です。
girls Artalk編集部:今回、NARUTO展の音楽を『吉田兄弟』が担当していますが、
作曲についてお話をお聞かせてください。
吉田健一氏:今回の楽曲『PRANA(プラーナ)』は、作曲が僕と井上鑑さん(プロデューサー・アレンジャー)で
手がけました。
僕が作曲する時は、あまりテーマを決めないんです。リズムから作るんです。
中には、僕の兄のように風景からイメージして作曲していくタイプもありますよね。
今回、NARUTO展の音楽ということで72巻ある漫画を3分半に収めないといけないので苦労しました。
ファンがすごく多い漫画なので…色んな観点がある中で、僕は”チャクラ”に注目したんです!
“チャクラ”を練るという行為自体が、音になった時にどのような表現になるのか。と、
いうところからスタートしていき、イントロ部分から作っていき、広げていきました。
今回のタイトルについては、楽曲のタイトルをつけることが苦手なんですが、
”チャクラ”というキーワードをもとに調べていたら、
サンスクリット語で「Purāṇa(プラーナ)」という言葉に出会い、その言葉をタイトルにしました!
girls Artalk編集部:「NARUTO」だけでなく、外国では漫画やアニメショーンというコンテンツ自体が
アツですからね!
今年の夏にはミラノ万博に出演しますしね。
吉田健一氏:イタリアだけでなく、全世界日本ブームです!
ここからオリンピックまでは、色んなツールをものにしていく活動を、
していかなきゃいけないと思っています!
girls Artalk編集部:最後にgirls Artalkの読者にメッセージをください。
吉田健一氏:最近は、CMだけでなく、ライブハウスやクラブでも、
和楽器の音色を耳にする機会が増えてきたと思います。
ですが、生音に勝るものはありません!
その違いを会場に足を運んで確かめてください!
素敵なメッセージとともに、インタビューは終了しました。
インタビュー後の雑談から印象に残っている言葉をピックさせていただきます。
ー日本の文化は壁を作って守ろうとします。
それって、既に”今を生きる者”ではないんですよね。
伝統って”作る”ものであって、”残す”ものではないですから。
継承されるものがあってこそ、伝統を作っていく必要性があります。
だから、本来は伝統の中に伝承があるんですよね。
自分の中でも”伝統”と”伝承”の解釈を大事にしています。ー
【情報】
PRANA NARUTO‐ナルト‐展メインテーマ 音楽:吉田兄弟
○PRANA NARUTO‐ナルト‐展メインテーマ
※プラーナ(サンスクリット語:प्राण (prāṇa, praaNa); 英語: prana)
気息。サンスクリットで呼吸、息吹などを意味する。生命力そのものとも考えられる。
○悠 -You- NARUTO‐ナルト‐展クロージングテーマ
他、アルバムに全5曲収録。
2015年4月29日発売
品番:MHCL2516
価格:¥1,500+税購入特典付き
アルバム「Horizon」
◯風翔音『Fusion』 (「藤原竜也の一回道」オ ープニング曲)
◯Regalia
◯decollage ~吉田兄弟版・鳥の歌~
◯HORIZON
◯原郷 ~ゆきのおと~ (月刊少年マガジン連載「ましろのおと」コミックス第8巻スペシャルコラボCD収録曲)
◯nemure
◯Rite Of Harmony (吉田兄弟公演「和の祭典」メインテーマ曲)
全7曲収録
2014年7月23日発売
MHCL2459 2,593円+税
文 / 新 麻記子 写真 / 新井 まる