ARTなハーブテーブル vol.2
ゴッホ「ひまわり」~夏野菜とタイムのグラタン~
毎日うだるような暑さが続いていますね。場所によっては40度を越える猛暑を記録しています。みなさん、体調崩されたりしていませんか?
夏!といえば、この花、そしてこの作品でしょう。
今日は、ゴッホの名画「ひまわり」からインスピレーションを受けたお料理を紹介します。
夏野菜とタイムを使ったグラタンです。
フランスの郷土料理タルティフレット風のじゃがいもグラタンに、夏野菜を加えて夏仕様にアレンジしてみました。
生活の苦しかったゴッホは、きっとパンとじゃがいもなんかをよく食べていたのだろうな、でもたまにはチーズやほかのお野菜も加えたりして、贅沢な晩餐もあったのかしら。
そして、移り住んだアルルの夏のまぶしい光と、麦畑を吹き抜ける風の中で、大好きな弟や友人たちを思いながら、ひまわりの連作を日々こつこつと描いていたのだろうな…なんてことを想像しながら、このお料理を焼き上げました。
夏にチーズのオーブン料理?!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はフランス人はグラタンが大好き。フランスでは一年中よく食べられている定番料理です。夏の暑い日に、冷えた白ワインやスパークリングを飲みながら、ハフハフと、グラタンとパンをいただくなんていうのも、最高ですね!
アクセントに入れたタイムは、消炎、殺菌作用というすぐれた効能から、古来よりヨーロッパで愛されているハーブです。
スパイシーでほろ苦い風味のあるタイムは、お料理の臭み消しや、アクセントにも大活躍。ただし、新鮮な葉や枝は香りが強いので、使い過ぎには注意しましょう。
夏野菜とタイムのグラタン
<材料>2人分
ズッキーニ 1/2本
ミニトマト 8個
じゃがいも 2個
玉ねぎ 2個
ひき肉 100g
生クリーム 50cc
ピザ用チーズ
パルメザンチーズ
コンソメ 1個
タイム 3本
塩こしょう 少々
①オリーブオイルをひいたフライパンで、玉ねぎ(薄切)、じゃがいも(一口大)、ひき肉、ズッキーニ(半月切)、プチトマト(半分に切る)の順に炒め、塩こしょうと刻んだコンソメ、タイム(1本分みじん切り)で味を整える。
②耐熱皿に①を入れ、生クリームをまわしかけ、ピザ用チーズをのせて、オーブントースターで10分焼く。
③パルメザンチーズをかけて、残りのタイムの枝をのせて、さらに5分焼いてできあがり。
*さっぱりと召し上がりたい場合は、ひき肉を抜き、生クリームの代わりに豆乳を使うといいでしょう。
フィンセント・ファン・ゴッホ
1853-1890
「ひまわり」 フィンセント・ファン・ゴッホ
(Sunflowers) 1888年
100.5 ×76.5cm/油彩・キャンヴァス/損保ジャパン東郷青児美術館
赤い眼のような点をもつ一輪を中心に、15本のひまわりがふんわりと豊かに黄色い壷にいけられています。
それぞれの花が生き生きとした表情をもち、生命の輝きをはなっています。
生活に苦しみ、37歳で亡くなるまでの短い生涯のなかでゴッホは2000点におよぶ作品を残しています。この「ひまわり」は、ゴッホ自身を象徴した作品だと評されることがあります。
「ひまわり」の連作7点はゴッホ芸術の最も良い時期、アルルで暮らしていたときのもの。
日本の浮世絵に感動したゴッホは、その明るい光を求めてアルルへと移りました。
そして、芸術家村を夢見て黄色い家を借り、芸術家仲間たちに声をかけ、ゴーギャンを呼び寄せ、共同生活を始めます。
この「ひまわり」は、ゴーギャンを迎える部屋に12点飾ろうと描きはじめた作品ですが、残念ながら7点で終わり、ゴーギャンとの共同生活も2ヶ月で破綻してしまったのです。