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Interview 「反展」vol.2佐藤直樹 「虫眼鏡をもって世界をみてみよう」

NEWS

2014年6月12日

Interview 「反展」vol.2佐藤直樹     「虫眼鏡をもって世界をみてみよう」


Tambourin Gallery Presents 
「佐藤直と伊藤桂司の反展」

 

 

アートディレクターでありイラストレーターでもある佐藤直樹さん、伊藤桂司さんのお二人が、これまでにない展覧会のあり方に初挑戦!

 

普段は舞台演出を手がけるメンバーも巻き込みスタートした「反展」は空間そのものが作品。佐藤さんが白い紙に黒い木炭で、伊藤さんが黒板に白いチョークで、それぞれ描いてく作品に呼応しながら、レイアウトも、小物も、ライティングや音響まで・・・日々どんどん変化していくという前代未聞の展覧会です。

 

Vol.2は佐藤直樹さんにお話をお伺いしました!

 

 

 

Interview 「反展」vol.2佐藤直樹

「虫眼鏡をもって世界をみてみよう」

 

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 写真:佐藤さんと、空間デザインチームのお一人、BALさん

 

 

girls Artalk(以下G):今回は、空間そのものが作品ということで日々変わっていくスタイルだそうですが、こういう風に変えていこう、という計画があったんでしょうか。

 

佐藤直樹(以下S):実は、計画は全然ないんです。今回は、僕と伊藤桂司さんが毎日絵を描いて、それに合わせて、舞台演出や映像作品、インスタレーションなどを手がける生西康典くんやBALちゃんをはじめとした空間演出チームが日々呼応して空間を変えていったんです。

僕がやっていることと、伊藤桂司さんがやっていることは明らかに違うので、それを一番いい形で変えてくれる仲間が必要で、きちんと分ってくれるチームでやろうということになったんです。

 

毎日ギャラリーに来て絵を描いていると、ふいにうしろから音楽の演奏が始まっていたり・・・(笑)

 

よく成立しているなぁと思うことがありますけどね。本当に信頼関係があるから成立しています。

毎日が新しいことばかりなので、描いている僕たちが一番楽しんでいるかもしれませんね。

 

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G:そういう意味では、同じ作品はもう二度と出来ないですね。

 

S:ここでこの時間を過ごしているからこそ出来ている、また再現してと言われても無理としか言いようがないですね(笑)

 

 

 

 

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S:展示の声がかかると、まずその場所の周辺をうろうろ、リサーチをすることから始めます。

伊藤桂司さんは、写真を見ながらその場のフィーリングで描くけれど、僕はそういうやり方は出来ない。すごいと思いますね。

 

 

 

 

G:作品の風景は歩いて見て、覚えて描いているんですか?

 

S:そうですね、でも全部覚えてくるのは無理なのでiPhoneで色々と写真を撮ってきます。

あとは、その場で部分的に写生をしてきて、その絵と組み合わせて描いていきます。

 

それで、描いているうちに「ここはどうなっていたっけ、この葉っぱの裏側はどうなんだろう」と気になった時は後でまた写真を撮りにいくんです。

でも、植物なのでどんどん成長していて、すごく伸びていたりするんですよ(笑)

 

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存在するものをより追求して描く佐藤さん

写真を見ながら想像の世界をつくりだしていく伊藤さん

 

外とギャラリーと行き来しながら、出たり入ったりして描く佐藤さん

ギャラリーに籠って、資料とにらめっこしながら描く伊藤さん

 

と、描くスタイルも本当に対照的なんですね。

 

 

 

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S:僕は最近、虫眼鏡を持って実際に展示をみにいくんですよ。肉眼で見えない筆跡がみえたりするのでとても面白いんです。

 

 

 

 

と、いうことでその場にあった虫眼鏡をお借りして佐藤さんの作品を見てみると・・・

「わぁ〜〜〜!」

なんだかとってもリアル!鳥肌の毛穴みたいに、木肌だったり、葉っぱの細胞?まで見えて、普通に見ているのと全く違う感覚です。

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じーーーっくりと見る機会はなかなかないので、とても興味深いです。マイ虫眼鏡を買って、町中を見てみたら、新しい発見がありそうですね!

 

 

 

 

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S:描かなくても、「見る」ことは半分描いていることに近いんです。どうなっているんだろう、とじーっとみていると自分の中にその形が入ってきます。

 

例えば、明治期から日本で植物学をはじめた植物学者の人たちはすっごく絵が上手いんですよ。葉脈の一本一本に至るまで、見て、把握していないと描けないから。

 

 

 

 

 

見ると、描くって全然違う行為みたいだけれど、実は似ていたんですねぇ。そう考えると、小学校時代に漢字の書き取りで、見ながら書いて覚えるっていうのは効率のいい方法だったのかなぁ。

あとは、よく画家がモデルと恋に落ちるっていうのは、よく見て描いているからその人のことを知って好きになってしまうのでしょうか・・・?!

 

兎にも角にも、私も早速お気に入りの「虫眼鏡」探しからはじめようかな!と佐藤さんのお話を聞いてウズウズしています。

 

 

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佐藤 直樹(さとう なおき)

グラフィックデザイナー・アートディレクター。

東京都生まれ。北海道教育大学卒業後、信州大学研究生として教育社会学と言語社会学を学ぶ。デザイン会社「ASYL(アジール)」代表。アーツ千代田3331デザインディレクター。美学校「絵と美と画と術」講師。多摩美術大学准教授。

http://www.asyl.co.jp/

 

 

 

 

 

TAMBOURIN GALLERY

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前2-3-24
Tel:03-5770-2331
open 11:00-19:00(展示最終日18:00まで) 月曜休

http://tambourin-gallery.com/

 

 

 

 

 



Writer

【代表】新井 まる

【代表】新井 まる - MARU ARAI -

話したくなるアートマガジン「ARTalk(アートーク)」代表

株式会社maru styling office 代表取締役

 

イラストレーターの両親のもと幼いころからアートに触れ、強い関心を持って育つ。大学時代からバックパッカーで世界約50カ国を巡り、美術館やアートスポットなどにも足を運ぶ旅好き。新卒採用で広告代理店に就職し3年間勤務の後、アパレルEC部門の販促に約1年間携わる。人の心が豊かになることがしたいという想いから、独立。2013年にアートをカジュアルに楽しめるwebマガジン「girls Artalk」を立ち上げる。現在は「ARTalk(アートーク)」と改名し、ジェンダーニュートラルなメディアとして運営中。メディア運営に加え、アートを切り口にした企画・PR、コンサルティングなどを通じて、豊かな社会をめざして活動中。

好きなものは、自然と餃子と音楽と旅。

 

●Instagram: @marumaruc   

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