1st Anniversary LIVE girls Artalk 2014
トークショーレポートvol.3
<トークショーvol.3メンバー>
稲葉怜(画家)
アービン・ヒバ・アリ(造形作家)
宍戸未林(イラストレーター)
モデレーター:本橋康治(アクロス編集部)、橋本佳奈(ライター/モデル)
簡単に感じてほしい!
みなさんやはり少し緊張していらっしゃる様子・・・
ですが、だんだん慣れてくるとポンポン飛び出す話題に私は楽しみっぱなしでありました(笑)
作品を買うとなると、、、、やっぱり難しい??
トークテーマである”アートを身近に感じてもらうにはどうしたらいいか?”ということには、みなさん自身の作品にやはり答えがある様子。
壁掛け作品となると難しいけど、カーテンってなると挑戦してもらえるというアリさん。
「絵とか作品って自分が買ったことがあるかっていうとそうじゃないし(笑)」と聞くとみんな苦笑い。
アリ「音楽がアートのなかでは一番みんなが普段から触れているものだと思う。自分の生活に沿ったものがやはり手に取りやすい。必要なものってなるとそれがいいのかな」
宍戸「普段花を飾る感覚で、春だから春っぽい部屋にしたいな、という感覚で花の絵を買うとか、今の生活に絵を買うことが馴染めばいいのかなと思う」
自分の部屋に赤い色のチューリップの絵を飾ってみる。窓をあけると、少し涼しいけど暖かい風がふわりと入ってくる。部屋は明るさで満ちている。私はきっと幸せな一日を過ごすのに違いない…そんな想像をしてみる。素敵だけれど、でも、それって部屋のインテリアに合うのかな?絵ってその部屋の印象を決めてしまうのでは?
稲葉「最近の部屋って狭いし、しかもけっこう絵って大きいもの多いんだよね(笑)」
一同納得。
壁画ってものがあるぐらいですしね!
やはり絵となると現代には少し敷居の高いものってことになってしまうのでしょうか?
アリ「日本の古美術に触れて気づいたんですが、昔の日本人は絵をたくさん買っていて、桜とか季節ごとに絵を変えてた。各家にちゃんと絵を飾る所が用意されていて、土間とかに飾るっていうふうになってた。絵が家の一部になっていたけど、今はそういう日本家屋が少なくなってきて、少しさみしい。でも絵を飾るっていうポテンシャルはあるんだなと」
本橋「そうですよね、昔は床の間に絵を飾って四季折々の気分を楽しむっていう生活をしてたんですよね」
クールジャパンということもあって、アートフェアで日本古美術と現代美術の融合を試みてみる最近になって、どうやって海外に魅力を発信しようかと思ったときに、“あ、こんなにいいところがあったんだ”って改めて魅力を思い知らされるという本橋さん。
んんん~自分たちの文化の魅力に自覚が無いなんて…もったいない!
そして着物好きが高じて、着物をほどいた糸を使って作品を作っているいう稲葉さんは、今度開く個展でアートを身近に感じてもらえるようにいろんな工夫をする予定だという。
稲葉「なるべく持ってかえってもらおう!と思ってます。作品の大きさだったり、アクセサリーで身に付けてもらえるようにだったり、それで持ってかえってもらえるような形で考えています」
アクセサリーとなると対象がやはり女性になってはしまうんですけど…、と続ける稲葉さん。
アクセサリーって”作品”のなかでも手にしやすいものですよね!
展示会などで作品を持ってくる場合、その場のことも考えるという宍戸さんは、「この作品だとここに合いそうだなとか考えて、ただ置きたいものは持っていきません」と話す。イベント会場のインテリアにも携わるとき、やはり同じことを考えてしまうのだそう。
アリさんは布を使った作品の他にも映画批評を行っている。それは資金の関係で公開されないままになっている名作映画を、クラウドファンディングを使って世に広めようというものだ。
みなさんそれぞれ、自分なりの方法でアートを身近にする活動をたくさんしていらっしゃいました。
私も見習わないと~!!!
撮影:本藤太郎、荒田仁史
文:橋本佳奈