プリミティブで神秘的なアスカ・アナスタシア・オガワの世界
【今週のおすすめアート】
〜ARTalk 的 おすすめポイント〜
◆NYとLAを拠点に活動する東京生まれのアーティスト、アスカ・アナスタシア・オガワの個展が現在BLUM & POE 東京にて開催中です。
◆複数の色彩がソリッドに塗られたフラットな絵画空間によって構成されるオガワの作品では、幻想的で夢のような情景の中に、横長の目でこちら側をじっと見つめるアンドロジナスな子供のモチーフが大きなキャンバスの上に具象的に描かれています。その独特なコンポジションは、ダイレクトな衝動をありのまま受け入れ、好奇心、驚き、遊びといった子供のような本能的な感情を大切にしてきた作家自身の気質から生み出されてくるものです。
◆オガワの作品群は、ナラティブの解釈を観る者に委ねる一方で、神秘主義、神話、儀式といった要素を象徴的に表 現しています。オガワの創作は、日本人とアフリカ系ブラジル人を祖とする自身の系譜へとスピリチュアルに繋がっていくような、自らの核たる内的空間へと接近していく極めてパーソナルな行為なのです。
Asuka Anastacia Ogawa Installation view, 2020 Blum & Poe, Tokyo © Asuka Anastacia Ogawa, Courtesy of the artist and Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo Photo: SAIKI
Asuka Anastacia Ogawa Sand, 2020 Acrylic on canvas 60 x 72 inches (152.4 x 182.9 centimeters)