interview

【後編】12月3日より公開!! ポップで刺激的な作風 『アズミ・ハルコは行方不明』 松居大悟監督インタビュー 〜自身やプライベートについて〜

NEWS

2016年11月26日


【後編】12月3日より公開!! ポップで刺激的な作風 『アズミ・ハルコは行方不明』 松居大悟監督イン


【後編】12月3日より公開!! ポップで刺激的な作風 『アズミ・ハルコは行方不明』
     松居大悟監督インタビュー 〜自身やプライベートについて〜

 

【前編】では、国内外で高い評価を受ける30歳の若き才能を持つ松居大悟監督がメガフォンを取り、“女子高生、ハタチ、アラサー、”と三世代の女性たちの生き方を浮き彫りに描いた、山内マリコの同名小説『アズミ・ハルコは行方不明』を映画化した作品制作や撮影について触れました。 

【後編】では、”監督”に至った面白エピソードをはじめ、プライベートな一面を掘り下げ、松居大悟監督の素顔に迫ります。 

 

ー 自身について ー

 

girls Artalk編集部: 

他媒体で「演劇から監督に…」と拝見したのですが監督になった流れを教えてください。 

 

松居大悟監督: 

監督になろう!と思ったことはなくて… 

 

girls Artalk編集部: 

えっ?!! 

 

松居大悟監督: 

ずっと漫画家になりたかったんです。未だになりたいんですが…中学、高校と漫画が好きで、でも絵が下手でどうしてもできず。。。そういうのが理由としてあり、演劇だとみんなで一緒に作るし、その求めている「画」ができると思いました。でも映画だったらもっと画角切りとれるな…って。それで、自主映画を制作したのですが、コンペに出しても全然受からなくて。そんな中で演劇をやっていたら…『アフロ田中』のプロデューサーが僕の劇団を気に入ってくれて、自主で撮った作品も観せて、オファーが来たような状態ですね。 

 

girls Artalk編集部: 

えー!すごい偶然! 

 

松居大悟監督: 

そう、そう…最初は監督をオファーされているとは思わなくて。当時、脚本の仕事などはしていたので、そっちの依頼だと思っていたんです。そしたら、何回目かの打ち合わせの際にようやくそれを知るっていう(笑) 

あのような場所って、ちゃんと「監督をお願いします」って言われないから。呼び出されるけど、どういうポジションで居ていいのか分からずに…「どう思いますか?監督?」って話を振られた時に、「俺、監督なの?」と内心とても驚きながらも、口元をニヤつかせつつ「そうですね…これは…」と答えるっていう(笑) そういうところから始まったんですよね…不思議なんですよね。そこから、だんだんやらせてもらえるようになって…

 

girls Artalk編集部: 

(笑) でも、本当に多才ですよね… 

 

松居大悟監督: 

いやいや、何にもできないからやっているんですよ。 

 

ƒAƒtƒ“c’†_DVDƒV?ƒƒƒPƒbƒg_ƒZƒ‹5.8  thumbnail_%e3%83%a1%e3%82%a4%e3%83%b3
 (C) 2012 のりつけ雅春・小学館 / 「アフロ田中」製作委員会

 

girls Artalk編集部: 

NHK Eテレ・ジャッジの『かおだし看板ラボ』とか… 

 

松居大悟監督: 

あの番組のプロデューサーから「松居さんは、日本のウッディ・アレンになるべきだし、タモリになるべきだ!」と説得されて(汗)、顔出し看板をめぐる『顔出し看板博士』になりました…そういうのは楽しいから好きです。 

 

girls Artalk編集部: 

他にも、スペースシャワーTV「私たちのハァハァ」の対談企画とか…石崎ひゅーいさんがゲスト出演された『松の間』とか。

 

松居大悟監督: 

『花瓶の花』ですね! 

 

girls Artalk編集部: 

short short film festival とか観に行かせていただきました。 

 

松居大悟監督: 

どうでした?自分が観ても泣きます。また、歌がいい… 

 

girls Artalk編集部: 

めっちゃ泣きました…わかります!歌がいい… 

 

松居大悟監督: 

後、虹郎もいい… 

 

girls Artalk編集部: 

ですよね(笑)

 

  

ー 松居監督のプライベート ー

 

girls Artalk編集部: 

自身のことについてお聞きしたいのですが休日の過ごし方を教えてください。 

 

松居大悟監督: 

休日がなくて…というのは、逆にいうと毎日休日だったりもするんですけど…。
常に何かしらの締め切りには追われているのです。 

 

girls Artalk編集部: 

ちょっと分からないけど、大変そう…。 

 

松居大悟監督: 

でも、それは成立するかも分からない、夢の蕾を作るだけの作業でもあるから。何かしらは考えなきゃいけないこともあって、だから何にもなくてもそれは考えるし、ずっとそのルーティーンをこなしているので、「一日予定もないから休みだ。」というわけではなく、でも一日何にもしない日もあるし…毎日日曜日だと思えば日曜日だし、毎日休みなしと思えば休みなしだし、だから休日という概念がないから。 

 

girls Artalk編集部: 

お身体とかは大丈夫なんですか? 

 

松居大悟監督: 

一日最低7時間は寝ているので大丈夫です…何しているんだろう?次のやろうとしている映画とか演劇の参考になるものを観たり…結局離れられないんですよ。打ち合わせとか取材とかない限り、人と会わないですし。 

 

girls Artalk編集部: 

人と会うのは仕事の繋がりってことですか? 

 

松居大悟監督: 

そうですね…地元とか帰っても誰とも会わないし、、、こういう何かを作るために取材だったり人と話すのはすごく好きで、作っていない時に人と話すことに煩わしさを覚えるというか。 

 

girls Artalk編集部: 

すごく分かります! 

 

松居大悟監督: 

作る時はエネルギーを出しているから、それ以外の何もしていない時はボーとしているというか。インプットしたりとか、喫茶店に行くとかですかね。「今日、マジで何もないな…どうしよう」って時は、取り敢えず喫茶店に行って、読みかけの本を読みつつカレーを食べて、今はポケモンGOしてますけど、帰ってきてお昼寝したりなんかして、起きて映画を観たりなんかして、寝るとか(笑) 

 

girls Artalk編集部: 

最近、鑑賞した映画作品はどのような作品ですか? 

 

松居大悟監督: 

ジョン・カサヴェベテス監督の『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』ですね。ジョン・カサヴェベテス監督のボックスをもらって…一つずつ作品を観ていて、そんな高尚なもの観れないのですが、半分ぐらい観終わりましたね…僕、一本丸々観れないんですよ、疲れちゃって(苦笑) 映画館だと観られるんですけど、DVDだと停止できるし…観れます? 

 

girls Artalk編集部: 

仕事なら…ですね。 

 

松居大悟監督: 

早く、観終わらせたい… 

 

girls Artalk編集部: 

ノルマみたいになってますね。 

 

松居大悟監督: 

もはや作業です(笑)

 

chinesebookie chinesebookie11
Copyright (C) 2007 Geijyutsu Taizen. All Rights Reserved. (http://summaars.net/chinesebookie.html)

 

girls Artalk編集部: 

好きな監督や作品はありますか? 

 

松居大悟監督: 

それ、毎回変わっちゃうんです… 

 

girls Artalk編集部: 

じゃあ、今の気分でいいです(笑) 

 

松居大悟監督: 

相米慎二監督が好きです。girls Artalkっぽくないですよね? 

 

girls Artalk編集部: 

いや、いや、そんな気を遣わないでください!じゃあ、映画から離れて…好きな漫画はどのような作品ですか? 

 

松居大悟監督: 

古谷実さんと新井英樹さんですね。古谷実さんの『僕といっしょ』という作品の、人生のことを考えつつ、下ネタを言い続けて、優しく笑い飛ばす感じが好きで。新井英樹さんは『愛しのアイリーン』とか『宮本から君へ』とか、本当にすごくて…なんて命を削って描いているんだろうって…。 

 

girls Artalk編集部: 

NHKの『漫勉』とか見たら止まらなそうですね。 

 

松居大悟監督: 

そうですね…だから見ないようにしています(笑)

 

img_5370

 

ー 作品制作へのこだわり ー

 

girls Artalk編集部:

制作時のこだわりはありますでしょうか?

 

松居大悟監督:

作品毎にもよりますが、でもあまり関係なくて。一緒に作るプロデューサーや脚本家に命をかけられるかどうかですね。「これ、作品にしたいな。」ということよりも、「この人たちとなら一緒に死ねる。」と思えたらやる!どんなに作品が面白いと思っても、プロデューサーが打算的だったりすると、実現まで行かないことが多いんですね。そうしても気持ちが持っていけなくて…結構、それでなくなることも多くて。だから、本当に”人”とやっている感じです。

 

girls Artalk編集部:

インタビューしていて、そうだと腑に落ちました。同時にそうじゃないと一緒にお仕事はできないですよね…

 

松居大悟監督:

だから、本当に”人”とやっている感じですね。映画って総合芸術じゃないですか…できるまでにも色んな人と関わるし、完成してからも人に届けるために色んな人が関わるし。でも、そうやって映画界を盛り上げていくことが小説にはできないことだと思います。

 

ー 今後のビジョン、girls Artalk読者にメッセージ ー

 

girls Artalk編集部:

今後のビジョンなどはありますか?

 

松居大悟監督:

どうしたらいいですかね?

 

girls Artalk編集部:

え?

 

松居大悟監督:

今後?

 

girls Artalk編集部:

質問ですよね?…松居さんは風に身を任せて的な感じなんですか?(笑)

 

松居大悟監督:

そりゃ…部分的にオリジナルの商業映画を制作できたらいいな。とか具体的なことはあるのですが、どういう人になっていこう!っていう意味でいうと…外側から見たら「次何仕掛けてくるんだろう?」っていう人が好きなんですよね。映画だけに限ってもテイストがとどまらない…この人は恋愛系だね、この人はホラー系だね、とかではなく、そういう風には絶対にしたくないから…常にカマしてくる。「この人が作るものだったら観に行きたいな。」って思ってくれる演劇とか映像の人に憧れています。でも、わからないですね…何したらいいんだろうな?

 

girls Artalk編集部:

難しい質問しちゃいました?

 

松居大悟監督:

そうですね…答えが出ないやつですね(笑)

 

girls Artalk編集部:

私は今作品を観て、ウッディ・アレン監督の『ブルー・ジャスミン』を彷彿しました。社会性的な部分を描きながらも女性の痛々しさを、エンターテイメントとしてシッカリ落とし込んでいる。『アズミ・ハルコは行方不明』を観たとき…ゾクッとしました。なのでという訳ではないですが…日本映画界のウッディ・アレン監督みたいになって欲しいです。

 

松居大悟監督:

ほうほうほう…女優と結婚しないと(笑) 僕は本作を通して邦画界に疑問をなげかけたかったんです。
地方のヒリヒリとした感じを良しとして、それを正直に描いたら賞賛されるのとか、今やんなくていいでしょ?って作品とか。いつか見ていた過去の景色を、現代の人たちに合わせずに自分の標準に合わせても意味はないし…それで息苦しくなっている現状を目の当たりにして、今の僕の立場で映画を撮らせてもらっている以上、その部分はシッカリと考慮して描きたいと思ったんです。若手で“作家性”とかで突出してしまうと結局時代も描けないし、それでいて観る人の偏差値下げてもいけないと感じています。と、言いつつも…「『アズミ・ハルコは行方不明』はわからない。」って言われたら、ちょっと待てよ!偏差値上げるためにやっているんだよ!っていう(笑)

 

girls Artalk編集部:

偏差値上げて行きましょう!(笑) なので、邦画界のウッディ・アレン監督みたいになってください。

 

松居大悟監督:

ウッディ・アレンはもう居るので…女優と結婚しないウッディ・アレンになります(笑)あっ!…でも、結婚するウッディ・アレンがいいな♪

 

girls Artalk編集部:

最後に、girl Artalk読者にメッセージをください。

 

松居大悟監督:

アート、演劇・映画など、行ってみたら間違いなく面白いので、その一歩を何かとくっつけるといいと思います。美味しいご飯屋さんやスイーツなど…僕の場合ですが「美味しいカレー屋に行くついでに何か演劇観に行こう!」みたいな。例えば、上野の美術館巡りだったらポケモンGOやりながらとか、その土地に住んでいる友達に会いに行くとかですね(笑)もう一つ行く理由を増やしてみるとハードルが下がると思います。

 

img_5369

 

インタビューを通して『アズミ・ハルコは行方不明』の作品や撮影について触れられただけでなく、監督自身の”監督”に至った面白エピソードをはじめ、プライベートな一面を掘り下げることができました!

無邪気に笑いながら取り繕うことなく気さくに話してくださる松居大悟監督から、人を思い遣り、人を重視する、その魅力に潜んでいる”才能”という所以が理解できました。これから新たに切り拓かれる日本映画界がどのように変化していくのか楽しみでなりません。

 

文・写真:新麻記子 

 

【情報】

アズミ・ハルコは行方不明

in_main

12月3日(土)公開

監督:松居大悟
原作:山内マリコ『アズミ・ハルコは行方不明』(幻冬舎文庫)
キャスト:蒼井優、高畑充希、大賀、葉山奨之、石崎ひゅーい

 

【プロフィール】

%e6%9d%be%e5%b1%85%e5%a4%a7%e6%82%9f

松居大悟

1985年生まれ。福岡県出身。劇団ゴジゲン主宰、全作品の作・演出・出演を担う。
09年、NHK『ふたつのスピカ』で同局最年少のドラマ脚本家デビュー。12年、『アフロ田中』で長編映画初監督。その後、『自分の事ばかりで情けなくなるよ』『スイートプールサイド』など作品を発表し、『ワンダフルワールドエンド』でベルリン国際映画祭出品、『私たちのハァハァ』でTAMA映画賞最優秀新進監督賞受賞。ミュージックビデオ制作やコラム執筆など活動は多岐に渡る。
原作を手掛けた漫画『恋と罰』が連載中。

監督作品

『私たちのハァハァ』(15)監督/脚本
『ワンダフルワールドエンド』(14)監督/脚本
『スイートプールサイド』(13)監督/脚本
『自分の事ばかりで情けなくなるよ』(13)監督/脚本
『男子高校生の日常』(13)監督
『アフロ田中』(12)監督

 

【その他情報】

アフロ田中

ƒAƒtƒ“c’†_DVDƒV?ƒƒƒPƒbƒg_ƒZƒ‹5.8

DVD&Blu-ray好評発売中!
発売元/販売元:ハピネット/小学館   
(C) 2012 のりつけ雅春・小学館 / 「アフロ田中」製作委員会

ストーリー

まだ見ぬ彼女を探し求める妄想男子、間違えまくりの奮闘記。強烈な天然パーマでこの世に産まれ落ちた田中広(松田翔太)。24歳になった今も彼女は出来ず、日々をなんとなく過ごしていた。そんな時、学生時代からのダメ仲間大沢(堤下敦)、岡本(田中圭)、村田(遠藤要)、井上(駒木根隆介)のうち、井上が結婚するとの知らせが舞い込む。驚きと共に田中が思い出した“誰かが結婚する時、それぞれの彼女を連れていこう”というモテない男ならではの悲しい約束。「やばい…、これは早急に彼女を作らねば!」そんな田中の前に、お隣にお手すきの時にでも返信お願いいたします。

 








トップへ