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あなたが巨匠の作品の一部に ヘスス・ラファエル・ソト展

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2018年12月12日


あなたが巨匠の作品の一部に ヘスス・ラファエル・ソト展


 

 

あなたが巨匠の作品の一部に ヘスス・ラファエル・ソト展

 

 

 

現在、表参道にあるエスパス ルイ・ヴィトン東京では、美術史の中でもインスタレーションの可能性を大きく広げたベネズエラ出身のアーティスト、ヘスス・ラファエル・ソトの作品が展示中です。元は抽象絵画やキュビズムといったペインティング作品を制作していたソトですが、モンドリアンやマレーヴィチのコンセプトにインスピレーションを受け、「光」に着目するようになりました。

 

 

 

呼吸が、振動が作品を動かす・・・参加型の最たる作品

 

 

 


PENETRABLE BBL BLEU
1999年, ed. Avila 2007
PVC(ポリ塩化ビニル)、金属
PVC, metal
© Adagp, Paris 2018

 

 

 

今回、展示されている《Pénétrable BBL Bleu》(1999年、ed. Avila 2007年)は、1999年に制作された、ソトの集大成と言われる作品です。作品に使用されているのは至ってミニマム。医療用にも使用される青のPCV(ポリ塩化ビニル)と、それを吊るすための金属のみです。等間隔に収められるその姿から先に展開されるのは、私達の予想を遥か上をいくイメージの世界です。

 

 

 

二度と見せないその時々の瞬間こそがソトの狙い

 

 

 


PENETRABLE
1982年
レティーロ公園、ベラスケス宮殿、スペイン、
マドリード(1982年2-3月)
Palacio de Velasquez del parque del Retiro,
Madrid, Spain (February-March 1982)
© Adagp, Paris 2018.
Photo credits: Carlos Scavino

 

 

 

ソトの作品は鑑賞者に強く「動」を求めます。何故なら、人々が参加することにより作品が成り立つからです。ただ吊るされたPVCから作品に変化する瞬間、それは空気が、振動が、あなたが関与した瞬間です。人々が作品に物理的な接触をはかることにより、作品は作品となり、命を得たが如く、波うち呼応し合うのです。あなたの動き一つで作品は二度と見せない表情を生み出します。それこそが、ソトの狙いなのです。

 

人間は決して一人では生きられない、そんなことを暗喩しているかのように感じました。

 

 

 

一人ではなく、複数人と参加することで作品がより楽しめる

 

 

 

 


PENETRABLE BBL BLEU
1999年, ed. Avila 2007
PVC(ポリ塩化ビニル)、金属
PVC, metal
© Adagp, Paris 2018.

 

 

 

本作品を鑑賞する際は、是非一人ではなく複数人で参加してみて下さい。アクションがアクションを起こし、それは際限なく続いていきます。海を泳ぐように、空を仰ぐように自由に作品に加担してみましょう。参加型作品は、実際に作品に触れてみてこそ。境界や意識を解放する新たな体験があなたを待っているはずです。

 

また、作品は時間によって表情を変えます。昼かそれとも夜か。あなたのお気に入りの時間帯を見つけて頂きたいです。展示は2019年5月12日(日)まで。

 

 

 


SOTO IN A PENETRABLE
《Pénétrable》(浸透可能なるもの)の中にいる
ヘスス・ラファエル・ソト
1970年
ザグレブ現代美術館、クロアチア(1970年6-8月)
Museum of Contemporary Art, Zagreb, Croatia
(June-August 1970)
© Adagp, Paris 2018
© Archives Soto

 

 

 

展覧会概要
会場:エスパス ルイ・ヴィトン 東京
会期:開催中〜2019年5月12日(日)
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7F)
入場料:無料
開館時間:12:00-20:00 (エキシビション会期中のみ)
ウェブサイト:http://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/

 

 

 

テキスト 鈴木 佳恵
写真 新井 まる

 

 

 

 

バナー画像は
PENETRABLE BBL BLEU
1999年, ed. Avila 2007
PVC (ポリ塩化ビニル)、金属
PVC, metal
© Adagp, Paris 2018.

 

 



Writer

鈴木 佳恵

鈴木 佳恵 - Yoshie Suzuki -

フリーランスの編集者。
広告代理店に勤務後、フリーランスに。
得意分野は映画と純文学。
タルコフスキーとベルイマンを敬愛し
谷崎潤一郎と駆け落ちすることが夢。

 

暇があれば名画座をハシゴしています。






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