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イメージメーカーの集大成 ジャン=ポール・グード「In Goude we trust!」

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2018年12月21日


イメージメーカーの集大成 ジャン=ポール・グード「In Goude we trust!」


 

 

イメージメーカーの集大成 ジャン=ポール・グード「In Goude we trust!」

 

 

 

アートやファッションに少なからず興味を持っている人ならば、彼の名前を耳にしたことが一度はあるのではないでしょうか。そのアーティストの名は、ジャン=ポール・グード。凡人には到底、生み出せぬアイデア力と、高い感度が作り上げるアートワークの数々は、美術業界のみならず、音楽、広告、ファッション業界まで多大な影響を与え続けています。

 

銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催中の『In Goude we trust!』は、シャネルとジャン=ポール・グードのコラボレーション作品に加えて、グード自身がセレクトしたスケッチ、ドローイング、フィルム作品など、彼の圧倒的な世界観と才能を存分に堪能できる、豪華な展覧会となっています。イメージフィルムにはシャネルのビューティーアンバサダーを務めるモデルのKōki,を起用するなど、話題の展覧会の様子と彼の素晴らしいアートワークを紹介します。

 

 

 

 

 

 

「エゴイスト」「ココ」「チャンス」…シャネルとグードによる歴史的CF作品の数々

 

 

 


©JEAN-PAUL GOUDE

 

 


©JEAN-PAUL GOUDE

 

 

 

ジャン=ポール・グードをイメージメーカーとして語る上で欠かせないのは、CF(コマーシャルフィルム)と言えましょう。1990年に発売されたシャネル初の男性用フレグランス「エゴイスト」のCFは広告のマスターピースです。

 

CFはモノクロから始まります。文芸映画によく見られる女性の表情のアップが続き、彼女たちはフランスの劇作家ピエール・コルネイユ「ル・シッド」のモノローグを口にします。徐々にカメラは引きになり、カラーへと変わります。ホテルを模した建物の扉窓を開閉し、美しい女性達が、憤慨しながら「エゴイスト!」と叫ぶのです。

 

セルゲイ・プロコフィエフ作曲の「ロメオとジュリエット」の中でも有名な「騎士たちの踊り」がCF全体に流れており、ロシア音楽、フランス文学の強烈なロマンティックさと、女性達の一糸乱れぬ振り付けのコントラストの奇抜さは、世界中に一大センセーションを巻き起こしました。

 

また、この贅を極めた建物はフランスのリヴィエラにある著名なホテルを参考にしていますが、なんと、このCFのためだけに一から建設したものです。シャネルとグードがどれだけこのCFに力を注いだかが伺えるエピソードです。

 

 

 


©JEAN-PAUL GOUDE

 

 

 

ボウリング場でシャネルのオートクチュールに身を包んだ華やかな女性達が、ボールの代わりにシャネルのフレグランス「チャンス」を投げるという斬新なCFも、グードが手がけたものです。

 

グードの遊び心やチャレンジ精神、そして少しの皮肉や哀愁を感じるこのCFを見て、ココに通じる精神をグードに感じたのは私だけではないでしょう。

 

 

 

グレイス・ジョーンズ、ビョーク、リアーナ 歌姫たちとのアートワークも多数披露

 

 

 


©JEAN-PAUL GOUDE

 

 


©JEAN-PAUL GOUDE

 

 

 

ジャン=ポール・グードといえば、グレイス・ジョーンズのアルバム・ジャケットを想像する方も多いのではないでしょうか。グードのキャリアの始まりであると共に、現代でも通ずる類まれなセンスを感じられる作品です。グードの圧倒的なプロデュース力もあり、グレイスはニューウェーブの女王の座へと駆け上ります。

 

その後も、グードはビョークやリアーナといった才能ある歌姫とコラボレーションを続けています。

 

 

 

炎や鏡をモチーフにしたダンサーによるパフォーマンスも必見

 

 

 


©JEAN-PAUL GOUDE

 

 

 

シャネルのファイン・ジュエリーコレクション「The Five Elements」のために制作された《ファイヤー インスタレーション》も、今回、展示されています。光沢のある白いドレスに身を包み、ジュエリーを交換しあうダンサーの動きは優雅でこの上なく繊細です。それでいて、近距離で行われるため、迫力と緊張に満ちているのです。荘厳な雰囲気を、会場に足を運んで是非感じていただきたいです。

 

 

 

ジャン=ポール・グード本人から日本へのメッセージ

 

 

 


内覧会当日、会場にて。ジャン=ポール・グード氏 

 

 

 

最後に、本展覧会のために来日したジャン=ポール・グードから、日本の皆様へのメッセージをお伝えしたいと思います。

 

「日本の皆さんには本展覧会の全てを見て欲しいと考えています。私は、映画監督の溝口健二に深い影響を受けており、日本の文化や人々に対して敬意を持っています。また、世界中どこへ行っても人々が持っている共通の感覚というものがあるのではないでしょうか」

 

映像作家、カメラマン、アート・ディレクター、イラストレーター。イメージメーカーの名を欲しいままにする、ジャン=ポール・グード。その素顔はジョークを飛ばして我々記者を笑わせてくれる少年のようでした。展覧会を鑑賞し終えたら、あなたも必ずこう言いたくなるはず。「In Goude we trust!」

 

 

 

【展覧会概要】
ジャン=ポール・グード「In Goude we trust!」
会期:開催中~2018年12月25日(火)
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
電話:03-3779-4001
開館時間:12:00~19:30
休館日:会期中無休
観覧料:無料
https://chanelnexushall.jp/program/2018/jeanpaulgoude/

 

 

 

テキスト 鈴木 佳恵
写真 新井 まる

 

 

 

 

バナー画像は
©CHANEL

 

 

 



Writer

鈴木 佳恵

鈴木 佳恵 - Yoshie Suzuki -

フリーランスの編集者。
広告代理店に勤務後、フリーランスに。
得意分野は映画と純文学。
タルコフスキーとベルイマンを敬愛し
谷崎潤一郎と駆け落ちすることが夢。

 

暇があれば名画座をハシゴしています。






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