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【前編】坂本美雨with CANTUSインタビュー 〜出会いから『Sing with me』制作エピソード〜

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2016年6月28日


【前編】坂本美雨with CANTUSインタビュー  〜出会いから『Sing with me』制作エ


【前編】坂本美雨with CANTUSインタビュー
    〜出会いから『Sing with me』制作エピソード〜

 

坂本美雨 with CANTUS(カントゥス)として、6月22日にミニアルバム『Sing with me』が発売された。

子供と一緒に楽しめる音楽をコンセプトにレクイエム「pie jesu(ピエ・イェズ)」や生誕120周年を迎える宮沢賢治

詞曲の「星めぐりの歌」など全4曲が収録された本作は、坂本美雨の歌声とCANTUSが奏でる美しいハーモニーに思

わず心がほどけ安らぎを覚える。

 

 

前編では坂本美雨さんと女子聖歌隊CANTUS率いる太田美帆さんに今回の制作にあたっての出会いから創作過程の

エピソードについてお話を伺った。

 

girls Atralk:

このコラボレーションのきっかけはどのような経緯だったのでしょうか?

 

坂本美雨さん

コンサートのコーラスとして太田美帆ちゃんがきてくれたのが最初です。「miusic」の時。

 

太田美帆さん(CANTUS)

4年前ですね。CANTUSとして2人のメンバーでバックコーラスをやらせてもらって知り合いました。

それがご縁でCANTUSのライブに美雨さんにゲスト出演していただき、その後ちょっと空いてNHK FMで美雨

さんがディズニーを歌う企画の際にご一緒したのが今回のベースになっています。

 

girls Artalk:

それはミニアルバムにも収録されているピノキオの「星に願いを」などですよね?

 

坂本美雨さん

そうです。その時に何曲もやってボリュームがあり、これだったら広がりがあると予想がついたので、次のプロ

ジェクトとして子供と一緒に楽しめるもの、子守唄をやりたいと思いました。ちょうど自分の子供が生まれるタ

イミングだったので。そこでぱっと浮かんだのがCANTUSさんとのコラボレーションだったんです。

 

girls Artalk:

CANTUSさんもご出産されているメンバーがいらっしゃるんですよね?

 

太田美帆さん(CANTUS)

そうです。私もふたりいますし、メンバーの子供合わせると全部で6人いますね。

子供CANTUSが(笑)

 

girls Artalk:

美雨さんが出産されたのは2015年7月と伺っていますが、本プロジェクトに向けてCANTUSさんと活動を始めた

のはいつ頃からですか?

 

坂本美雨さん

今年から動き出しました。

 

太田美帆さん(CANTUS)

今年1月に美雨さんのマネージャーさんから打ち合わせをしたいということで連絡があり伺ったところ、アルバム

のプロジェクトについての企画書があって下の方に3.11レクイエム先行配信という文字が書いてあったんですよ。

タイトスケジュールですが「3.11っていう日にちのこともあるし、レクイエムをとにかく歌いたい」というお話を

頂きました。「レクイエムという言葉は鎮魂歌という意味ですが、亡くなった方々が安らかに眠ってくださいます

ようにという願いの延長線上で、大きく考えると子守唄に繋がることにもなるので、美雨さんなりの子守唄という

語り口のほうが伝わるんじゃないですか?今は。」とお伝えしました。美雨さんも「そういう気持ちで歌うべきだ」

とおっしゃっていたので「曲はレクイエムだけど子守唄として歌いましょう」ということで心をひとつにして歌い

ました。

 

girls Artalk:

練習はどのくらい重ねるものなんですか?

 

太田美帆さん(CANTUS)

レクイエムの「pie jesu(ピエ・イェズ)」はアンドリュー・ロイド・ウェバーが作曲者で、CANTUSのレパートリー

としても歌っていた曲なので、そんなに練習しなくて大丈夫だったのと美雨さんも旋律をすぐに覚えてくださったので

合わせた練習はそんなにしていません。2回会ったくらいですぐにレコーディングに突入しました。

 

girls Artalk:

では、このプロジェクトは美雨さんのほうでCANTUSさんに提案し、企画も膨らんでいったということなんですね。

 

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今回のミニアルバムについて…その楽曲制作、レコーディングに迫る。

 

girls Artalk:

今回のミニアルバムはどのように選曲されたのでしょうか?

 

太田美帆さん(CANTUS)

4曲ならどれがいいかみんなで集まって決めました。今の美雨さんが歌うべき曲、歌いたい曲についてお尋ねした

ところ、「子供と聴ける曲が歌いたい」とおっしゃっていたのでそれを元に選曲しました。

 

坂本美雨さん

サウンドプロデュースのHaruka Nakamuraさんも意見を出してくれて、宮沢賢治の「星めぐりの歌」なんかは彼の

推薦です。

 

girls Artalk:

「ノスタルジア」も素朴ですごく楽しい曲ですね。

 

坂本美雨さん

それは絶対に入れたくって。私は「おお雨」という別ユニットをやっていて、そこでもともと歌っている曲なんです

が、子供にとって3拍子で楽しく、私自身も小さい時に3拍子の歌が好きだったこともあり。歌詞が入ってくるよう

で入ってこないというか、口に出すことが楽しい。特に言葉の意味というよりはサウンドとして楽しくて。

 

girls Artalk:

思わず口ずさんでみたくなる歌詞ですよね!収められている4曲はどのぐらいの制作期間で作られたんですか?

 

坂本美雨さん

期間としては短くはないけど、レコーディング自体は1日とか・・・

 

girls Artalk:

息がすごくあったんですね。

 

太田美帆さん(CANTUS)

やることはもう見えていたので現場で作っていくというよりは、美雨さんにどのような要素でハマってもらうか

というのがポイントでした。サウンドプロデューサーのHaruka Nakamuraとの共通認識としては「pie jues(

ピエ・イェズ)」は子守唄。

子守唄は優しく子供に歌いかける曲なので、海外でこの曲がよく歌われているように歌唱力アピールで歌い上げる

ようなものではなく、子供たちに聞かせられるような日常の延長線にある歌い方で美雨さんに歌ってほしいと考え

ていました。

なので多少音がずれていっても美雨さんの自然な声がほしくて、too muchにならないように作ろうと決めていま

した。

でも録ってみたら、美雨さんもすぐに「こういうことなんだ」とわかってくれて、引き出しの多い方なので「この

曲にはこれ」っていうふうに色々な声の表情を出してくれて、私たちも「3色あるうちの1色がほしいです」みたいな

感じで話が早かったです。

そしてたまたまエンジニアの方も青森の方で「青森サウンドでがんばるべっ」てスタジオで盛り上がりました(笑)

 

坂本美雨さん

私も青森生まれなもので。

 

太田美帆さん(CANTUS)

それで宮沢賢治にたどり着くんですけど。

 

girls Artalk:

本作品は本当に力が抜けていて歌声がするすると自然に入ってきますよね。

 

坂本美雨さん

美帆ちゃんが引き出してくれたの。

 

太田美帆さん(CANTUS)

いやいや。本当にレコーディングしてびっくりしたのがその美雨さんの声の多様性なんですよ。

「1回録ってみてこれもいいけど、これの50%のパワーでもう1度歌ってもらえませんか?」というと、全然違う

音色が出てきて、「本当に同じ人かな」っていうような歌い方ができてしまうんですよ。「100%を120%だしてく

ださい」と言ったら、全然違う色をだしてくるし、すごいんですよね!私たちはコーラスなので自分を消す作業が

大切になってくるので、ソロで表舞台に立つということはこういうことなんだと思い知らされましたね。歌う人は

こうなんだ!と。

 

girls Artalk:

スタジオでの太田さんからの歌唱に対するオーダーについて坂本さんは実際にどのように汲みとり歌っていっ

のでしょうか?単に強弱の話だけではないですよね?

 

坂本美雨さん

音量や抑揚のつけ方、それから滑舌で可愛い感じになったり。子守唄を歌ってる時って高い音でも声を張れないじゃ

ないですか、起きちゃうから。だからちょっと押し殺しているけれど、日本語は綺麗にバランスを考えながら歌って

います。

でも、今回のレコーディングは「実際に子守唄を歌っているとしたら」という設定があったのですごく助かりましたね。

自分の中の新しさというか、あったんだろうけどそれを良しとしてくれたという。もちろん音程、声量、テクニックで

いったらうまい歌ではないかもしれないけど「それもいいんだよ、これも美雨ちゃんの歌の一つなんだよ」っていうふ

うに教えてくれた現場でした。

 

太田美帆さん(CANTUS)

前作『Waving FLAGS』から180度雰囲気が違い、ポップで聞くと楽しい気分になるアルバムだと思うんですよ。そこから

全然違うことをしたいと思ったし、今美雨さんはそれをするタイミングなんだとこちらも解釈したので。やっぱりそれが

できるのが美雨さん。同じ世界観を永遠にやることもすごいことかもしれないけど、美雨さんにとって音楽は人生観、生

活感、日々の営みの延長線上にあるということなんだと思いました。

 

girls Artalk:

ちなみにレコーディングの時はお子さん連れなんですか?

 

太田美帆さん(CANTUS)

そういう場合もありますし、状況に応じて。

 

坂本美雨さん

みんな家庭の事情をそれぞれやりくりして活動しています。

 

太田美帆さん(CANTUS)

レコーディングは夜が多いので旦那さんに面倒を見てもらったり、どうしても預けられない場合は場所によって大丈夫なら

スタジオで子供たちだけで遊んでもらう、みたいな。

美雨さんのマネージャーさんにもだいぶ頑張っていただいています(笑)

 

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左から坂本美雨さん・太田美帆さん(CANTUS)

 

重なり合うハーモニー…その工夫とは?

 

girls Artalk:

ソロとしてひとりでパフォーマンスをする時と今回のようにコーラスの皆さんと一緒にパフォーマンスをする時とは

どのような違いがありますか?

 

坂本美雨さん

みんなに支えられています。クッションのように頼っていますね。

 

太田美帆さん(CANTUS)

こちらがしっかりしていないと歌いづらいに決まっているので、美雨さんが歌いにくそうだったらこっちも調整していき

ますね。

 

坂本美雨さん

それをライブ前とか私が歌いやすいように、リーダーとしてメンバーに言ってくれていてすごい感動するというか、本当

にありがたいです。

 

太田美帆さん(CANTUS)

バンドですから(笑)

 

坂本美雨さん

普通のバンドよりもよりそれは感じています。直接的に呼吸だからかそれはお互いに伝わりますね。それはみんなの息吸

ってるちょっとしたものを感じなければいけないから。

 

太田美帆さん(CANTUS)

やはり「間」が大事なのでリハーサルするときに、美雨さんの「間」を私たちが汲み取って呼吸に合わせるのが大切です。

本番は前にいらっしゃるからそれをリハーサルで体で覚えておく。ここは何秒ぐらい空いたなっていうのをカウントでは

なく感覚で。

 

坂本美雨さん

でも、ライブではお客さんを前にすると楽しかったり、緊張したりするので、呼吸や「間」は変わっちゃうんです。

勝手にいっちゃって「あっ」て思う時もあるし、入れなくて背中で「ごめん」って思うこともある(笑)臨機応変にプロ

だなって思います。

 

太田美帆さん(CANTUS)

それが面白いですよね。

 

 

ゆったりとした語り口調の坂本美雨さんとリーダーらしく明るく利発にお話くださるCANTUS太田美帆さん。

お互いの深い信頼関係から引き出し、引き出された本作『Sing with me』の制作された様子が、おふたりの語り口から

伝わってきた。

後編では、出産を経て表現活動の節目を迎えた坂本美雨さん、そして引き続きCANTUS太田美帆さんに音楽人生を改

めて振り返っていただいた。

 

文/小川仁美 写真/洲本マサミ

 

【アルバム情報】

ミニアルバム『Sing with me』/坂本美雨 with CANTUS
2016年6月22日(水)発売

<収録曲>
01. 星めぐりの歌
02. ノスタルジア
03. When You Wish Upon A Star ~星に願いを~
04. pie jesu(ピエ・イェズ)

■Amazon ページ
http://www.amazon.co.jp/dp/B01E3A4HAG/
■商品紹介ページ:
http://www.yamahamusic.co.jp/artist/detail.php?product_id=849&artist_id=57

 

【リリースイベント情報】

日時:2016年7月3日(日)12:00
場所:東京・タワーレコード 新宿店 7F 特設イベントスペース
イベント内容:ミニライブ+特典会
イベント参加券配布対象店舗: タワーレコード 新宿店 / タワーレコード 渋谷店
問い合わせ先:タワーレコード 新宿店(03-5360-7811)
*ミニライブの観覧は無料。
<イベント特典>
・直筆サイン色紙お渡し会
<対象商品>
ミニアルバム『Sing with me』

※参加方法・他イベント情報詳細は特設ページへ

◆『Sing with me』 特設ページ:http://www.yamahamusic.co.jp/sing-with-me/

◆  坂本美雨オフィシャルサイト:http://www.miuskmt.com

◆  CANTUSオフィシャルサイト:http://otamihoandcantus.client.jp

 



Writer

川嶋 一実

川嶋 一実 - Hitomi Kawashima -

週末女優 -製薬会社OL×女優-

 

聖心女子大学卒。国内外で舞台・映画出演の他、聖心女子大学哲学科芸術学の授業で特別講師として招かれるなど活動の幅は多岐に渡る。

〈 人生に転機を 〉と2011年ひとりニューヨークに飛び込み、翌年アメリカで舞台「HITOMI」に主演。
2016年プロデュースユニット“週末女優”を始動させ、女の二人芝居『たまことゆかり』(作:五戸真理枝/文学座)を春・秋と連続上演。2017年ドイツの報道番組に密着取材を受け、独自のライフスタイルが紹介された。

学芸員資格保有。映画・演劇・音楽をメインにインタビュー記事や作品紹介を通じて、アートのワクワクをお届けします!

 

★twitter:https://twitter.com/HITOMI_KAWASIMA

★HP:http://hitomi8.com

 






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