【今週のおすすめアート】
人と動物の関係を見つめる写真家、シャーロット・デュマの映像2本を急遽上映!
〜girls Artalk的 おすすめポイント〜
◆10月9日(火)~ 10月13日(土)までの5日間、東京・六本木の小山登美夫ギャラリーでシャーロット・デュマ展が開催されます。
◆オランダの写真家シャーロット・デュマは馬を主なモチーフとし、日本の野生の馬や、米国の使役馬などを写真に撮ってきました。
◆「浅間国際フォトフェスティバル」に出品された映像2作品「Work Horse」(12分)「Nanae」(13分半)の上映と、同時期に撮影されたポラロイド作品を観る貴重な機会です。
© Charlotte Dumas
【アーティストコメント】
私たちと動物との関係から人間性のあり方を理解し、そして研究することは、私の作品制作における根幹をなしています。ある特定の動物を私たちはどのような目的で飼育し、それらと共存し、そしてそれらを定義付けるのか。そして私たちはなぜそれらに個人的な思い入れを持ち、時に何らかの象徴として扱うのか。そのような観点から、被写体の選択を行います。
社会に当たり前のように存在している動物の消息は、私たちが他者への共感を抱くこと、そして日常の生活を送るということに大きな影響を及ぼすだろうと私は考えます。
私たちは一方で動物を食糧源としてみなし飼育しながら、もう一方では(視覚言語において特に顕著ながら)それらの動物を擬人化してしまうという二つの思考を持ち、その間には大きな溝が広がり、関係性における矛盾を増大しています。動物についての議論では、感情論が先行してしまう。動物との直接的な接触が減るほどに、動物が持つ本来の能力、動物が私たちにとって、私たちが動物にとって何を意味するのかということ、その深遠さについて考えることが難しくなります。
これまで十数年にわたり、私は馬や犬を中心に、狼や虎なども含むさまざまな動物を観察してきました。それらの動物たちは、特定の状況下で人間と関係を育んでいます。動物という存在に対して、ひいては私たち自身や他者に対し、どのような価値付けを行うのか。そのような複雑な問いは私を強く惹きつけます。究極的にそれは、選んだ被写体それぞれを定義しようとする私自身の問題でもあるのですから。
シャーロット・デュマ
(浅間国際フォトフェスティバルカタログ、2018年)
【アーティストプロフィール】
Charlotte Dumas (シャーロット・デュマ)
1977年オランダ生まれ。現在アムステルダムとニューヨークを拠点に活動を行う。
2000年にヘリット・リートフェルト・アカデミーを卒業後、ライクス・アカデミーでビジ ュアルアーツを学ぶ。キャリアを通じて現代社会における人間と動物の関係性をテーマに扱い、これまでに警察馬や救助犬、 動物園で飼育されている動物など、様々なシチュエーションの動物を被写体としたポートレイト作品を発表。欧米を中心に各地で個展開催やグループ展に参加する。
ウェブサイト:http://www.charlottedumas.nl/
日程:2018年10月9日(火)~ 10月13日(土)
会場:小山登美夫ギャラリー
住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665ビル2F
時間:11:00-19:00
休廊日:日、月曜日 及び 祝日
入場無料
【オープニングレセプション】
2018年10月9日(火)17:00-19:00
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©Charlotte Dumas