デジタルの世界でアートや遊びがひろがる
「チームラボ 踊る!アート展と学ぶ!未来の遊園地」
お台場に新たな遊園地がオープンしました!
デジタル技術を駆使し、アートの領域を飛び越えて、常に新しい驚きを見せてくれる、ウルトラテクノロジスト集団・チームラボが、世界的にも評価の高いこれまで発表してきた「デジタルアート」と、全国で子どもたちを楽しませている「学ぶ!未来の遊園地」が一度に体験できる、贅沢な世界初の展覧会として、企画展「チームラボ踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」を日本科学未来館で開催しています。
本展は、伊藤若冲(1716~1800)の「鳥獣火木図屏風」や「樹花鳥獣図屏風」をモチーフとした巨大なアニメーション作品『Nirvana』や文字に手を触れるとその文字が持つ世界が映し出されるインタラクティブインスタレーション作品『世界はこんなにもやさしく、うつくしい』といった、おなじみのデジタルアート作品が美術展のスケールを凌駕した空間に構成される「アート展」と、これとは対照的に、来場者がクレヨンで描いた海の生物たちがデジタルの海に浮かび上がるという『お絵描き水族館』や叩くと色がかわったり音が変わったりする『光のオーケストラ』といった子どももおとなも、手や体を動かしてデジタル表現の庭で思いきり楽しむことができる「遊園地」の二つの会場を行き来することで、アート、テクノロジー、遊び、学びの境界を超えた、新しい世界に出会えます。
今回なぜ遊園地なのか? という問いにチームラボ代表猪子寿之さんは「海外の美術館では家族連れが多くたくさん子どもたちが走り回ってるというのに、日本では子どもも美術をおすましして見なくてはいけない。そこにフォーカスし、日本でも子どもが走り回れる美術展を開催しよう!ということで今回の展覧会を考えました」とし、猪子さんが考える日本におけるアートの現状について語りました。
チームラボ代表猪子寿之さん(右)と日本科学未来館キュレーター内田まほろさん
オフィシャルサポーターはな、なんとふなっしー!
girlsArtalkでは二人のレポーターがプレス内覧会に参加して、本展を体験してきました。
◯楽しめるのは子どもだけじゃない!
レポート:藁科早紀
この展覧会は大きくわけて二つで構成されていました。
まず「アート」の空間。いままで2Dだった絵画等のアートの世界を大きく覆されました。こんなにもデジタルが美しく、たくさんの人の心をうきうきさせるものだったなんて。どんどん移り変わる光景を見逃さないよう、目が釘付けになりました。2Dでは決して体験できない空間。日本の伝統芸術を大きく扱ったものが多く、現在のマンガからアニメへという流れを、さらにハイテクノロジーにより高度な表現にしているようにも感じ取れました。
「遊園地」の空間では実際に子どもたちが走り回って、大きな笑顔でテクノロジー、アート、サイエンスを楽しんむ姿を目にできました。ただデジタルだけで完結してはいません。デジタルの空間にいれるために、実際に紙に描いてスキャンしたり、叩くと色がかわる大きなボールを触ったり、○△□の上を上手にケンケンパすると床に美しい映像が流れる「天才ケンケンパ」のように、来場者が体験するものは、おとなたちが子どもの頃にやっていた遊びなのです。このアナログな部分と新しいデジタルを融合し、子どもだけではなく、おばあちゃんやおじいちゃんの世代と孫でもデジタルで遊べる。なんだか心温まる愛に満ちた新しい空間だと感じました。
ここまで聞くと、じゃあここは子どもや親子しか遊べないの? と思うかもしれませんがそんなことはありません。24歳独身(笑)の私だって思い切りはしゃいで童心に帰って遊んじゃいました。自分の書いた絵がデジタルの海に放たれたときなんて、なんだか自分が産んだ子どもがこの世に放たれたような気分になって、いつまでも眺めてしまったし、デジタルの海では餌もあるので、自分の“可愛い作品ちゃん”がしっかりと餌を食べているか、はらはらして見てしまったりしました。
「天才ケンケンパ」では10年ぶりぐらいにケンケンパをしました。ケンケンパってこんなに体力消耗する遊びだったのか!と気付かされたり。子どもにデジタルっていうと、なんか1対1というイメージがありましたが決してそんなことはありませんでした。デジタルの世界には明るく楽しくたくさんのリアルなコミュニケーションを生み出す可能性を感じました。はじめにテクノロジー、アート、サイエンスを楽しめるとしましたが、そこにぜひコミュニケーションも加えたいと思いました。
老若男女、親子、カップル、友人同士、もちろんひとりでも大いに驚き、大いに楽しんでください!
◯子どもたちと自由にアートに触れよう
レポーター:吉田ゆりあ
今回の展示は21世紀に生きる大人と子どもが好奇心を持って参加し、自由に遊べる展覧会です。
江戸時代に描かれた浮世絵や伊藤若冲の作品が映像によって立体的に再構築され、更には春から夏へと~秋から冬へと季節の変化や作品の中にいる動物たちの動きが表現されています。そのため「時のうつろい」や「モノの変化」を感じながら作品を楽しむことが出来ます。
「季節感」や「うつろいやすいもの」や「侘び」などは日本人が昔から大切にしていた美意識です。江戸時代の日本画が新たな手法で描かれることで、そんな美意識を思い起こさせられるのではないでしょうか!?
「遊園地」の会場中央には大きな光を灯す球体のボールがあり、子どもたちが自分より一回り大きなボールを動かして遊べる作品『光のボールでオーケストラ』があります。その球体は球体同士がぶつかることで、化学反応を起すように光の色が変化します。その球体をコロコロ動かすだけで子どもたちが色の不思議を感じながら夢中になれる「遊び」です。時の流れもアートの世界も生き物も常に、化学反応によって新しいものが生み出されています。
そんな「色と時の変化」を楽しみながら、子どもたちと一緒に好奇心を持って参加し、自由にアートに触れることが出来る展覧会だと感じました。
【開催概要】
2014年11月29日(土)~ 2015年3月1日(日)
チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地
日本科学未来館(東京都江東区青梅2-3-6)
展覧会公式WEBサイト:http://odoru.team–
レポーター:藁科早紀、吉田ゆりあ
撮影:石川奈菜
コーディネート:丸山順一郎
記事監修:チバヒデトシ