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若手社会学者 古市憲寿 × 映画監督 松居大悟 同級生ガチトークイベント@アキバシアター

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2016年11月29日

若手社会学者 古市憲寿 × 映画監督 松居大悟 同級生ガチトークイベント@アキバシアター


若手社会学者 古市憲寿 × 映画監督 松居大悟
同級生ガチトークイベント@アキバシアター

 

国内外で高い評価を受けている若き才能を持つ松居大悟監督がメガフォンを取り、“高校生、ハタチ、アラサー”と三世代の女性の生き方を浮き彫りに描いた、山内マリコの同名小説『アズミ・ハルコは行方不明』を映画化した本作。

本作について若手社会学者の古市憲寿さんは自身のTwitter上で下記のように綴っています。

不思議とセクシーな映画だった。それは疾走感と閉鎖感が逃去していたから。
期間限定の若さ。インターネットの中も含めて、世界が地方都市で全て完結している感じ、外部のなさ。

12月3日の公開に先駆けて11月28日にアキバシアターで行われた若手社会学者の古市憲寿さんと本編を監督した松居大悟さんによる同級生ガチトークイベントの様子をお届けします。

 

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司会者:
観客の皆様に本作に込めた想いをお聞かせください。

 

松居大悟さん:
昨年の9月、10月、にこちらの作品を撮影したのですが、同世代のプロデューサーと一緒に企画を開発した当時は、安曇春子と同じ28歳でした。そのことに加えて原作を手掛けている山内さんの作品が好きだったので、この原作を読んだ時にステンシルというものがとても映像的だと思い、企画を開発しました。制作している中でどういう風に行方不明になるのかではなく、行方不明を通してどう生きるかとか、自分の居場所に対してどう向き合うか、そういう話にしたいと思い、構成を考えました。

 

司会者:
続いて、古市さんに本作の感想をお聞かせいただけますでしょうか。

 

古市憲寿さん:
悪口からはじめてもいい?

 

松居大悟さん:
下げて上げる感じですか?(笑)。

 

古市憲寿さん:
ん、まぁ正直、前作の『私たちのハァハァ』があまり好きにではありませんでした。好きじゃなかったというか…個人的に刺さらなかったというか…「松居くん、無理して女の子を撮っているんじゃないかな?」と。童貞の男の子ばかり撮ってきて、女の子の気持ちが分からないのではないか、そのため無理しているのではないかと思い、すごい心配で試写会に足を運びました。50代の女性と一緒に観に行ったのですが、観終わった後にその人はポカンとしていました。しかし、僕はとても面白いと感じました…『私たちのハァハァ』はあんなんだったのに、この作品はよくできていると思いました(笑)。

 

松居大悟さん:
ありがとうございます。

 

古市憲寿さん:
僕、長い映画とか観てられなくて、4Dとかでないと耐えられないし、ドラマ1時間でも体感的に耐えられないんです。今作は100分と聞いて耐えられるか心配だったのですが、テンポや音楽が良く、ストーリーもミックスチャーになっており、疾走感があると思ったのが第一印象です。

 

松居大悟さん:
『私たちのハァハァ』は疾走感なかったですか?

 

古市憲寿さん:
『私たちのハァハァ』はね…終わりも分かっているし、分かっている終わりに向かって、「何この子たち頑張っているんだろ?」って。「所詮茶番でしょ。」って思っちゃって…。

 

松居大悟さん:
厳しすぎでしょ(笑)。

 

古市憲寿さん:
ある意味すごくリアルな姿を描いていると思いつつも、リアルすぎて退屈と感じてしまいました。あまりそこにファンタジーが無いなと…。でも、『アズミ・ハルコは行方不明』はファンタジーで終わると思いました。実際、劇中の世界である地方都市を舞台に男性が有利な社会で、男性の意識的では無い差別に晒されていますが…それが結果的に女性側が幸せになる話ですよね。でも、現在の日本社会はまだそのようになっていなくて、女性の方が不遇になっている状況はあると思うのですが、そのような状況下においても女性たちが様々な方法で…映画の言葉を借りるなら”復習”=幸せになっているファンタジーが気持ち良かったです。前作の『僕たちのハァハァ』は救いがないんですよね。ファンタジーはあるんだけど、あまり無いというか…。

 

居大悟さん:
そうですね(笑)。あまり無いですね。

 

古市憲寿さん:
僕の好みなのですが”映画”は”ファンタジー”であって欲しいので…そういう意味でいうと『アズミ・ハルコは行方不明』はファンタジーとして気持ち良かったです。

 

松居大悟さん:
ギャング団とかですか?

 

古市憲寿さん:
そうそう。ギャング団もだし…この映画にでてくる「優雅な生活が最高の復讐」という言葉が強く印象に残っています。登場人物の女性たちが自分なりの方法で幸せになる道を選んでいて、それが実際に復讐につながっているという…そのフレーズは映画を超えてとてもいい言葉で、人間は嫌なことがあると、ギャフンと言わせようとか、貶められるかなとか。あいつの名前を書いて死んでしまえば…という風な自殺を選択してしまう場合もありますが。

 

松居大悟さん:
愛菜ですね。

 

古市憲寿さん:
そうですね。「でも、じつは人物のことなど関係なく、幸せに生きることが復讐なんだよ。」というのは救いでもあり、とてもいいメッセージだと思いました。

 

松居大悟さん:
そうそう、原作を読んだ時にその言葉がとても気持ち良かったことと、読み終えた時に『行方不明』という言葉がネガティブではなく感じました。それって言葉に引っ張られなくていいと思いました。

 

古市憲寿さん:
確かに『行方不明』だけ抜粋してしまうと、不幸な話なのかな?って思ってしまいますよね。でも、『行方不明』になってもいいんだというオルナタティブがあることが救いになっている思いました。やっぱり人間って「今の場所にずっと居なきゃ。」って思うと、辛くなりますし、毎日大変だと思うのですが、でも「いつでも行方不明になれるな。」というか、「いつでも別の道がある!」と思うと、それだけで人間って楽になるというか、逆に日々生きている日常も大事だと気づきますよね。ところで、最近引っ越しするんだけど…引越しを決めた途端にオルタナティブができて、今の家のいいところが見えてきたり、新しい家に引っ越しが面倒になってきたり。…って、引っ越すんだけど(笑)。本作のように「行方不明になったらどうなるだろう?」という、全く違う人生の想定を描くことはすごくいいことだと思いました。オルナタティブを示してくれることを気づかせてくれる映画作品であるのと同時に、完結した地方都市を題材にしているところも評論しやすくていいと思いました。感想書きやすいなって(笑)。

 

松居大悟さん:
そうですね。

 

古市憲寿さん:
それは気持ち良さとは全く別の次元で完結した地方都市の話じゃん。

 

松居大悟さん:
そうなんです…消えようと思っても、何処に行っても同級生に会って、消えられなくて。

 

古市憲寿さん:
そう、そう、地方都市の閉塞間。だけど、皆インターネットを使っている。というところが面白くて…3年前に話題になったブログで地方都市で住んでいる頭がいい子が書いているブログなんだけど…ちょっと名前を忘れてしまったんだけど。そこのブログの世界の中の人たちはスマホとアンドロイド、そしてアイフォンの違いがわかっていなくて。本当はスマホにしたいのだけれど、アンドロイドじゃないとダメなんだよね…とか。

 

松居大悟さん:
知らないということなんですね。

 

古市憲寿さん:
アイフォンはSoftBankの携帯で、アンドロイドはdocomoの携帯で、スマホはKDDIみたいな。インターネットもそもそも分かっていないし、mixiやFacebookもギリギリ使えるんだけど、インターネットが何かを分かっていないとか。閉じた世界の子たちを描いて話題になったブログがあるんだけど、それに通じるものがあるように感じました。

 

松居大悟さん:
当てはめているというか…知らないからこそ、安心しようとしている。

 

古市憲寿さん:
そう、そう…そうなんだけど、この映画も地方で完結しているのにネットを使っていますよね。
それがある意味リアルだと思いました…本当はネット使っているんだから、世界中何処とも繋がれて、繋がっているはずなのに、完全に狭い地方の都市だけで完結している…ネットの世界でさえも。その部分がとてもリアルで閉塞感を現しているんだけれども、一方でテンポのおかげで疾走感があり、その二つが同居しているということがともていいと思いました。

 

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司会者:
ありがとうございます。今、疾走感であったり、現代の動画では短時間で見ることや、ショートカットを用いるなど、そのような消費社会において、本作を製作することにおいて意識したところはありますでしょうか?

 

松居大悟さん:
ガンガン説明を排除していきました。次に何が起きるのであろう?という引っ張りや、脚本でもシーンの頭のセリフを2、3個切ったり、「こういうことがあってこういうことですよ。」というより、走り出していきながらそれに乗せていくような…そこは意識しましたね。後、説明っぽい音楽はしないようにしたり。

 

古市憲寿さん:
最初、何が何だかわからないもんね。どうなるんだろ?って…案の定、隣の人はポカンとしていたんだけど。実際、感想も割れるんでしょ?

 

松居大悟さん:
割れます、割れます(笑)。

 

古市憲寿さん:
多分、世代が上の人ほど何これってなるんじゃないかな。

 

松居大悟さん:
ストーリーを追いかけようとしてしまう人ほど混乱してきてしまうと思うんですよね。

 

古市憲寿さん:
だから、意図的に説明を排除したってことだよね。それはどうして?

 

松居大悟さん:
簡単な言葉で言ったら感覚的に見て欲しいと思ったのですが、ストーリーって描いたらストーリーを追うじゃないですか。それよりも春子と愛菜が、近づいたり、離れたり。小さな町で同じような想いを抱えながらも選択する2人の違い。そして愛菜が消えたいときに春子の言葉が息づく…そういう見せ方にしたかったんですよ。どう消えるかということに対して2人の在り方。

 

古市憲寿さん:
それ、めっちゃいいと思う!…個人的な感想なんだけど。ストーリーの中のストーリーを脚本家は作りたがるんだけど、視聴者はつまらないと思っていたりしますよね(笑)。最近のつまらないドラマとか…なんだっけ?確か…2話先の伏線のためにする会話とか。2話先になっても誰もそのセリフを覚えていないし、現時点のつまらない会話を見せられて辛いとか。ストーリーの中のストーリーを見せたがる製作者が多いと思うのですが、それが排除されていたから気持ちいいと思ったかもしれませんね!

 

松居大悟さん:
原作は文字だからこそ説明を想像するから面白いと思うのですが、映像だと全部見せるから…ストーリーの中のストーリーをすることに抵抗があったんです。そんなことよりも「生きているんだ」じゃないですけど…

 

古市憲寿さん:
それ正解だと思います。滝沢演舞場みたいだね…滝沢演舞場って行ったことあります?(笑)。タッキーがやっているミュージカルみたいなものなんだけど、一回行ったらとても凄かったんですよ…何が凄いかっていうとハイライトだけをやっているんです。

 

松居大悟さん:
おお!全部クライマックスみたいな?!

 

古市憲寿さん:
いきなり、忠臣蔵のハイライトがはじまったと思いきや、白虎隊の皆が自決するシーン、かと思えば直ぐにマジックショーがはじまる。3分毎に全部ハイライトでストーリーはないけど、動物的な感覚としてとても気持ち良かったんです。

 

松居大悟さん:
それを舞台でやるって凄いですね!!!チャンネルを変えられないように、テレビとかなら理解できるのですが、舞台でそれをやるのが凄いですね。

 

古市憲寿さん:
だから、ジャニーさん天才だなと思いました。だって、白虎隊の少年たちが自決するシーンを普通は3分抜き取れないと思うんですよ。この映画作品も通じるものがあると思います…例えば、敢えて前後関係を省いてしまうことによって退屈させずにするところとか。ある程度ストーリーを犠牲にしてまでも、気持ち良さに通じる疾走感などを重視した部分を、僕は今時でとてもいいことだと思いました。

 

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司会者:
現代社会を生きる若者をテーマにした著書を手がけられていますが、本作の登場人物では安曇春子の彼氏にあたる曽我が年齢的に近いと思います…本作に描かれている男性像、女性像について何かコメントをください。加えて、この作品を見ることによって若者たちが感じることや学べることなどありましたらコメントをいただけますと幸いです。

 

古市憲寿さん:
僕は31歳なので…もう若者のことはわからないのですが、石崎ひゅーいさんのヌメートした感じが良かったです。

 

松居大悟さん:
古市さん、ひゅーい好きですもんね。ライブとか足を運ばれて…

 

古市憲寿さん:
ライブに行ったこともあるぐらいひゅーいくんの歌が好きなんですけど、演技もできるんだな…あれは何か演出したんですか?

 

松居大悟さん:
最初にオファーした時は凄く一生懸命役を作ってきたんですよ。でも、そういう役作りとかではなく「ひゅーいがひゅーいとしてくれたらいいから。」ということを伝え、ひゅーいは凄く不思議な存在で、年上なのですが直ぐタメ口きけちゃうような…リラックスするんですよね。

 

古市憲寿さん:
ナメやすいってこと?

 

松居大悟さん:
そうそう…凄く一緒にいて楽なんですよね。会いたくなるような感じ…ちょっと辛い時とかに、そういう部分が春子にもあったんじゃないかな?って。曽我といると安心したりだとか、居ることを許されるというか、そういう感覚になる気がして。それって、役者さんが役作りをすることではなく、持って生まれた本質的に近いような気がして、面白いと思いました。

 

古市憲寿さん:
確かに…この映画に関しては不自然な人がいなかったと思います。例えば、最近公開されている別作品は不自然な人がいっぱいいたんですよね…バカばっかりだなって思いました(笑)。でも、この映画作品に関しては何処かの地方都市に居るよな、居てもおかしくないよなという感じがして。高畑充希ちゃん演じる愛菜にしても、蒼井優さん演じる安曇春子にしても、居るだろうと思わせてくれる…うちの妹みたいだなと思いました。デフォルメされているのにもかかわらず、全員違和感なく存在している部分がリアルでした。

 

in_sub04©2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会

 

松居大悟さん:
ありがとうございます、嬉しいです。役のキャスティングとかも本質的なところで選んだんですよ。高畑充希が凄くエネルギーがある子で。

 

古市憲寿さん:
よくやってくれましたね。

 

松居大悟さん:
そうなんですよ。『とと姉ちゃん』決まる前だったので。

 

古市憲寿さん:
なるほどね…よくこんな役を受けたなと思って居たんですよ!「とと姉ちゃん」しか知らないおじいちゃんやおばあちゃんが観たらビックリするよね。だからこそ、「とと姉ちゃん」とか観た人に観て欲しいですよね!しかも、最近その需要ってあるじゃないですか。

 

松居大悟さん:
そうなんですか?

 

古市憲寿さん:昨年公開された『orange』とか…劇場で朝ドラを観ていたであろうおじいちゃんやおばあちゃんが沢山来ていました。最近のヒットしている作品は間違っておじいちゃんやおばあちゃんが来ている傾向にあると思います。『信長コンチェルト』とかも信長の話だと勘違いして行ったんだとか…おじいちゃんやおばあちゃんの票を入れるって大切ですよ。映画に足を運ぶ世代は10代か高齢者でしょ?だから、高畑充希ちゃんをキャスティングしたのはいいと思います。また、バカそうな女の子誰?と思って驚かせるという部分にも…

 

松居大悟さん:
一致しないかもしれませんね。

 

古市憲寿さん:
そうだと思う…実際、僕も一致しませんでした。結果的に得しているよね…こんな役もできるんだっていう。

 

松居大悟さん:
「とと姉ちゃん」とは真逆ですからね。

 

古市憲寿さん:
この作品の出演者は損してないと思いました。

 

in_sub03©2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会

 

司会者:
女子高生の話などでましたが…私毎ですが40歳を超えておりまして、作品でいうとヤジ狩りに遭遇する側だと思い、ファンタジーというよりかリアリティーを持っていて…お二人がリアリティーに関して思うことはありますか?

 

古市憲寿さん:
松居さんは女性を怖がっているんですか?

 

松居大悟さん:
いや、怖がっていないですよ。

 

古市憲寿さん:
処女作である『アフロ田中』は童貞の男の子を描き、本作は女性が主役のものを描いていますが、どうして作ることができたんですか?

 

松居大悟さん:
女性のことはわからないし、初めから「わからない」って言っていたんですよ。プロデューサーの枝見さんは同じ年で、山内さんの作品を映画で撮ろう!とした時に、だんだん集まってくる脚本家や仲間が全員女性だったんですよね。しかも、意志が強くて…でも、そうした女性に対して「いや、これは違う!」と思わなかったんですよね。「言うことが面白いな。」とか、「なるほど、なるほど。」とか、僕が判断はしますけど命吹き込むというのはこの人たちだと思いました。僕はその中で様々なバランスを取ったり、飽きないようにどのように構成するかとか…だからこそ、自分のゴールがわからないからこそ映画づくりが面白いと感じました。本当は「この映画はこのゴールに向かって!」みたいにしないといけないかもしれませんが、チームだからこそ出来るものが明確に見えてきて、これは皆で作っている意味があるし、凄く楽しいし、肩の力を抜けました。

 

古市憲寿さん:
それがいい方向にはたらいたんですね…変なこだわり持って、変な映画を作るよりいいです!女性からの推薦コメントが多いですよね。

 

松居大悟さん:
どう思うんだろうとかは気にしていませんでした。とにかく、気持ちが良くて、女性を肯定するとか…言葉じゃないところで生きているのがいい。人間賛歌みたいなものになったらいいなとは思っていました。蓋開けてみたら、これ男性から見てどう思うんだろう?というのはありますね。

 

古市憲寿さん:
実際、司会者さんからはリアリティーすぎて怖いというコメントがありましたしね(笑)。

 

司会者:
こんな感じで「僕もオヤジ狩りに遭うんだろうな…」と。なのでファンタジーさを感じませんでした。

 

松居大悟さん:
そこは女子高生、愛菜、春子の世代感による重点の置き方を意識しています。女子高生は集まればそこが最強の居場所になるように見せたかったので跳ねて描きました。

 

古市憲寿さん:
男性がこの作品を観たらホッとするんじゃないかな。女性に任せてもいいと思えるから…男性は背負わされすぎて、困っていたり、辛い側面があるから。強い女性がいるのであれば任せてもいいと思えるので、男性にとっても救いがある作品ではないかなと思いました。

 

松居大悟さん:
それは凄く嬉しいコメントです。

 

古市憲寿さん:
いいこと言ってみた。

 

司会者:
ありがとうございます。最後に締めの一言をお願いいたします。

 

松居大悟さん:
本日は試写会で観ていただきありがとうございます。また、今とは違う感情が湧いて観たくなる作品になればと思い作っております。その時は「来週、12月3日から面白い映画やるらしいよ。」とお友達を誘って、皆で力を合わせて作った作品を観にきてください。ありがとうございました。

 

古市憲寿さん:
この作品は「何度も観たくなる映画だな。」と思うんです。一回観ただけだと全貌はわからなくて、何回か観て完結するというか…そういう意味で”今っぽい”と思います。実は、今年ヒットした作品てそういう構造になっているんです。「ゴジラ」、「君の名は。」、「この世界の片隅で」にしても、一回観ただけじゃ理解できない、何回か観てメッセージがわかるものなんです。一回観て分からない映画のほうが、自分の中で咀嚼できる歩み、振り返理やすいと思うんですね。そう言った意味で試写会で来たけれど、もう一回お金払って観てもいいんじゃないですか?(笑)。

 

松居大悟さん:
100点のコメントですね(笑)。ありがとうございます。

 

古市憲寿さん:
気持ちいい映画作品なのでありながら、現代社会をリアルに切り取りながら、一方でファンタジーも詰め込んでいます。僕も沢山の人に見て欲しいと思いました。

 

司会者:
完璧な締めのコメントありがとうございました。

 

若手社会学者の古市憲寿さんと映画監督の松居大悟さんによる、30分にも及ぶ同級生ガチトークイベントは、終始会場から大きな笑い声がおきる盛り上がりをみせました。

本作『アズミ・ハルコは行方不明』は12月3日から公開!
一度ならぬ、何度でも、シアターに足を運びましょう!

 

文:新麻記子   写真:ファントムフィルム提供

 

【情報】  

『アズミ・ハルコは行方不明』 

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12月3日(土)公開 

監督:松居大悟 
原作:山内マリコ『アズミ・ハルコは行方不明』(幻冬舎文庫) 
キャスト:蒼井優、高畑充希、太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい