Tomomi Nitta, Infinite Set 34
2014, oil, crystal powder on canvas
girls Artalk編集部的♥おすすめポイント
♥京大卒という異色のキャリアを持つ油彩画家・新田友美の、国内では約3年ぶりの個展!
♥一貫してアノニマスな女性像を描き続ける「Infinite Set」シリーズの最新作「Infinite Set 32」が10点観られる!
♥抽象的に描かれた女性たちは、鑑賞する私たちに生と死、存在について問いかけてくるよう!
新田友美「Infinite Set 4」
作品・展示について
新田友美は 1978年生まれの油彩画家です。美術を学ぶ前に京都大学で法律を修めた新田は哲学や思想に深い造詣を持ち、その後に国内外の美術大学で油彩の技法を学んだことで思想を芸術へと転化させる表現力を習得しました。これまで一貫して「Infinite Set」をタイトルとした作品を発表し続け、本展ではその32番目となる「Infinite Set 32」というタイトルから始まる作品を約10点発表いたします。「Infinite Set」とは無限集合を意味する数学用語ですが、画面中に描かれたアノニマスな女性像を通して新田は、「一人の人間の存在は、刻々と変化する無限集合の総体のようである」という考えを示唆し、私たちに人間やこの世界の存在について問いかけます。抽象的な筆致とレイヤーによってキャンバスに描かれた女性像。それが番号を重ねるごとに進化し続ける「Infinite Set」の新作に是非ご期待ください。
作家ステイトメント
白い背景に立つ一人の人物像。私が現在描き続けているシリーズ「Infinite Set」は、私たちの存在のありかたのメタファーであり、この世界についての記述である。
一人の人間とは、あたかも「無限集合/Infinite Set」を仮に一つの纏まりとして引き受けている存在のようだ。膨大な数の細胞の生と死で維持される生命活動、主観と分かちがたい知覚や認識、深遠な広がりを持つ心の活動。その全体像を把握しようとすることは、まるで宇宙を理解しようとするようなものだ。そんな生命を抱えつつ、自己や世界の同一性を信じて生きていられる私達のことが、私には深い驚きであり謎である。
人は私にとって根源的なモチーフである。一人の人物像を描くことを通して、私達や世界の深層に近づけたら、と考えている。
作家について
1978年奈良県生まれ、2001年京都大学法学部卒業、2010年多摩美術大学美術大学卒業。多摩美術大学に入学する以前は米国に渡りコーコラン・カレッジ・オブ・アーツ・アンド・デザインやペンシルバニア美術アカデミーで美術を学んでいます。2007年からアーティストとしての活動を開始し、ユカツルノギャラリーでは2010年に初個展「Infinite Set 1」を開催。その後、ノーザン・ヴァージニア美術協会 (NVFAA) でのグループ展や個展「Infinite Set 3」(Hillyer Art Space, ワシントンDC) など米国での活動を経て、日本では約3年ぶりの発表となります。
展覧会概要
新田友美「Infinite Set 4」
会期: 2015年2月14日(土) – 3月21日(土)
レセプションパーティー: 2月14日(土) 18:00-20:00
開廊時間: 火 – 土 11:00 – 19:00(日・月・祝日休廊)*最終日 3月21日(土・祝)のみ特別開廊
YUKA TSURUNO GALLERY
東京都江東区東雲 2-9-13-2F Map
りんかい線東雲駅より徒歩3分