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旅とアート vol.4 ー 芸術の秋 in Berlin ー

NEWS

2016年1月16日

旅とアート vol.4 ー 芸術の秋 in Berlin ー


9月終わりのとある週末に、BERLIN ART WEEK(ベルリン アート ウィーク)を訪ねました。

 

この時期は長い日中のひと時に、秋風を感じはじめます。

少し涼しくなった中で、装いを秋色に変えてみる。

そんなわくわくした気持ちを盛り上げるような、この季節のスタートに相応しい素敵なイベントでした。

 

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ABC (art berlin contemporary) の出口で押されるスタンプ。

 

ベルリンのアートウィークは、アートフェアを開催するメッセ会場、
各所美術館会場での特別展示、プライベートコレクション、プロジェクトスペースなどからなります。
世界中からアートファンが集まるため、タイミングに合わせた個展を行うギャラリーも多く存在します。

 

今回は、現代アートのABCによるフェア会場と、Johnen Gallarie行われていた奈良美智氏の展示を観てきました。

 

まずはABC。
メッセ会場はギャラリー毎に一人の作家にフォーカスした展示を行っているのが特徴です。
空間の取り方がゆったりとしています。

 

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Simon Starling
Project for a Floating Garden (After Little Sparta), 2011/2-15

 

シャービーな雰囲気の内装が光る会場は、若くて活気があり、とても感じがよいです。

 

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Li Ming
Movements, 2014, 8 channel digital video
Antenna Space

 

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Keith Edmier
Hieros gamos, 2015

 

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作品の展示中。
客層もバーゼルよりカジュアルな印象。

 

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広々とした空間。

 

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Ai Weiwei
Magical Space
Neugerriemschneider Berlin

 

 

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Agustina Woodgate
Spinello Projects
Miami/US

 

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Benjamin Bergmann
Galerie Jochen Hempel
Leipzig
Berlin

 

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Julian Chariere
Tropisme, 2015

 

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Julian Chariere
Tropisme, 2015

 

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Julian Chariere
Polygon XIX, Polygon VI, 2014

 

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Iris Schomaker
Galerie Thomas Schulte

 

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Iris Schomaker
Galerie Thomas Schulte
Berlin

 

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人気の卓球台。

続いてJohnen Galerieで奈良美智氏の個展を見学。

 

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Yoshitomo Nara
September 16- October 24, 2015

 

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白を基調とした明るい空間。

 

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左から
Bloodthirsty, 2015
Love or Nuclear, 2015
One, Two, Threes on the Head, 2015
System, Violence and Force, 2015
Not all the flowers have gone away, 2015

That’s Life, 2015
Treasure, 2015

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左から
Wounded Pinky, 2015
Spring Ephemeral, 2015
Tears of Rage, 2015

 

nara-5Spring Ephemeral, 2015

 

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Peace Flag Dog, 2015

 

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タイミング良く、幸いほぼ貸し切り状態。

自分の足音や呼吸音が響くような白く静謐な空間の中で、じっと子供の絵を見つめます。
絵の中の子供と自分の呼吸がかさなるような不思議な感覚を覚えます。

最後にEast side galleryをお散歩。

東西ドイツ統一前にこの国を分けていた壁。
描かれた作品が川沿い、線路沿いに平行して続きます。

 

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East Side Gallery

 

自分が生まれた頃、この国は二つの国でした。
歴史について、その主人公となったこの国で生きた人々の生活や感情を想像して、想いを馳せます。

 

週末終わって、そんなことを同僚に話したら、
「そんなこと言ったらドイツの国境なんてしょっちゅう変わってるぜ。東欧とか北イタリアの一部なんかそう。
すべてが大きなドイツ国だったんだ。」と言われて、ちょっぴり浸っていた旅情ロマンをものの見事に
打ち砕かれました。まあ、その通りなんですが…。

 

「今の時間」を通して、作品を観ることによって、自分自身も観られているような、不思議な気持ちになりました。

 

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何度かベルリンを訪れていますが、今回はまた印象が変わりました。

もし前回、同じように作品を観ていたとして、きっと今回と同じような気持ちにはならなかったと思います。
今ここで、この作品を見られてよかった。

精神論ではないですが、今必要な作品と必要なタイミングで出会っているのだなあと感じます。

 

また秋の訪れに装いを改めるような、素敵な時期に、この街と、アートウィークを訪れたいと思いました。

Berlin Artweek website

http://www.berlinartweek.de/de/berlin-art-week.html

 

abc website

http://www.artberlincontemporary.com/

 

Johnen Gallery

http://www.johnengalerie.de/

East Side Gallery

http://www.eastsidegallery-berlin.de/

 



Writer

Eriko

Eriko - Eriko -

兵庫県出身。

子供の頃から絵や工作が好きで、学生の頃から美術館に通い始める。

好きな画家はジョルジョ ルオー、アンダーソン フリーデルなど。

作品を見た後、いつもの風景が違って見えたり、

身の回りの美しいものに、前よりも敏感になったり、と

五感を使って生きる喜びを与えてくれる美術の魅力にはまって、十数年。

休日は、展覧会と旅行三昧のアラサー外資系OLです。

現在、ドイツ在住。