週末に1泊2日で隣国スイス、バーゼルを訪れた。
滞在1日目の目的は、世界最大の現代アートフェア・ART BASEL(アート・バーゼル)を訪れるためだ。
ART BASELとは…
「バーゼルで毎年開催される世界最大の現代アートフェア。各国から選ばれた300以上の出展者(ディーラーやギャラリー)が、20世紀と21世紀を代表する話題のアーティストの作品を紹介。
最近は、メディア、アーティスト、バイヤー、コレクターが一同に会する文化交流の場としても注目されています。」
*スイス観光局HP紹介文より
http://www.myswiss.jp/jp.cfm/season/summer/events/offer-Event_Season-SummerEvents-247333.html
アートの専門家やコレクターだけでなく、私のような一般人も気軽に訪れることができる。
アートが好きなら誰もが楽しめる、スケールの大きいイベントだ。
とっても広いので、気合いを入れて会場入りした!
まずは巨大なサイズのアートが展示されるArt Unlimitedから見学。
その名の通り、布で覆われた会場の中に、フェアブースに収まらない作品がたくさん並んでいるのが見える。
既に、AM 11:00のオープン前から入り口には人集りができていた。
Sam Falls | Untitled (Books for Jamie), 2014
Jesús Rafael Soto | Sphère Lutétia, 1996
オープンと同時に入場、グラデーションに導かれるように会場の深部へと移動した。
Sheila Hicks | The Treaty of Chromatic Zones, 2015
ずっと見ていたくなる。色や質感に引き込まれる。
Maha Malluh | Food for Thought ‘Almuallaqat’, 2014
広いスペースに時代を象徴するアーティストたちの作品が並ぶ。
Shilpa Gupta | Untitled 2012-2013
暗闇の中…
光に照らされた数千本のマイクは一つの巨大な生命体のようにも見える。
視覚を制限された中では室内に響く低音に骨が震える。
音が発せられている場所と光が当たる場所がそれぞれ違うことで、
意識を向ける先を巧妙に操作され、身体と心が動かされる感覚に陥る。
Kader Attia | Arab Spring 2014
ぱっと見た瞬間に明確に脳内に入ってくる強いメッセージ。
割れたガラスの破片が、キラキラと照明に照らされて輝く。
Spencer Finch | Light in an Empty Room (Studio at Night), 2015
Franz West | Untitled (19 Sculptures), 1990-1997
Pierre Huyghe | Cambrian Explosion, 2014
もしかしたら、近い未来にアートの水族館も作れるのではないか?!と、いう気持ちになった。
Gregor Schneider | u r 19, LIEBENSLAUBE, 1995
Pioneer of built rooms – GOLDEN LION at the VENICE BIENNALE 2001 for Totes Haus u r (Dead Haus u r)
中には小さな部屋が設置されている。
係員さんは「狭いから、パニックにならないようにね。」と教えてくれたが、
東京のアパートの部屋とそんなにかわらないような気がして、考えさせられる。
OPAVIVARÁ! | Formosa Decelerator, 2014
ほっと一息できる粋な空間も作品の一つである。
Pacale Marthine Tayou | Plastic Tree, 2014
世界中から集まった観客のお洒落なファッションも、作品と会場に花を添えている。
Olafur Eliasson | Your space embracer, 2004
暗室。
天井から吊るされたリングがゆっくりと回転している。
回転しているリングにスポットライトに当てられ、地球と地球の周りを回る月のように光が一周し、広がっていく。
室内で回る光に包まれると、宇宙に抱かれているような、とても幸せな気持ちになる。
余韻の残る素敵な体験。
ゆっくり見学するお客さんも多かった。
David Schrigley | Life Model, 2012
3メートルほどある裸の人形の周りにスケッチ台が設置されている。
観客は自由に座って、スケッチを行う。また別の観客は、その様子を見つめる。
同じことを行っているはずなのに、実際に描く作品はそれぞれの個性に溢れている。
取り組む姿勢も人それぞれ。
作品全体を見ながら、まるで自分自身を客観的に見つめているようだ。
気がついたら2時間ほどが経過。
紹介しきれないほどの作品からパワーを頂いて、併設されたカフェでランチ休憩をし、次の会場へ向かった。
続いてギャラリー会場へ。
300以上の出展者が、各ブースにて20世紀と21世紀の話題のアーティスト作品を紹介。
会場内部の雰囲気
素敵な商談スペース。
ほかにもコレクターだけが入場できるラウンジなどもある。
ちょっと一休み
最後に野外会場のアート・パルクール Art Parcoursへ。
サイトスペシフィックな作品を見学。写真は全体の地図。
Alicja Kwade | ‘Der Tag ohne Gestern l – lll’, 2014-2015
歩き回って作品を探す。
まるで宝探しのようだ。
見つけたとき、嬉しくなる。
Nate Lowman | ‚Multicolored tow truck‘, 2015
「作品を街中で探す」という行為を通じ、見落としがちな細部に目を向けることで、
見慣れたはずの景色の中に新たな一面を発見しては、その美しさに気づかされる。
子供のころの気持ちを思い出すような、とっても素敵な体験だった。
Procession | Lara Schnitger | Suffragette
Parcours Night in Basel 2015
Alyson Shotz | ‘Imaginary Sculptures’, 2014-2015
たくさんのアート作品に触れていると、日常に潜む美しいものに敏感になる。
アートと日常の境目が溶け込んで、作品とそうでないものが、あいまいになっていく。
雨に濡れた石畳やコンクリートの質感も美しく見える。
次回はスイス旅2日目のDornach(ドルナッハ)探索と
ライン川のほとりにあるTinguely Museum(ティンゲリー美術館)を訪問する予定だ。
好奇心を刺激される神秘学の町で出会ったものについてレポートするので、お楽しみに〜^^♪
アートバーゼル 公式サイト:https://www.artbasel.com/