海と向き合って40年 写真家芝田満之が捉えた表情豊かな色彩
「こんな歳の重ね方がしたい」
ダンディーで気さくで、エネルギッシュな写真家芝田さんは、葉山の古民家みたいなオシャレなお宅に奥さまと仲良く二人暮らし。
大切なものを大切に、ていねいに暮らしている芝田さんご夫婦にお会いして「こんなふうに歳を重ねたいなぁ〜」と心から思ったのでした。
写真:おふたりでサーフィンをしているときの様子
写真:古民家をリノベーションしたすてきなお宅
16歳から湘南の海でサーフィンをはじめ、62歳の現在も続けているという芝田さん。
20歳ころから独学で写真をはじめ、約40年間ずっと海を撮り続けています。
湘南の海ではレジェンドとまで言われているサーファーでもある芝田さん。
来る日も来る日も、海と対峙してきた芝田さんだからこそ撮れる様々な海の表情を堪能できるのが現在開催中の写真展「Calling the sea」です。
今回の展覧会は写真集「Calling the sea」の出版にあわせて開催されているのですが、なんと、この写真集は7年越しの芝田さんの想いが詰まっているのだとか。
何十年も海に入ってきた芝田さんのなかに残っている印象的な海の姿を再現した作品ばかりを集めた写真集は、ページを捲るたびに見たことのないような海の色に出会えるのが魅力。
朝焼けから月明かりに照らされた海まで…本当に色々な表情を見せる海。
「サーフィンをしていると、自分が海という自然に合わせなければいけない。海と対峙してると、自分のちっぽけさもわかるし。そういうのがいいんだよね。」
そう、サラリと語る芝田さん。
きっと、サラリと語れるようになるまで色々なことがあったんだろうなぁ……、と想像しながら写真を眺めていると、改めて海の偉大さのようなものを感じます。
ここで、girls Artalk読者のみなさんに特別に芝田さんからメッセージをいただいたのでご紹介します。
〜光によって透明な空間が色づくのが僕は大好きです。
朝夕の海と空の表情は刻々と変わり、怖いほどに美しい瞬間があります。
もう45年も波乗りをしていて、写真家になるずっと前から波と遊んでいました。
沖に出て波待ちしている時はただただ水平線からくる波を探しているわけで、
だから45年も水平線を見ていることになります。
海の上で見る特別な変化をなんとか写真に残したい、 calling the sea はいままで
心に残った記憶の集積の一冊です。
湘南の海は素晴らしく美しいんです、冬から春の海にきて感じて下さい。
写真展へも是非いらして下さい、見たことのない海があるかと思います。
この本で少しでも気持いい瞬間が伝われば幸いです。〜
芝田満之
芝田さんの生き方まで感じられる写真展は3/30まで開催中。
見たことのない海の色、見にいってみませんか?
文・写真:新井まる
アーティスト プロフィール
芝田満之(Mitsuyuki Shibata)
Movie & Still Cameraman 1955年生まれ、葉山在住。
ロマンティックで 情緒的な写真はサーフィン界のみならず、様々 な分野から支持され、広告を中心に雑誌のエデ ィトリアルや映画・CMなどの映像も多数手掛け ている。代表的な作品集に「Daze」マリン企画、「Lei」ワールドフォトプレス、「カイマナヒラの家」 集英社文庫、「SUMMER BOHEMIANS」「salt water sky」Bueno Book’s、などがある。
生活のベースはあくまでも海、そしてサーフィンであるという姿勢は変わらない。
【展覧会概要】
「Calling the Sea」Mitsuyuki Shibata
会期:2018年2月22日(木)〜3月30日(金)
会場:SLOPE GALLERY
開廊時間:13:00〜19:00
開廊日:月〜金
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷2-9-1-B1F
Tel:03-3405-0604
URL:http://www.buenobooks.com/slopegallery/exhibition_callingthesea.html
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