月刊少年マガジンで大人気連載中の羅川真里茂先生著書の
津軽三味線を題材にした青春マンガ『ましろのおと』。
祖父の津軽三味線を聴いて育った高校生・雪は、自身の表現したい音を求めて上京し、
三味線を通じて仲間やライバルと出会い、成長していくストーリーです。
本編で掲載された弘前大会編終了を記念し、コミックのシーンを再現する追体験や、
イベント来場者が優勝者を決めるミニ大会が行われたLIVEイベントを取材しました!
この日を待ちわびて期待に胸を膨らませた観客で会場が静まり返るなか、
吉田兄弟がステージに立ち、ましろのおと8巻の特装版についていた
『原郷 〜ゆきのおと〜 』と、『Fusion』と息の合った演奏を披露。
演奏後には2人が司会にまわり、良一郎氏と健一氏の楽しい掛け合いのもと、
続いて弘前大会を追体験する「ミニ大会』が行なわれました!
こちらの企画は次世代を担う津軽三味線の若手トップクラス5名に対し、
気に入った演奏に来場者が投票するというもので…まさに作中の弘前大会を追体験するものです。
調弦も含めた音出しから計測が始まり、津軽民謡を基調にしながらも、津軽三味線の奏法を十分に活かした、
個性と津軽の表情ある3分30秒内の演奏に、会場のボルテージは一気に上がりました!
素晴らしい技巧に拍手が起きる場面や、自由な演奏に笑いが起きる場面など…
その中でも津軽五大民謡の『津軽よされ節』、『津軽あいや節』、
曲弾が難しい『津軽三下り』、そして有名な『津軽じょんがら節』が披露され…
まさに本編さながらの大会の緊張感や雰囲気が伝わってきます!
そして、全員の演奏が終わり投票・審査に移りました。
そして、「ミニ大会」の後は『ましろのおと』作者の羅川真里茂先生が登壇!
本編さながらの弘前大会の追体験をした『ミニ大会』に対してコメントを残す場面や、
演奏中、肘につけているバンドに触れ…作中の登場人物の話をするなど、
今後の展開が待ち遠しいファンにはたまらない内容でした♪
そして、集計している間…民謡のアトラクションが行われました。
福を招く縁起唄として知られる青森民謡『南部俵積み唄』、そして有名な北海道民謡『ソーラン節』。
伸びのいい綺麗な歌声に合わせて、こちらの演奏にも津軽三味線が用いられています。
作中でも主人公が苦悩するシーンの一つである、自分の個性を生かす曲弾と人を引き立たせる伴奏。
皆さん、この2つの違いにも着目して耳を傾けていました。
最後には、吉田兄弟がプロデュースする若手トップクラス10名を
集めた津軽三味線集団・疾風が着物に身を包み壇上に登場!
互いに顔を見合わせ合図を送りながら、楽しそうに演奏する様子は微笑ましいもので、
それに反して演奏は大変迫力があり、音圧で体が痺れるほどのものでした。
今回、取材させていただいたイベントは『ましろのおと』の作中の世界観を反映させながらも、
実際に津軽三味線の生演奏を通して本物に触れる機会を与えてくれる素晴らしいものでした。
そして会場に訪れた老若男女が一つの漫画を通して、伝統芸能である津軽三味線の世界を体感し、
知ることができる新しい形のメディアミックスだと思います。
後日、下記リンク先にてこの模様の一部が公開されますので、そちらもチェックしてみてください。
http://www.110107.com/mob/pageShw.php?site=OTONANO&ima=3828&cd=mashironooto
また、2016年2月17日(水)に発売される『ましろのおと』15巻の特装版では、
弘前大会編の緊張感をそのままに、一流奏者たちが優勝目指して鎬を削った当日のミニ大会、
迫力満点の団体演奏など『ましろのおと』の世界観を追体験できる
本イベントの演奏が収録されたCDが付録されます。
文 / 新麻記子 写真 / 石川奈菜
【情報】
ましろのおと 作・羅川真里茂 講談社
@羅川真里茂 / 講談社