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本格的な芸術が根付くアーティストホテル 「ヴィラ・サクラ」が鎌倉にオープン

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2014年7月13日


本格的な芸術が根付くアーティストホテル  「ヴィラ・サクラ」が鎌倉にオープン


本格的な芸術が根付くアーティストホテル

「ヴィラ・サクラ」が鎌倉にオープン

 

 

 

 

7月11日、鎌倉に本格的なアーティストホテル、ゲストハウス「ヴィラ・サクラ」(Villa Sacra)がオープンした。オープンに先駆けて、いち早く宿泊できるという幸運に恵まれ、体験宿泊してきた。ただ、宿泊当日はあいにくの雨……それでも、“アーティストホテル”という、国内ではまだまだ耳に新しいスタイルのゲストハウスを手がけたオーナーにお会いできるのも楽しみで、「ヴィラ・サクラ」への宿泊にますます期待を膨らませて鎌倉に向かった。

 

 

「ヴィラ・サクラ」は、タイやアジアのコンテンポラリー&カジュアル・ファッションを扱う〈jenteco kamakura〉や、美味しいお酒と音楽を提供する〈LUSH LIFE〉などを運営するWanderKitchen projectが築80年の古民家を改装して自由な発想で作ったゲストハウス。WanderKitchen projectは、黒澤邦彦氏をはじめ5人の共同オーナーを中心に鎌倉から発信するプロジェクトなのだそうだ。

 

 

到着してみると早速、黒澤氏が各部屋を案内して下さり、そこでは見たことのない空間を前にし、とても感動した。各部屋が違う作家による作品になっていて、壁面に日本を象徴するかのような絵が大胆に描かれている。「華の間」には真っ赤な壁面に日本画家の石田紫織氏の手による大きな華の絵が、「月の間」は現代美術家・滝沢達史氏により藍色の壁面と書道が渋みを出し、消しゴムはんこ作家の津久井智子氏が手がけた「鶴の間」では上品な空間に鶴が飛んでいたりと、そこには海外の方がイメージする「ニッポン」を描き出しているようだが、「ニッポン」的なシンボルは過剰すぎず、むしろセンスがよく心地いい。

 

 

 

華の間(日本画家・石田紫織)

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モダンなつくりの椅子とレースで装飾されたムーディなベッド空間がワクワクさせてくれる。

 

 

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ベッドの向こうにあるデスクが隠れ家的で、集中して仕事ができそうな空間になっている。

 

 

 

 

 

 

月の間(現代美術家・滝沢達史)

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壁が藍色でとにかく渋い。また、部屋にインパクトを与え、禅をイメージしているかのような書に、不思議と心がリセットされる。部屋の壁に丸いライトがあり、明かりを灯けるとまるで満月のように明るく光る。部屋の縁側とそこからみる庭が素敵だ。

 

 

鶴の間(消しゴムはんこ作家・津久井智子)

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自然光との相性がよく、とても自然体で日本画的な余白を感じさせ、品がある。ベッド空間と庭につながる縁側の間に障子があり、用途によって仕切りができる。

 

 

 

 

 

雫の間(写真家・湯沢英治)

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オレンジと黄色の壁が明るいのだが不思議と居心地がいい。部屋に入ってすぐの部分が砂利空間になっており、そこには湯沢氏の写真作品が展示されている。ベッドではなく畳の上がり空間に布団を敷いて寝るようになっている。

 

 

 

 

虎の間(ragazzi works)


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二段ベッドが遊び心を掻きたてられる。その二段ベッドの際にある丸い窓からみる景色が茶室を思わせる。畳空間でゆっくりお茶をいただきたい雰囲気だ。

 

 

 

 

 

虹の間(ragazzi works)

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自然光が明るく入り込む、畳敷きの広い4人部屋。虎の絵が描いてあり、襖は白と黒のはっきりしたコントラストのモダンな絵が描かれており、おしゃれな地球儀もある。

 

 

 

 

 

談話室 1ヶ所

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シャワールーム、トイレ(2ヶ所)、洗面台 2台

洗面台やシャワーもモダンな柄!でも古民家なので柄が人に馴染んでいる。

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階段もモダンな柄

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近年、ゲストハウスは国内でも流行しつつあるが、海外ではさらに人気が高いと聞く。鎌倉を歩く海外の旅行者には、一番にヴィラ・サクラに立ち寄ることをオススメしたい。個室はもちろん、ゲストハウスならではの談話室では種類豊富な紅茶とコーヒーが楽しめ、心地いい空間に話がふくらむだろう。当日の夜は、オーナーの黒澤氏をはじめ、体験宿泊で出会った方と数時間も話し込んでしまった。もちろん関東一円をはじめ国内からの旅行者にもぜひ一度足を運んでほしい。

 

余談ではあるが、黒澤氏とは、音楽の話で盛り上がったのだが、黒澤氏が中世ヨーロッパ音楽を研究されていて、現在のアカデミックな音楽教育のメソッドとして発展する西洋クラシック音楽史以前の、文献がほぼ残っていない時代の研究者だったことに驚かされた。黒澤氏によると、当時は人間の声がもつようなうねりがたくさん発生する楽器を演奏するのが望ましいとされ、現在の十二平均律でできたピアノを中心とした音システム(このシステムで現在ほとんどの楽器が調律されている)が、うねりをはぶいて洗練してきた歴史と正反対の理想をもっていたことを教えていただいた。これに、現在私が行っている「C」音ピアノプロジェクトが、はるか昔の時代と共通した音への感覚を持つことに気づかされ、大いに盛り上がった。

黒澤氏に指摘を受けてハッとしたのが、私は音に対して原点回帰しているかもしれない、ということだった。自分と「亡き世界」「未知の世界」の交信であり祈りであるために音を奏で聴くというプロセスが似ているという事に。

 

黒澤氏との深い会話を通じて気づかされたのが、WanderKitchen projectは、社会の中での関わり方一つ一つにアーティスティックな視点と考えがあり、芸術が生活に入り込んだプロの手によるプロジェクトだということ。そのプロジェクトが生み出したヴィラ・サクラは、鎌倉という土地の空気と交じり合う事で、とことん芸術や音楽の話ができる場所となり、知的好奇心がかきたてられる、心から楽しめるところになっていた。

 

 

 

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ヴィラ・サクラ入り口(7月4日時点の写真)

 

 

 

 

 

[施設詳細]

ヴィラ・サクラ鎌倉(Villa Sacra Kamakura)

 7月11日(土)開業

神奈川県鎌倉市御成町13-29(鎌倉駅西口より徒歩3分)

TEL 0467-22-5311

info@villasacra.com ブッキング専用=booking@villasacra.com

ONLINE BOOKING FORM

http://wanderkitchen.sub.jp/boomail/boomail2.cgi

全6室(全個室)、最大16名宿泊可。一室(2名)・10000円〜

HP: http://villasacra.com/

 

WanderKitchen project ~ワンダーキッチンプロジェクト ~

*ヴィラ・サクラ(Villa Sacra)

 (アーティストホテル ゲストハウス) http://villasacra.com/

*ワンダーキッチン( WanderKitchen)

(カフェ) http://wanderkitchen.net/

*ディープ・ブルーフィクション(DEEP BLUE FICTION)

(ヨーロッパや西海岸のブロカントと古着)http://deepbluefiction.com/

*ラッシュライフ(LUSH LIFE)

(カフェバー プライベートレーベル)http://lush-life.net/

*タクト・ルスティコ (tacto rustic  スペイン語)

  (インディ・レーベル)http://tacto-rustico.net/

*スークスークスーク (Souk Souk Souk アラビア語)

(フォークロア・マーケット) http://souksouksouk.com/

*ジェンテコ (jenteco kamakura  造語)

(タイ・アジアのコンテンポラリー&カジュアル・ファッション)  http://jenteco.net/

*ジェンテコ茅ヶ崎 (jenteco chigasaki)  http://jenchiga.net/

*ジェンテコ吉祥寺(jenteco kichijoji)    http://jenkichi.net/

*ラガッツィ・ワークス(ragazzi works イタリア語と英語の混合語)

(改装チーム)

*バラバーラ (BARABARA  スワヒリ語)

(御成通りのフリースペース=各種ワークショップやライヴの開催)

*トローブス(troves)

(非営利店舗、チャリティショップ。売上から家賃と人件費を除いた全額をSave the Children Japanに寄付)  

*ジェンテコ・ パンチ・熱海(jenteco punch atami)

(ジェンテコ フランチャイズ店=プロデュースと商材を提供)



Writer

寒川 晶子

寒川 晶子 - Akiko Samukawa -

ピアニスト

フェリス女学院大学音楽学部器楽学科を卒業。
神奈川県民ホール主催「アート・コンプレックス (塩田千春〜沈黙から〜展) 」でデビュー。
エルメス特別エキシビジョン「レザー・フォーエバー」(東京国立博物館表慶館) レセプションやファッションショー、美術館、プラネタリウム、寺院、イルフ童画館などでコラボレーションや記念演奏会に多数出演。
ピアノを中心とした作曲や即興演奏も行う。

オフィシャルホームページ http://akiko-samukawa.com






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