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【おすすめアート】「あ、共感とかじゃなくて。」東京都現代美術館で11/5(日)まで

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2023年9月30日

【おすすめアート】「あ、共感とかじゃなくて。」東京都現代美術館で11/5(日)まで


【おすすめアート】「あ、共感とかじゃなくて。」東京都現代美術館で11/5(日)まで

 

東京都現代美術館では、日々生まれている「共感」とこれをあえて避けることに焦点を当てた展示「あ、共感とかじゃなくて。」が11月5日まで開催中。

 

〜ARTalk おすすめポイント〜

 

◆SNSの「いいね!」や、会話の中での「それ、わかる!」など、日常のコミュニケーションには「共感」があふれている。共感とは、自分以外の誰かの気持ちや経験などを理解する力のこと。相手の立場に立って考える優しさや思いやりは人間社会の営みとして大切な要素だ。一方で、簡単に共感されるとイライラしたり、共感を無理強いされると嫌な気持ちになる暴力性も時として存在する。そんな時には「あ、共感とかじゃなくて。」とクールに共感から距離を置くことも、一つの方法ではないか。

◆本展では、有川滋男、山本麻紀子、渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)、武田力、中島伽耶子の5人のアーティストの作品が展示されている。彼らは作品を通して、知らない人、目の前にいない人について考え、理解しようと試みる。安易な共感に疑問を投げかけるものもあれば、時間をかけて深い共感にたどりつくものも。

◆会場に入ってすぐの有川滋男の「架空の仕事」をモチーフとした旧作4点はいきなり難解だ。企業ブースのような場所で映像、映像内に登場する道具がセットで展示されている。本展の作品は「この人は何を考えているんだろう?」と不思議に思うものもあるだろう。謎解きのように答えあるわけではないが、そこには答えのない問いを考え続ける面白さがある。共感しないことは相手を嫌うことではなく、新しい視点を手に入れて、そこから対話をするチャンスになる。

◆ジリリリと鳴る電話機から聞こえる小学生からの素朴な疑問。壁を隔てた向こう側とドアホンや穴を介してギリギリつながり合う作品。家族や友人との人間関係や、自分のアイデンティティを確立する過程に悩む10代はもちろん、大人たちにも、すぐに結論を出さずに考え続ける面白さを体験していただきたい。

 
 
 
 
 
 
 

【展覧会概要】

「あ、共感とかじゃなくて。」

会期|2023年7月15日~11月5日
会場|東京都現代美術館
住所|東京都江東区三好4-1-1
電話番号|050-5541-8600 
開館時間|10:00~18:00(7月21日、7月28日、8月4日、8月11日、8月18日、8月25日は〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日|月(7月17日、9月18日、10月9日は開館)、7月18日、9月19日、10月10日
料金|一般 1300 円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 900円 / 中高生 500円 / 小学生以下 無料