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彷徨いながら発見していく新感覚ミュージアム「チームラボ ボーダレス」がお台場にオープン!

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2018年6月30日


彷徨いながら発見していく新感覚ミュージアム「チームラボ ボーダレス」がお台場にオープン!


 

彷徨いながら発見していく新感覚ミュージアム「チームラボ ボーダレス」がお台場にオープン!

 

 

世界各地で独創的なデジタルアートを発信し続ける「ウルトラテクノロジスト集団」チームラボ。都市づくりに現代アートを取り入れてきた森ビルとタッグを組み、2018年6月21日(木)、ついに東京初の常設展示施設「森ビルディング デジタルアートミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」(以下「チームラボ ボーダレス」)がお台場にオープンしました!

 

 

 

 

 

 

総面積10,000㎡に、520台の特注コンピュータを設置。チームラボがディスプレイ5台しか持たなかった頃の初期作品のリメイクから、世界初公開の新たなコンテンツまで約50の作品が集い、2001年から活動するチームラボの集大成となっています。

 

プレス説明会の舞台は、360度に色とりどりの花が咲き乱れ、天井から床に滝が流れ落ちる幻想的な空間。

 

 

 


《人々のための岩に憑依する滝》

 

 

 

森ビルの杉山央氏とチームラボ代表・猪子寿之氏が中央の丘に登壇し、挨拶と質疑応答が行われました。その約30分間にも、赤い花が散ってヒマワリが現れたり、蝶が飛び去って虹が架かったりと、周りの景色は刻々と変化し続けます。

 

 

 


杉山央氏(左)と猪子寿之氏(右)

 

 

 

杉山氏は、東京の文化発信力が世界水準に照らして弱いことを指摘し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて「都市の磁力(総合力)」を高めていきたいと述べました。その推進のため、森ビルとチームラボが協力し、これまでとは全く違う新しい施設づくりとして取り組んできたのがこのミュージアムだと言います。

 

猪子氏は、「チームラボ ボーダレス」について「今は意味が分からないような場所かもしれないが、未来に向かって何かに繋がっていく場所にしていきたい」と語りました。来場者には、順路に沿って全てを見るのではなく、彷徨いながら自らの身体で探索し、色々なものを発見していくという体験をしてほしいとのこと。

 

一体どんな世界が広がっているのでしょう? girlsArtalkメンバーが全力で体験してきました!

 

 

 

彷徨いながら発見するのは、一期一会の出会い

 

 

 

 

 

 

どうなってるの??と思うような、めくるめく展開する映像ですが、実際に待っていたのは映像よりさらに驚くような体験でした。

 

一つ目のフロアに広がる「Borderless World」は、文字どおり「境界のないアート群による一つの世界」。作品同士の境界もなければ、作品と鑑賞者の境界も、鑑賞者同士の境界もありません。

 

どこをどう進むかはその人の自由。決まった順路も館内マップもなく、「迷い込む」「彷徨う」が楽しむためのキーワードです。どこに何があるか分からないまま、とにかく動いてみて、予想外の驚きを発見するのが醍醐味!

 

 

 


《花の森、埋もれ失いそして生まれる》

 

 

 

まずは鮮やかな色彩の花に飲み込まれました。人々の顔や服にも映像が映り込み、全身がアートと一体化するような感覚です。迷路のように入り組んだ空間には、動く絵画のような作品や鏡など仕掛けがいっぱい。歩くたびに発見があります。

 

 

 


《Walk, Walk, Walk: 探し、遠ざかり、また出会う》

 

 

 

廊下で踊るおじさんの行列に出会ったので、追いかけてみます。作品ごとの展示場所が決まっておらず、作品が絶え間なく移動するのも特徴の一つ。おじさんたちの他に、魚、カラス、ウサギなどがおり、互いにコミュニケーションを取って部屋を入れ替わり、時には交じり合いながら動き回ります。

 

挨拶代わりにおじさんにタッチしてみたら何か起きるかも?

 

 

 


《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして浮遊する巣》

 

 

 

おじさんたちが出ていった部屋にカラスが飛んできて、プログラムがスタート! 部屋ごとに演出が異なるだけでなく、そこにいる人の数や位置によっても動きが変化するため、二度と同じものは見られないのだとか。

 

 

 


《The Way of the Sea, そして浮遊する巣》

 

 

 

また、どれも一度きりの光景でありながら、出ていったカラスを追えば部屋に入ってきた魚は見られず、部屋に残ればカラスは見られず…というように、全てを見ることが不可能なのも興味深い点。自分が選択した行動によって、出会えるものが変わるのです。猪子氏は「どこかを見るから他のどこかが見えない、というふうになっている。世界も本来そういうもの」と語ります。

 

 

 


《花の精霊》

 

 

 

歩き回るうちに、同じ部屋に戻ってきてしまったり、行き止まりに当たったりということが何度もありました。制覇したと思ったら見たことのない作品が現れることも。かなり頑張ったのですが、帰ってきてから調べたら、やはり見逃した作品もあるようです…。

 

作品を追加する可能性もあるとのことなので、行くたびに新たな発見がありそうですね。

 

 

 

身体を使って、アートとコミュニケート

 

 

 

 

 

 

チームラボは今までも「身体で世界を捉える」ことをテーマにしてきましたが、今回は新たなプロジェクトとして、より強い身体性を伴った複雑で立体的な空間「チームラボアスレチックス 運動の森」が登場!さらに、子供たちに大人気の「学ぶ!未来の遊園地」や飲食とのコラボ「EN TEA HOUSE」など、ミュージアムは5つの世界で構成されています。

 

彷徨いながら色々な作品に出会ったら、身体を使って積極的にコミュニケーションを取ってみましょう。いきなり思いきり動くのが不安という人も、段階を踏んで作品と関わっていく方法をご紹介します。

 

 

 

Lv.1 没入してみよう!

 

 

 

発見さえすれば、ただその場に留まっているだけで、別世界に連れて行ってくれる作品も。まずはアートを全身で感じましょう。

 

 

 


《靄の調刻》

 

 

 

ステージのような暗い部屋に入ったら、光のダンスが始まりました。動く光の彫刻をイメージしたライトの光は、明るく柔らかく全身を包み込みます。

 

 

 


《Wander through the Crystal World》

 

 

 

 

 

 

無数の電球が様々なパターンで点滅する、宝石箱のような空間。どこまで続くのか分からないまま手探りで進んでいくと、前後上下左右、あらゆる角度から光が近づいては通り過ぎていきます。

 

さらに、スマートフォンや会場に設置されたiPadで色々試してみると、天候を自在に操れる神様になった気分が味わえるかも。

 

 

 


《地形の記憶》

 

 

 


《地形の記憶》

 

 

 

巨大キノコの群れのような道をくぐり抜けると、高低差のある鏡張りの空間が。無数の円盤に映像が投影され、まるで棚田を歩いているようです。草が生い茂った後には、たくさんの蛍が飛んできました。自然の景色が二度と同じでないように、今、この瞬間は二度と見ることができないそう。

 

 

 

Lv.2 触れて変化を起こしてみよう!

 

 

 

慣れてきたら色々なものに触れて、何が起こるか試してみましょう。他の人がやっていることをマネしてみるのもいいですね。でも、いつも同じことが起きるとは限りません。

 

 

 


《花の森で生まれ、花とともに生きる動物たち》

 

 

 

廊下で出会った花の塊をこすると、花が散って動物が姿を現しました。振り向いたり声を発したりするものもあれば、触ると死んでいなくなってしまうものや、人がいないところで増えるものも。片端から触ってみるのも、あえてそっとしておくのも、関わり方は自由です。

 

 

 


《重力にあらがう生命の森》

 

 

 


《重力にあらがう生命の森》

 

 

 

不思議な光に誘われていくと、大小様々の物体が、サボテンのように生えていたり気球のように浮かんでいたりして、異星に迷い込んだかのよう。初めは暗かったのですが、物体にタッチすると色と音が生まれました。誰かが入ってくると、そちらから自分とは違う色の光がやって来て、人の存在を伝えてくれます。

 

 

 


《呼応するランプの森 – ワンストローク》

 

 

 

「ランプの森」は日本初公開。無数のランプが吊るされ、人が近づくと色のついた光が灯ります。同じ色の光が隣のランプに伝播し、さらにその隣に…とどんどん広がり、部屋中のランプに伝わっていきます。自分の存在がこんなにたくさんのランプに影響を与えるなんて!と感動を覚えました。

 

 

 

Lv.3 運動に挑戦しよう!

 

 

 

アートの反応を楽しむうちに、身体を動かすことに抵抗がなくなり、さらなるチャレンジをしてみたくなるはず。ぜひ動きやすい服装で行って、子供に戻ったつもりで「運動の森」に飛び込みましょう!

 

 

 


《光の森の3Dボルダリング》

 

 

 

暗闇に色特有の音色を持つ玉石が輝いています。一般的なボルダリングは壁を登る平面的なものですが、ここではポールに配置された玉石を辿って、立体的な空間を奥へと進んでいきます。

 

同じ色だけを握っていくと、呼応する音色もどんどん豊かにリズミカルに!ミスをすると振り出しに戻ってしまうので、たくさんのコンボを目指しましょう。難易度別に3つのエリアに分かれているので、自分のレベルに合わせて楽しめます。

 

 

 


《色取る鳥の群れの中のエアリアルクライミング》

 

 

 

ロープで吊るされた棒が繋がれ、空中に道を作っています。ここでもルートは決められていません。人が動くたびにゆらゆらと揺れる棒を、自由に渡っていきましょう。周りを飛び回る鳥の群れは、人の動きによって位置や色をリアルタイムで選択しています。

 

 

 


《マルチジャンピング宇宙》

 

 

 

こちらは宇宙の星々の一生をテーマにし、巨大な布が張り巡らされています。跳ねたり沈んだり、人々の動きにしたがって星屑(チリ)とガスを引き寄せ、星を誕生させます。自分でジャンプするのはもちろん、少し離れて宇宙が変化していく様子を眺めるのもいいですね。

 

 

 

 

 

 

体を動かした後はお茶で一服。「EN TEA HOUSE -幻花亭」では、肥前の茶葉を使った味わい深いお茶とアートを同時に楽しめます。今回girlsArtalkでは、4種類のメニューの中から「ゆず緑茶」と「カモミールほうじ茶ラテ」(各500円)をチョイス。

 

 

 


《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》

 

 

 

お茶が注がれると、透明な器の中に花が咲き、動かすと器の外に花びらが散って、テーブルや壁まで広がっていきます。動きはあらかじめ決まっているのではなく、リアルタイムで作られていくのだとか。お客さんが多くなるほど多くの花が咲き乱れ、賑やかになります。

 

 

 

アートと身体で捉え直す、自分と世界の関係性

 

 

 

「チームラボ ボーダレス」は、一見ファンタジックで現実離れしたエンターテインメント空間に見えますが、実際はどうでしょうか?

 

その時その時の選択によって、出会える物事が変わること。渦中にいる時はそれが全てに思えても、自分に見えているものは全体のほんの一部にすぎないこと。一人一人の存在や行動が、わずかであっても確実に他者に影響を与え、世界を変えていくこと。

 

当たり前だけれど普段は忘れがちな世界の本来の姿に、アートと自分の身体を通して近づくことができます。ここは世界の本質が凝縮された、現実のメタファーのような場所だと言えるかもしれません。

 

なんとなく人生がうまくいかない、なんだか毎日がつまらない…とモヤモヤしている大人たちにこそ訪れてほしいミュージアム。便宜的に決められている境界や枠組みから自由になって、凝り固まった考えをほぐしてみてはいかがでしょう。クリエイティブで知的な刺激が、突破口を開いてくれるに違いありません。

 

 

 

文:稲葉詩音
写真:鈴木佳恵・新井まる・稲葉詩音

 

 

 

チームラボ
プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート・サイエンス・テクノロジー・クリエイティビティの境界を曖昧にしながら活動している。 詳しくはこちら→https://www.teamlab.art/jp/

 

 

 

【施設概要】
森ビルディング デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス
MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless
公式サイト:https://borderless.teamlab.art/jp/
オープン日:2018年6月21日(木)
時間: 月~木 11:00 – 19:00(21:00)
金・祝前日 11:00 – 21:00(22:00)
土 10:00 – 21:00(22:00)
日・祝日10:00 – 19:00 (20:00)
※最終入館は閉館の1時間前
※()内は6/21(木) – 8/31(金)までの特別延長時間
※営業時間はシーズンによって異なります。
休館日:第2・第4火曜日 ※直近の休館日は7/10, 7/24
会場:東京都江東区青海1-3-8 お台場パレットタウン
料金:大人 高校生上(15才〜) 3,200円、小人 中学生以下(4〜14才) 1,000円
※7/31(火)までは期間限定オープン記念チケット 2,400円(大人)※料金は税込み

 

 

 

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Writer

稲葉 詩音

稲葉 詩音 - Shion Inaba -

イタリア留学を経て、東京大学で表象文化論修士号取得。得意分野はヨーロッパ近代絵画。
10ヶ国語以上学んだ語学オタクでもあり、現在は海外映画・ドラマの字幕翻訳ディレクターを務める。

好きなものはアートと言葉。
好奇心を大切に、旅するように暮らしたい。
特別な思い入れのある芸術家は、美術ではセガンティーニ、文学では安部公房、音楽ではきのこ帝国。






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