feature

思わず誰かを愛したくなる?! 女性画家エリザベス・ペイトンの絵画が放つ魅力とは?

NEWS

2017年2月4日


思わず誰かを愛したくなる?! 女性画家エリザベス・ペイトンの絵画が放つ魅力とは?


思わず誰かを愛したくなる?!

女性画家エリザベス・ペイトンの絵画が放つ魅力とは?

 

ニューヨークを活動拠点とする画家エリザベス・ペイトン(Elizabeth Peyton)は90年代初頭より絵画や素描、版画を中心に制作してきた。とりわけ時代のアイコンをモデルにした肖像画は有名で、世界中で人気を博している。日本初となる個展『エリザベス ペイトン:Still life 静/生』が開催中の原美術館で迎え入れてくれたエリザベス・ペイトンは、シャイで言葉少なだが丁寧に自らの創作過程や作品について語ってくれた。そんな彼女の作品の魅力とは?

 

絵の色彩と調和する個性的な花柄のドレスに身を包んだエリザベス・ペイトン。作品《アイリスとクララ コマース通り》(2012)の横で。

 

 

 

ここがポイント!【エリザベス・ペイトンの作品の魅力】

 親しい友人や恋人、歴史上の人物、カート・コバーンやデヴィット・ボウイといったミュージシャンからオバマ夫妻まで描く対象は多岐にわたる。モデルを際立たせる大胆かつみずみずしい色彩が魅力的。
 

②音楽、映画と多様なアートからのインスピレーションに基づく彼女の作品は親しみやすさとともに、五感で感じとる楽しさ、喜びに溢れている。
 

絵画は一瞬一瞬の時間の蓄積。特にキスする男女の作品群は情熱的でドラマティック。キスを交わすふたりの濃密な時間の連なりが絵画に閉じ込められている。

 

 

 

《The Age of Innocence》(2007)The Brant Foundation, Greenwich, CT

© Elizabeth Peyton, courtesy Sadie Coles HQ, London; Gladstone Gallery, New York and Brussels; neugerriemschneider, Berlin

 

 

「この絵画はなんと映画的でドラマティック!」とペイトンに語りかけると、まさにマーティン・スコセッシ監督の映画『The Age of Innocence』を題材にした作品であるという。「通常の作品は数ヶ月から1年ぐらいの速さで完成させますが、本作の制作期間は3年という年月を費やしました。(このシーンを選んだ理由は)沈んでいく夕日のように、普段から見ている光景の中にも時々すごく綺麗だと感じる瞬間がありますよね。キスも日常の営みではあるけれど、同様にドキドキするものとして描くことにトライしたかったからなんです。」と教えてくれた。

そして彼女にとって作品の完成とは「これ以上描かなくていい、これ以上やることがないとわかったとき」なのだという。

ペイトンの作品にはキスする男女の姿が多く見られるが、キスに及ぶ前後のドラマと情感が作品に滲み、胸が熱くなる。誰かを愛おしく感じる衝動、記憶が呼び覚まされるようだ。

 

映画『The Age of Innocence』はニューヨークの豪華絢爛な社交界を背景に、名家出の弁護士青年(ダニエル・デイ=ルイス)と自由を追い求める伯爵夫人(ミシェル・ファイファー)との許されぬ恋を描いた作品だ。燃え上がる思いとは裏腹に社交界の古いしきたりがふたりを引き裂いていく。

きらめくような恋の瞬間からその後の歳月を美しい音楽とともに描き出した本作は、ペイトンが「この作品を題材にしたい」と引き寄せられる要素を多く兼ね備えている。

ペイトンは、ヨナス・カウフマンを対象として描くなど、オペラなどの音楽からインスピレーションを得ることが多いという。彼女にとって「音楽とは人間の感情を取り入れる良い器。創作に音楽を道具として使うのは、内にある感情を引きだして絵に昇華させるため。特に愛に関わる時は音楽を使うことが多いですね。」と述べていた。

 

今回の展示は、原美術館のデリケートな環境にあわせて自身の日本の美術館での初個展にふさわしく、これまでの制作を一望するような作品によって構成されている。「原美術館の出品作品は私自身がとても好きで思い入れの強いものを選びました。ドラマティックで情熱的、私自身にとって意義深い作品を選んでいます。」

描く対象へのまなざしから作品選びにおけるまで「好き」で満たされた場内。会期は2017年5月7日まで。

彼女の作品を通してあなたは何に出会い目覚めるだろう?

ぜひ旧邸宅の親密な空間の中で作品が放つきらめきを体感していただきたい。

 

 

 

 

 

 

文・写真/川嶋一実

 

 

【展覧会情報】

エリザベス ペイトン:Still life 静/生

◾会期:2017年1月21日(土)〜5月7日(日)

◾会場:原美術館(東京都品川区北品川4-7-25)

◾開館時間:11:00〜17:00

     ※祝日を除く水曜は20:00まで/入館は閉館時刻の30分前まで

◾休館日:月曜日、3月21日(祝日3月20日は開館)

◾原美術館HP: http://www.haramuseum.or.jp/



Writer

川嶋 一実

川嶋 一実 - Hitomi Kawashima -

週末女優 -製薬会社OL×女優活動-

聖心女子大学卒。国内外での演劇活動や映画出演の他、聖心女子大学芸術学の授業で特別講師として招かれるなど活動の幅は多岐に渡る。

〈 人生に転機を 〉と2011年ひとりNYに飛び込み、憧れのアーティストを訪ね歩く。その縁で、翌年アメリカで舞台「HITOMI」に主演。国内外問わず映画監督、ミュージシャンらと深い親交を結んでおり、夢は彼らと国境を越えて作品を作ること。

9月7日〜11日まで東京・アトリエ第七秘密基地にて、女の二人芝居『たまことゆかり』に出演する。

★twitter:https://twitter.com/ogawa_hitomi

★blog:http://ameblo.jp/hitomi-my-style/ 

 

 <News>初プロデュース作品&出演

★週末女優HP:http://shumatsu-jyoyu.tumblr.com/next

★週末女優公式アカウト:https://twitter.com/Shumatsu_Jyoyu






トップへ