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東京国際映画祭!  クロージングセレモニー、記者会見レポート!

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2016年11月4日


東京国際映画祭!  クロージングセレモニー、記者会見レポート!


東京国際映画祭! クロージングセレモニー、記者会見レポート!

 

10月25日から11日3日(木・祝)の10日間に及んだ、グローバルな映画の祭典『東京国際映画祭』。
10日間の締めくくりとして11月3日(木・祝)に開催された、クロージングセレモニーと記者会見の模様をレポートする。

 

日本映画界の発展などに貢献した功績した者を讃える【ARIGATO賞】には、映画界の男優として欠かせない存在である妻夫木聡さん、多彩な役作りに定評がある高畑充希さん。アニメーション映画『君の名は。』で旋風を巻き起こしている新海誠監督、さらに老若男女に愛されているキャラクターとしてゴジラが選ばれました。

 

妻夫木聡さん:
今日はARIGATO賞をいただき、ありがとうございます。僕は『ウォーター・ボーイズ』という映画作品から映画の世界に踏み込みました。そこで感じた日本映画の汗臭さ、泥臭さを肌で感じ、一体感というものを体感しました。映画は自分一人で作るものではなく、みんなで一つのものを作り上げるもので、監督をはじめ、キャスト、スタッフ、皆んな一丸となって作り上げる姿勢。映画というものに関わり今まで描いてきました。新しい映画に出演することで自分の発見や励みになっています。映画界からこのような光栄な賞をいただき、またスタートして励んでいきたいと思います。これからも宜しくお願いします。

高畑充希さん:
『ARIGATO』賞をいただけてすごく幸せです。ミュージカルから芝居の世界に飛び込んで10年が経ち、映画という側面からこの賞をいただけたことだけでなく、ゴジラさんと一緒に壇上に入れることを夢にも思っておりませんでした…とても幸せです(笑) 自分ではどうなるかわからない…自身の運だけでなく、様々な方からのご縁で、ここまできような気がします。今回、東京国際映画祭に出品している『アズミ・ハルコは行方不明』という作品に出演しています。これまでもそうですが、とてもいい現場に恵まれ、これからも映画のことを知っていきたいと思っております。これからも必死に頑張ります。こちらこそありがとうございました。

新海誠監督:
皆さん、はじめまして。アニメーション監督をやっております、新海誠です。この度は、「ARIGATO賞」という素敵な賞をいただき光栄に思っております。今回、『2016年に、新生現る!』と紹介されていますが、僕自身は10年前からアニメーションを作り続けています。2016年に良くも悪くも”発見”されたことにあります。”発見”していただいたことはとても幸せなことですし、その一方で”発見”されなかった自分も今もどこかで存在しているような気もします。自分にできることや自分がやりたいことは、あまりこれからも変わりません。 今、観客が何を観たいのか?物語の役割とは何か?というものを考えながら制作していければ幸せです。そして、僕自身の名前を呼ばれましたが『君の名は。』というアニメーション映画にいただいたものだと思っています。僕だけの力ではもちろんなくて、スタッフ、キャスト、音楽、全てを表彰していただいたと思っています。本当にありがとうございました。

ゴジラ・山口プロデューサー:
今日は私の大先輩であるゴジラに賞をいただきましてありがとうございます。62年前に誕生したゴジラ。日本では12年ぶりに『シンゴジラ』で復活を果たしました。予想をはるかに超えるお客様にお越しいただきましてとても感謝しています。海外の上映がはじまっていますがこれからも日本を背負っていって欲しいです。不思議なことに11月3日(木・祝)は初代ゴジラの映画作品が公開された日でもあり、そんな日に賞をいただけたこと、とても不思議な想いでいっぱいです。

 

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(c)2016 TIFF

 

活気づく日本のインディペンデント映画の中から、独創性とチャレンジ精神溢れる作品を対象とした【日本映画スプラッシュ部門】

 

8作品中から選ばれた受賞作品には渡辺紘文監督の『プールサイドマン』
受賞をはたした反動で感動で泣きながら登壇し…

 

渡辺紘文監督:
僕の泣き言なんか気持ち悪いのですが(涙)
僕はデビュー作から東京国際に出品しているのですが…
僕を育ててくださったのは東京国際であり、映画祭にお越しいただいている皆様であり、
スプラッシュ部門に出品している作品、尊敬している先輩監督たちです。
まさか”本当”に自分が選ばれるとは思っていませんでした。“本当”に感謝申し上げます、”本当”にありがとうございました。

 

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(c)2016 TIFF

 

とても大きな変革を迎えているからこそ生まれる素晴らしい作品や才能が現れ、東アジアの日・中・韓から中東イスラエルまでの地域含む新鋭監督が競い合う【アジアの未来部門】

 

【受賞】作品はアランクリター・シュリーワータウ監督の『ブルタの中の口紅』
監督と主演女優のラトナー・パータク・シャーが美しいドレスで登壇すると…

 

アランクリター・シュリーワータウ監督:
東京国際映画祭の皆様にお礼お申し上げます。私の作品を上映してくださったことに感謝申し上げます。このテーマで撮影をすることを信じてくれたプロデューサーにも感謝をお伝えします。私の作品を通じてアジアのスピリッツを知ってもらえること、これがアジアの平和につながっていけたらと思っています。国や文化の違いはありますが、アジアの国々、アジアの女性が一丸となって、新たな光を持てるよう、映画を鑑賞しながらそのような側面からも感じてもらえるようにしていきたいと思います。

 

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(c)2016 TIFF

 

【作品賞】はミカイル・レッド監督の『バードショット』

 

ミカイル・レッド監督:
プロデューサー、パートナー、キャスト、東京国際映画祭審査員に感謝をお伝えします。
この光栄な賞は私だけでなく、苦労しながら撮影している者へ、贈られていると思っていますし、そういった方々に勇気を与えられる作品だと思っているます。加えて、これはフィリピンにいただいた賞だと思っています。

 

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(c)2016 TIFF

 

その後の質疑応答では…

 

Q:
渡辺紘文監督に質問です。スタッフ3人、制作費は食費、といった低予算での受賞ですが、その一方で制約があったからこそ生まれた作品だと思います。もし、次回スポンサーなどがついて予算が降りたら、監督はどのような作品を作ってみたいですか?

渡辺紘文監督『プールサイドマン』:
東京国際映画祭は三回目の出品でそのすべてが低予算の自主映画。そこで自分のスタイルが出来てきたので、それを完全に 捨て去ることはできない。しかし今後は違うスタイルを確立することも自分の課題だと思っています。

 

Q:
非常に若い時から頭角をしめし、早熟な監督と知られているレッド監督その背景にはどのような生い立ちがあったのでしょうか?

ミカイル・レッド監督『バード・ショット』:
父は映画を作れと強制することはなかったが、子どもの頃から名作に触れる機会は多かったです。映画学校、ワークショップなどにいろいろ通いました。

 

Q:
アランクリター・シュリーワータウ監督に質問です。劇中で描かれる女性像はインド女性が抱える一般的心理なのか、そうではないからそれを鼓舞するものなのでしょうか?

アランクリター・シルバースター監督『ブルカの中の口紅』:
インドは多様性のある国。特に小さい村に住んでいる女性は大きな変化に踏み出そうとしています。自由に生きたいと願う女性を 描くことで、何かきっかけを与えることになるかもしれないと思いました。

 

Q:
渡辺紘文監督に質問です。兄弟で共同制作することついては?

渡辺紘文監督『プールサイドマン』:
世界には尊敬する兄弟監督がたくさんいます。
僕たちは役割が分かれているので、弟がいるからこそ自分の役職に専念できる。
弟はとても大きな存在です。

 

揺るぎない信念に基づいて作品を取り続けている監督に贈られる【SAMURAI賞】にはマーティン・スコセッシ監督黒沢清監督が選ばれました。

ここで、会場に来れなかったマーティン・スコセッシ監督からのビデオコメントがシアターに映し出された…

 

マーティン・スコセッシ監督:
東京国際映画祭に SAMURAI 賞の御礼を申しあげます。 とても残念ですが、日本での滞在を今日まで延長することができず、賞を直接受け取れません。敬愛する黒沢清監督に代理 で受け取っていただきます。彼の作品にはいつも感服しており、彼が代理受賞してくれるのはとても意義深いことです。ありがとう、 清。あなた自身の受賞もおめでとう。SAMURAI 賞は生涯功労賞だと理解しています。一応、申しあげますが、私も清も生涯は まだ終わっていません(笑)しかしながら、この栄誉をいただけて感激です。私は映画を通じて、日本と日本文化を知りました。黒澤明 をはじめ、溝口(健二)、小津(安二郎)、成瀬(巳喜男)、篠田(正浩)、小林(正樹)、今村(昌平)、大島 (渚)、塚本(晋也)、そして黒沢清。他にも清水宏など、数多くの作品を観ました。観れば観るほど、その豊かで素晴らしい 世界を知りました。黒澤明監督の『夢』出演のため日本を訪れて、日本への驚嘆と好奇心は、さらに深まりました。同じ頃、日本 文学にも触れ、遠藤周作の作品に出会いました。そして小説「沈黙」を原作に、今回、映画を撮りました。私の人生がより充実し たのは、日本映画と文化に触れ、この素晴らしい国を訪れたからです。 最後にもう一度、御礼を申しあげます。ありがとう。

 

黒沢清監督:
マーティン・スコセッシ監督と肩を並べられたことに感激を覚えるとともに、彼は『タクシー・ドライバー』をはじめ、色んな数多くの作品を手がけています。彼のように自由自在で多様な方がいたからこそ、映画業界が今日まで続いているのだと感じます。自分のキャリアを引き合いに出すとお恥ずかしいですが…小規模ではなりますが“何でもありな”映画づくりを続けてきたからこそ、細々ではありますが今尚日本映画会において作品を作り続けられています。これからも自分は映画作品を作り続けていきますし、多種多様な人たちに関わっていただけたらと思います。

 

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(c)2016 TIFF

 

世界の秋の新作を中心に期待の若手から充実のベテランまで、傑出した個性が結集して賞を競う【コンペティションの各部門】。

 

【観客賞】ジュン・ロブレス・ラナ監督の『ダイ・ビューティフル』
【最優秀男優賞】には、自分の奥深くにある秘密、弱さをさらけ出す演技力、艶やかさが備わっており、
女性・男性という境界線が交じり合うことができる素晴らしい演技力を見せたパオロ・バレステロスさんが輝いた。

 

ジュン・ロブレス・ラナ監督:
パオロには辛い時間を与えました。本作は役者と監督の協力体制で挑みました。
今回も、前作も、東京国際映画祭で上映できたこと、主演男優賞を受賞したこと、大変光栄に思っております。

 

パオロ・バレステロスさん:
レッドカーペットを歩くつもりできたので、このようにドレスアップしてきました。
私たちの作品を受け止めてくださってありがとうございました。
実は最優秀女優賞を獲るのではないかと思っていました(笑)。
監督は私を信じて、この役を任せて頂き、本当にありが とうございます。この作品を通して、たくさんの友情が生まれました。

 

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(c)2016 TIFF

 

その後の質疑応答では…

 

Q:
パオロさん、最優秀男優賞を受賞してどんな気分ですか?

パオロ・バレステロス:
大変です、足が痛いです。いつも自分一人で外見を整えるのに3時間ほどかかります。
夜中に日本に到着して7時からメイクアップを始めたのですが、大変だということを想像できると思います。
最優秀男優賞をもらった意味は大きいです。自分が初めて主演する映画であり、ワールドプレミムであり、主演男優賞を受賞したこと。

 

Q:
現場での監督と役者についてどうだったか?

ペルシ・インタランプロデューサー:
私は幸せなことに前回TIFFに出品された作品もいっしょに作った。それぞれの役者のユニークな面を引き出す ことがうまい。そのキャラクターの過去に何があったかをよく話しています。自分なりのエレルギーをうまく使っていく、映画に出てこない背景についてよく議論しています。

 

Q:
昨今のフィリピン映画の充実ぶりについて一言ずつお願い致します。

ジュン・ロブレス・ラナ監督:
デジタル技術の発達に伴い、金銭面が抑えられ、作りやすくなってきたことが大きいと思います。
それで新しい才能が出てきた。主 流ではない映画が増えてきています。

パオロ・バレステロス:
私はフィリピンの役者として、フィリピンの観客として、様々な観点で申し上げると、
フィリピンの人が違うスタイルの映画を楽しめるようになってきていることが大きいと思います。

ペルシ・インタランプロデューサー:
発展の助けになっているのは巨匠監督が新しい世代に教えたり、
新しい世代が巨匠監督に気づきを与えたりすることにあります。
巨匠、新世代が混ざり合うことで”映画”の発展につながっていると思います。

 

【審査員特別賞】には、人間性とモラルを問うストーリーと脚本の強さ、背景の美しさ、信じられない演技、驚くべきことはこの作品が長編デビュー作であるという『サミー・ブラッド』のアマンダ・ケンネル監督が受賞しました。自然で長い演説よりももっと強烈に人種差別の馬鹿げさとナンセンスさを思い出させる【最優秀女優賞】には、心を動かし微妙で繊細な演技力をみせるレーネ=セシリア・スパルロクさんが選ばれた。

 

アマンダ・ケンネル監督:
緊張してしまって言葉が浮かびません…サミー語でありがとうを意味する言葉しか。
主演女優とその妹を誇りに思っています。この二人がいたからいまここに立てています。
そして東京国際映画祭ではいろんな人と多く 語り合うことが出来ました。
映画祭という場はいろいろな国の社会を知ることが出来る場であると改めて思いました。

 

レーネ=セシリア・スパルロクさん:
心臓がドキドキしてここに立っている自分が信じられません。
劇中でも私の妹を演じてくれた妹がいなかったらこの場に私はいません。特に妹に感謝しています。

 

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(c)2016 TIFF

 

その後の質疑応答では…

 

Q:
レーネ=セシリア・スパルロクさん、今後はトナカイを育てる仕事を辞めて女優になりますか?

レーネ=セシリアス・スパルロウ:
まだわからないですね…トナカイを育てる仕事もしたいけど、そうなるかもしれませんね。

 

Q:
監督に質問です、レーネが最優秀女優賞を受賞したことについてどう思いますか?

アマンダ・ケンネル監督『サミー・ブラッド』:
誇りに思う気持ちでいっぱいです。国際サーミ民族協会から協力を経て作られた初めての映画です。
制作スタッフにもサーミ族が多かったのですが…そのようにサーミ族のコミュニティーを出ることで非常に価値のあることです。

 

映画の命ともいうべき光を大事にしてクラシカルとも言うべき頑固な文法をつくった【最優秀芸術貢献賞】にはメイ・フォン監督の『ミスター・ノープログレム』

 

メイフォン監督:
すばらしいスタッフとキャストに心から感謝します。現在の中国における映画環境でこのようなアート映画を撮り続けることができるのは、みなさんの協力があってこそです。映画というのは私たちの日常を切り取り素晴らしいものにしてくれるものです。

 

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(c)2016 TIFF

 

人間性またはその生き方の選択を否定せずに裁くことなく、そのキャラクターの表情、感情、その瞬間の場面から伝わる強烈な反応を丁寧に敬意を持って見つめる【最優秀監督賞】には、『私に構わないで』のハナ・ユシッチ監督が選ばれました。

 

ハナ・ユシッチ監督:
本日の受賞している人たちはを最初から教えてもらっているものだと思っていたら、本当に何も聞かされていないんですね…上手くスピーチすることができません(笑)出演者、スタッフに感謝します。

 

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(c)2016 TIFF

 

その後の質疑応答では…

 

Q:
メイフォン監督、本作の元の短編を映画化しようとした動機は?

メイフォン監督『ミスター・ノー・プログレム』:
文豪ロウシャは私の大好きな作家ですが、『ミスター・ノープロブレム』の原作はそんなに有名な作品ではなかったです。初めて読ん だときはとても驚きました。ロウシャの他の作品とはかなり作風が違い、この作品を通して中国人、中国文化を鋭く観察していたのでこの作品を原作にして映画を撮ろうと思いました。

 

Q:
ハナ・ユシッチ監督、次の3つのうち映画を作る上で最も大切なことはなんですか?
1:次の世代を鼓舞すること。
2:観客を幸せにすること。
3:人生における教訓を学ぶこと。

ハナ・ユシッチ監督『私に構わないで』:
どれも大事ではありません。私の映画は観客を幸せにする映画ではありませんし、何かを教えるために作っているわけではありません。映画は何かを感動させるものであることが大事だと思っています。

 

まだ知らない広い世界を映しとり、新たな可能性を感じられた作品をwowow選考委員が選ぶ【wowow賞】と、
そして名誉ある【東京グランプリ】に選ばれたのは、クリス・クラウス監督の『ブルーム・オブ・イエスタディ』

全身ブラックでスタイリッシュにキメている東京都知事の小池都知事から賞の受け渡され、その喜びに満ちた笑顔を浮かべながらゴールドのドラゴンを模ったトロフィーを高く掲げた。

 

クリス・クラウス監督:
ありがとう と、心の底からお伝えします。「ありがとう」しか日本語の中で知らないんだけど…私の中で最高の賞です。名誉ある賞をありがとう。また、非現実的なシュールな気分でいます。同じ舞台にジャン=ジャック・ベネックス監督と立てるなんて。先ほど拙いフランス語で二十歳頃彼の映画をずっと見ていましたと伝えました。それなので夢が叶ったような気分です。この映画を撮ることは簡単ではなかった。でもこの受賞によってフランス、ドイツ、そして日本でも公開されることを期待しています。この映画に出演してくれた素晴らしい俳優 とスタッフがいなければ、この映画はできませんでした。そしてこの映画のプロデューサーである彼女は、戦士でアマゾネスです。

 

カトリン・レンメさん(プロデューサー):
ワールドプレミアが東京国際映画祭でした。この作品が他の国で理解されるのかとても不安でしたが、審査員の方々に選んでいただきとても感謝しています。本当にうれしいです。監督とは素晴らしい時間を過ごしました。この賞を受賞して圧倒されています。何も言えません。

 

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(c)2016 TIFF

 

その後の質疑応答では…

 

Q:
具体的に作るのが難しかったのは?

クリス・クラウス監督:
テーマにあると思います。痛ましいテーマにありつつ、ユーモアに溢れるものにしたのが難しかったです。

 

Q:
ナチズムの加害者の孫と被害者の孫が出会って許し合い未来に向かうという構造はどういう経緯を経て考え付いたのか?

クリス・クラウス監督:
まず私自身の家族のリサーチから始めました。記録資料を見つけに色々な所に行きました。そのときに被害者と加害者のそれぞれの孫の世代が楽しそうにしていることに気付きました。特にユダヤ人の孫世代が自分たちの辛い過去を冗談にしていることに気付き、このテーマをもっと違う軽さを持って描くことが大事だと思いました。

 

Q:
ナチスの歴史を語りながらラブストーリーにすることにどう感じましたか?

カトリン・レンメプロデューサー:
最初に脚本を読んだときに非常に感心しました。二つのテーマが同時に混ざり合っていることが好きでした。

 

Q:
20歳のときにジャン=ジャック・ベネックス監督の作品を見ていたというが、その頃の話を聞かせてください。

クリス・クラウス監督:
『ディーバ』も『ベティー・ブルー』も見ました。べネックスは長年のヒーローだったので同じ舞台に立てて本当に幸せでした。」

 

Q:
ラストシーンには未来に対する思いを込められているのか?

クリス・クラウス監督:
私のロマンティックな心が込められています。和解に対する希望が表れていたらいいと思います。彼らは映画の中で長い苦しみを 経て最後に小さな希望を見つけました。
二人が一緒になるかどうかはわからないが小さな希望があるように感じています。

その後、トロフィーを手渡した小池百合子東京都知事、審査委員長であるジャン=ジャック・ベネックス監督、
ディレクター・ジェネラルを務める椎名誠さんから東京国際映画祭のクロージングコメントが寄せられた。

 

作り手のビジョン、スピード感のあるグローバリズムなど、さまざまな視点を見ることができた東京国際映画祭。様々な出品作品を通じて、人種差別、フェシズム、平等性、感受性、正義感など、違いがあるということを見せ付けられました。文化の違い、思考の違い、宗教の違い、お互いに寛容な気持ちで尊重することで希望と平和が生まれると思います。これからも相互理解を深めるために数多くの作品に触れ、私たちは世界をより広く知って行かなければなりません。

 

文:新麻記子   写真:TIFF

 

【情報】
第29回東京国際映画祭
会期:10月25日(火)〜11月3(木・祝) 10日間
会場:六本木ヒルズ・EXシアター
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