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建築は価値観の表現!フォスター+パートナーズの半世紀とこれから

NEWS

2016年1月28日


建築は価値観の表現!フォスター+パートナーズの半世紀とこれから


フォスター+ (アンド) パートナーズは1967年にノーマン・フォスター(以下、フォスター卿)により設立された
設計事務所である。

フォスター+パートナーズとしては日本初となる本展は、半世紀に渡る偉業を集約した大規模なものになって
いる。

 

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展示風景:「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」(2016年1月1日~2月14日)
森美術館(展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー)
撮影:古川裕也
画像提供:森美術館

 

まず驚くことは「半世紀」に生み出したとは思えない、建物を中心としたプロジェクトの多さである。

会場の入り口付近には、彼らの歴史がスカイデッキの広い壁いっぱいに展示されていた。

 

フォスター1

 

そこから会場内に進むと、展示写真、解説パネル、建築模型、スケッチ、図面。
彼自身による肉声と映像による膨大な情報によって、展覧会を訪れた者に分かりやすく解説してくれている。

最先端技術を駆使しながら、伝統的建造物の歴史的な背景や地域の環境に配慮し、再生していく独自のアプローチと
メソッドが資料から伺える。

 

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展示風景:「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」(2016年1月1日~2月14日)
森美術館(展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー)
撮影:古川裕也
画像提供:森美術館、東京

 

建物を支えるための柱や壁は使用せずに鋼鉄のフレームを剥き出しにさせ、そのフレームのみで超高層ビルを支える、
それまでには前例のない技術を活用した『香港上海銀行本社』。

また、その他にも『コメルツ銀行本社ビル』のように、超高層を支えるための構造でありながらも、換気や冷暖房
などのエネルギーを無駄にせず、エコで快適なオフィス空間をつくる手法は、現在も私たちの身近にある高層ビル
に使用されている。

やはり、フォスターが手がけるデザインには未来を切り開く力があると言えるだろう。

そして、このような実績が認められ、数々の栄誉ある賞を受賞している。

 

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本展覧会ではこれらの偉業が多くの文章で解説されていることにも興味深い。

 

本展のセクションは大きく3つに構成されている。 

フォスター卿に多大な影響を与えた工学者・思想家のリチャード・バックミンスター・フラー。
彼との共同プロジェクト、そして原点となる初期作品を展示しているセクション1。

続いて、エコロジー、サスティナブル、歴史、伝統、地域、国家といった各国が抱えている課題に、
最先端のデザインと技術で応えてきた膨大なプロジェクトを厳選して展示しているセクション2。

そして、廃棄物を出さない生産を目指す構想の巨大建築、巨大都市、月面住宅などの、SF映画に出てきそうな
空想的なプロジェクトの紹介。しかし、夢で終わらせないように実現に向けて研究されており、最先端技術に
裏付けられた近未来の都市と建築の姿を提示しているセクション3。

 

解説の他には彼の思想を感じられる発言やエピソードがあり、展覧会終盤にある広く窓の多い開放的な
空間の大スクリーンでは、フォスター卿の映像がたっぷりと上映されている。

この展覧会を訪れて彼のことを初めて知った人でもファンを名乗れるだけの情報量がある。

 

フォスター3

 

「我々がデザインするもののすべてが、環境と文化への解答である。」

 

と、自信を持って語るフォスター卿。

昨今において社会が抱え得る問題に逸早く気づいた彼は、未来においても私たちに驚きと感動を与えてくれると
確信した。

本展で彼を知った方も時間が許す限り会場をゆっくりと観覧して欲しい。

きっと、今後の彼らから目が離せなくなるはずだ。

 

文 / 山口 智子

 

 

【情報】

フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション

会期:2016年1月1日(金・祝)-2月14日(日)

会場:森美術館  (六本木ヒルズ森タワー52階)   六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー
   

開館時間:10:00-22:00(最終入館21:30)*会期中無休

入館料:一般1,800円、学生(高校・大学生)1,200円、
    子供(4歳~中学生)600円、シニア(65歳以上)1,500円

*表示料金に消費税込

*本展のチケットで展望台 東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く)

*森美術館「村上隆の五百羅漢図展」、屋上 スカイデッキへは別途料金

 



Writer

山口 智子

山口 智子 - Tomoko Yamaguchi -

皆さんは毎日、”わくわく”していますか?ーーー

 

 

幼いころから書道・生け花を初めとする伝統文化を学び、高校では美術を専攻。時間が許す限り様々な”アート”に触れてきました。

 

そして気づいたのは、”モノ”をつくることも大好きだけれど、それ以上に”好きなモノを伝える”ことにやりがいを感じるということ。

 

現在、外資系企業のメディア部門で奮闘中。

 

仕事も趣味も“わくわくすること”全てに突き動かされて走リ続けています。

 

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