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小片小説 vol.4~HAT~

NEWS

2018年11月4日


小片小説 vol.4~HAT~


イラストレーターのYuko MとライターのAkko Nで、言葉とイメージをコラージュさせてつくる小片小説。

絵から物語が導かれたり、文章からイラストが生まれたり、あるいは単語の断片からイメージと文章が膨らみ、全然違う方向へ暴走したり。

不定期の連載で公開順も気まぐれ。楽しい迷路でゴールを目指さないような、少し奇妙で不条理なシリーズ。第四回目は「HAT」です。

 

昔、通学路の脇に小さな家が建っていた。

ある日、霧の中から色の塊が現れて、その家へ飛び込んだ。

ほどなくして、窓からこちらを覗く顔が見えた。

長い髪にはさっきの色が留まっている。蝶だった。

 

その日以来、彼女と何度か言葉を交わした。

太陽が苦手で外に出られないのだという。

いつしか彼女は引っ越して、家もなくなってしまった。

 

あれから数年後、僕は職人になり、彼女のための帽子を作った。

蝶の羽のようなつばが日差しを遮り、光を色に変換する。

明るい季節を閉じ込めた帽子を手に、僕は彼女を探している。 

 

 

【Illustration:Yuko M  Text:Akko N】

【過去の小片小説はこちら】

小片小説 vol.1~VAPOUR~

小片小説 vol.2~CASSANDRE THE PROPHET~

小片小説 vol.3~SUITCASE~

 

【Yuko M】

 

84年までロンドンで過ごす。以降、国内外を転々とする。一時は音楽系の会社に就職するが、留学を機に04年渡英。08年ロンドン芸術大学、セントラル・セントマーティンズ・カレッジ・オブ・アート卒業。恩師のすすめで高級ブランドのデザイナーアシスタント、ファッションスケッチの非常勤講師など務める。SUNDAY TIMES 「STYLE」誌、HARVEY NICHOLS、NET-A-PORTERなどに作品を寄稿。帰国後は商業デザインをする傍ら、気の赴くままに音楽やファッション関連の絵を描いている。

《Tumblr》http://fancykoalacrusade.tumblr.com/

 

【Akko N(中野昭子)の過去の記事はこちら】

 

ミステリアスなグラフィティの世界に接近 Himbadインタビュー
映画ファン垂涎の企画 『ベルイマン生誕100年映画祭』で、映像美に酔いしれる
移りゆく儚き美の世界 『D’un jour à l’autre 巡りゆく日々』サラ ・ムーン写真展
洗練された笑いと毒 リューベン・オストルンド監督『ザ・スクエア 思いやりの聖域



Writer

中野 昭子

中野 昭子 - Akiko Nakano -

美術・ITライター兼エンジニア。

アートの中でも特に現代アート、写真、建築が好き。

休日は古書店か図書館か美術館か映画館にいます。

面白そうなものをどんどん発信していく予定。

 

 






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