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パリジャンの間で人気沸騰中?!サロン・デュ・サケで、ネクストヒットの日本酒を潜入捜査! Salon du Sake in Paris

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2017年1月3日


パリジャンの間で人気沸騰中?!サロン・デュ・サケで、ネクストヒットの日本酒を潜入捜査! Salon


パリジャンの間で人気沸騰中?!サロン・デュ・サケで、ネクストヒットの日本酒を潜入捜査!

Salon du Sake in Paris 

 

近年、フランスにて日本酒の人気が高まっているのをご存知ですか?

 

10月末日、エッフェル塔にほど近い展示会会場にて、Salon du Sake (サロン・デュ・サケ)が3日間に渡って開催されました。

今回で3回目となるこの展示会は、~ヨーロッパにおける日本酒を中心とした 日本の飲料交流イベント~(公式ホームページより)。年に一度、日本の酒造がパリに集まり、ヨーロッパのバイヤー、飲食関係者、日本酒愛好家と交流する目的の日本酒普及活動です。

NPO法人アカデミー・デュ・サケと日本酒啓蒙家として知られるシルヴァン・ユエ氏によって企画・運営されています。

 

パリには和食のレストランが多く、カジュアルな寿司スタンド、ラーメン店から、ミシュランで星を獲得した高級割烹まで、バリエーションに富んでいます。

では、そこでは何が飲まれるのでしょう。ビール?ワイン?焼酎?ウィスキー?

ワインに親しみがあるフランス人は、同じ醸造酒の仲間である日本酒が口に合いやすいとも、香りに敏感で、酒の味と料理との相性を考えることになれているとも言われています。

 

しかし、現状はまだまだ和食店以外での普及率は低く、ワインが日本で受け入れられている状況と比べると、一般化することが望まれます。

 

今回、パリ在住の私は「フランスで紹介される日本酒はどんなもの?」「girlsArtalkの読者の皆さんにも好まれそうなお酒はあるかな?」という好奇心があり、サロンに取材に行ってきました!

 

最初にお話を伺ったのは、京都・伏見の老舗蔵元、北川本家の14代目当主、北川 幸宏さん。江戸時代、明暦三年(1657年)創業の老舗です。

 

試飲させていただいた金のラベルが華やかな「富翁」は山田錦100パーセントの大吟醸。優しい、ふんわりとした芳香が上品なお味でした。

 

 

また、宇治の玉露を使った「玉露梅酒」もおすすめです。ほのかな梅の甘みを、濃いお茶の味がきりっと引き締めています。いまの時期はお湯割りでも美味しそう。

 

ちなみにフランスでは梅酒も人気!今ではスーパーマーケットでも見かけるようになりました。甘いお酒はapéritif(アペリティフ:食事の前に飲む食前酒)として好まれています。

 

 

京都では日本初の、「日本酒で乾杯すること」を奨励した清酒の普及の促進に関する条例が施行されているそうです!

 

北川さんと、お酌をする舞妓さんの後ろ姿が可愛らしい、「日本酒で乾杯しておくれやす」ポスター。

 

北川本家 ホームページ http://www.tomio-sake.co.jp/index.html

 

次に見つけたのは…あれ?シャンパンボトル?

 

と思いきや、こちらはスパークリングの日本酒、「弥山(みせん)」です。

広島県、厳島神社にほど近い廿日市市の、中国醸造の新商品です。

辛口で、マスカットや桃のような果実味もあるこちらのお酒は、「乾杯したい、一杯目のお酒」というコンセプトで作られました。

確かに、「今夜は日本酒を飲みたいけど、ビールで乾杯も嫌だし、和食だからシャンパンもなあ…」と感じることも多かった私には、待ちに待ったお酒でした!アルコール度数も11度と低めで安心。金箔をイメージしたラベルも美しく、華やかな集まりの多い年末年始にはぴったりですね!

 

中国醸造の竹内正臣さんと、通訳のフランス人の女性

 

中国醸造 ホームページ http://www.chugoku-jozo.co.jp

 

次は、同じく広島県三原市の醉心山根本店の「醉心」をいただきました。

 

江戸時代末期(万延元年)創業の広島を代表する日本酒の「醉心」。同社の天野充登さんが、ある日本画の巨匠と繋がりを教えて下さいました。

 

その画家は、横山大観。元々、大観氏の奥様が醉心を東京・神田の醉心の出店に買いに来られたことがきっかけとなり、当時の蔵元当主、山根薫氏が大観氏を訪ね、酒造りの話をしたところ「絵を描くのも酒を造るのも芸術だ」と二人は意気投合。薫氏は一生分の飲み分を約束し、大観氏は時折り絵画を寄贈したそうです。この縁は大観氏が亡くなるまで続きました。

 

日本酒を楽しむ横山大観氏 毎日新聞社「毎日グラフ(1952年2月1日号)」より

 

「超軟水仕込純米大吟醸酒 醉心」は、山奥の井戸から汲み上げた軟水を使った、とてもなめらかで柔らかなお酒でした。日本の水の美味しさが堪能できる一本。フランスは硬水なので、私はこの口当たりに感激しました。

 

 

 

大観氏は日に二升三合、晩年でも一日一升は飲んでいたといいますが、この喉越しの良さなら飲めてしまうかも!?

 

醉心山根本店 ホームページ http://www.suishinsake.co.jp/index.html

 

なんだか甘口なものも飲みたいなあと思っていた矢先にいただいたのは、広島県呉市の榎酒造さんのお酒、「清盛」でした。貴醸酒といい、水でなくお酒で作られていて、濃厚。さらに、にごり酒。フランス語の解説ではバナナやヨーグルトの香りと評されていましたが、本当にクリーミー!

取締役の榎真理子さんいわく、バニラアイスクリームとも合うそうです。これは寒い日に、暖房のきいた室内でゆっくり味わいたい味です。

白地に赤が効いたラベルも、どことなく可愛らしいです。

 

もう一つ、ご紹介いただいたのは「華鳩 貴醸酒8年貯蔵」。琥珀色が綺麗なこちらも貴醸酒。とろりとしていて、熟成感のあるお味は、フランス料理ではフォアグラと合わせるのがおすすめだそう。国際的なワインの品評会でも金賞を受賞しています。上級者向けの味にも感じられますが、こちらもクレームブリュレのようなデザートと合わせて飲みたい一本です。鳥とお花のラベルが可愛らしい。

 

 

榎酒造 ホームページ http://hanahato.ocnk.net

 

好みの日本酒は見つかったけれど、家にはぴったりの酒器がないなあ…と悩んでいたところ、素敵な酒器が目の前に現れました!

 

淡く銀色に輝くこちらの酒器は、大正5年創業、富山県高岡市の鋳物メーカー能作が手掛けたもの。溶かした金属を型に流し込み、冷やして目的の形状にする鋳造という方法で作られています。

 

写真の片口は、金沢の伝統工芸である金箔とのコラボレーション。錫(すず)は熱伝導率が高いので、1、2分冷蔵庫に入れておくと、よく冷えて美味しくお酒が頂けるそうです。

東京の寿司店でこちらで日本酒をいただきましたが、透明な日本酒が金箔を透かして輝いて、とても美しかったことが記憶にあります。

高級ホテルで使用されたり、スウェーデンのデザインスタジオCKRと商品開発をしたりと、近年は海外でも人気が高いそうです。

 

 

能作 ホームページ www.nousaku.co.jp

 

次に見つけたこちらは、京都、清水の老舗、1917年創業、西川貞三郎商店のKAYORIブランドコレクション。

急須の形をしていますが、ぐい呑と合わせて、酒器としても使うことができます。

京焼・清水焼の蓋に、南部鉄器製の胴部分。見慣れた伝統工芸品ながら、二つを組み合わせることで新鮮な趣が出ていますね!白が基調の絵付けの焼き物と、鉄のコントラストが、お互いを引き立てています。

こちらのブランドでは、西洋風の鮮やかな色で日本の文様を表現しています。

京焼、清水焼は手描きで絵付けをしているそうで、個々の些細な違いも魅力の一つです。

 

代表取締役の西川加余子さんにお話を伺ったところ、写真の酒器は、かの有名なフランスのシェフがお店のディスプレイ用に購入されたとのこと!フランスのガストロノミーの世界では、伝統と新しさの融合が表現されるので、KAYORIブランドの工芸はぴったりですね!

 

 

 

丁寧で細やかな、作品とも呼びたくなる西川貞三郎商店のラインナップですが、「若い方にも気軽に手に取ってほしい」という西川さんの思いがあり、お値段は案外リーズナブル。記念品や贈り物にも喜ばれそうですね。

飾りたくなるような美しい酒器、お気に入りの日本酒と共に、楽しんでみませんか?

 

 

西川貞三郎商店 公式ホームページ http://www.t-nishikawa.co.jp

 

 

パリで紹介された日本酒の数々、いかがでしたでしょうか。

 

後日、パリにあるとある和食屋さんで、熱燗をいただきましたが、一瞬の香りだけで日本に帰ったような気分になりました。

 

海外に誇れる、日本のお酒、日本酒が私達のような若い世代にももっと馴染み深くなればいいなと遠きパリより祈ります!

 



Writer

Foujii Ryoco

Foujii Ryoco - Foujii Ryoco  -

生まれも育ちも東京。初めて歩いたのはフランスのアヴィニョンの橋。

海外に親戚の多い家系で育つ中で、日本美術に魅了され、 学習院大学文学部哲学科にて、浮世絵、ジャポニスムを研究、学芸員資格を取得。 その後、百貨店にてファッションアドバイザー、マネージャーを経験するも、 芸術の国・フランス留学への道が諦められず渡仏。
レンヌ第2大学大学院にて美術史を専攻、博物館でのインターン、ワークショップの参加、各地方の美術館、ギャラリー訪問、アーティストとの交流を通し、 芸術が日常生活に溶け込んでいる環境に感銘を受ける。

絵画のある空間は、芸術家たちが、私が私自身の心と向き合わせてくれる、大切な場所。 美術館や博物館は、未来のために存在する、なくてはならない場所、温故知新のための場所。

2016年9月よりパリへ。日仏の架け橋になることを目指し、日々精進。 狂乱の時代のパリで成功を収めた画家、藤田嗣治に憧れている。

blog: ryocofoujii.blogspot.jp
instagram: coco.r.f






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