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逸品揃いの写真芸術展「千の葉の芸術祭 / CHIBA FOTO 」

NEWS

2021年8月28日

逸品揃いの写真芸術展「千の葉の芸術祭 / CHIBA FOTO 」


街をめぐる。写真に出会う。 新しい世界が見えてくる。

千の葉の芸術祭 / CHIBA FOTO 

 

 

千葉市初の写真芸術展「CHIBA FOTO」が、9月12日まで開催中だ。CHIBA FOTOは、千葉市制 100 周年を迎えた今年「 アートでつながる アートでつなげる 自由なアートが人と社会をかえていく」をコンセプトに開催中の ”千の葉の芸術祭” プログラムの1つ。千葉市の自然や歴史に根差した固有の文化力と、技術の進展によって生まれた新しい文化力を再認識し、広く発信する機会として開催されている。

 

出展作家には、写真界の芥川賞とも称される木村伊兵衛賞の第一回目受賞者である北井 一夫や、世界的にも評価の高い川内 倫子。小説家でもある写真家、清水 裕貴。世界最古の写真技法ダゲレオタイプを用い、鏡のように自分をも映し出す銀板写真を制作する新井 卓。そして、インターネット上にあるイメージを多重露光的に重ね合わせる吉田 志穂、過去の日記との出会いをきっかけにポートレートやインタビューの記録を描き出す金川 晋吾など、各作家が千葉に関連する作品、作家によっては展覧会のために撮り下ろした新作を展示しており、”写真”と聞いてイメージする既存の世界を、はるかに超えた幅広い写真表現を楽しめる展覧会内容となっている。

 

北井 一夫「写真集の裏側」 /   千葉市美術館 

 

 

それだけではなく、今回は展示会場となる千葉市内に点在する文化的な建築物は、中国清朝のラストエンペラー・愛新覚羅溥儀の実弟である溥傑が暮らしていたゆかりの家や、浅草神谷バーの電気ブランで有名な神谷伝兵衛の稲毛別荘など、とてもユニークで魅力的だ。同時開催する13会場それぞれが持つ千葉の知られざる歴史の魅力を、写真展を通じて再発見できる。各会場間も、懸垂型としては世界最長のモノレールなどを利用して移動可能で、こんな隠れたところに素敵な場所が?と、まるで宝探しのように千葉市内を巡ることができる。

 

新井 卓「汀にて」 / 千葉公園 好日亭  

 

 

また、もう1つの見所はなんといっても会場デザインのこだわりの凄さ。京都で人気の京都国際写真祭KYOTOGRAPHIEも手がける、アートディレクターおおうちおさむ氏が、各作家の出展作品と合わせた会場デザインを担当。今回は、どの会場にも共通して ”鏡” が使用され、CHIBA FOTO全体の統一感と共に、ホワイトキューブとはまた違ったここでしか見ることができない一期一会な面白みある空間が演出されている。

 

本城 直季「地域と学校」 / 千葉市美術館  

 

 

清水 裕貴「コールドスリープ」 / 千葉中央コミュニティーセンター2F 旧風月堂 

 

小説家でもある清水裕貴の「コールドスリープ」展は、千葉市に実在した蓮池と呼ばれる花街を題材とした小説とセットになった作品展示。小説の内容ともリンクするかのように、昔多くの人に親しまれつつも閉店した喫茶店が会場となっている。公式ホームページからも小説をダウンロード可能なので、読んでから訪れたい。

 

https://sennoha-art-fes.jp/chibafoto/artists/yuki_shimizu

 

 

 

 

 

 

権威ある賞を受賞している各写真家達が見せる本気の写真表現と出会える千葉への写真旅へと出かけてみては?

 

 

 

 

 

【開催概要】

千の葉の芸術祭 / CHIBA FOTO

会 期 : 2021年8月21日(土) ー 9月12日(日)

入場料 : 無料

U R L : https://sennoha-art-fes.jp/chibafoto

 

※会場により、休館日・閉館時間が異なります

 

参加作家 : 宇佐美 雅浩、川内 倫子、清水 裕貴、新井 卓、 吉田 志穂、蔵 真墨、

       佐藤 信太郎、本城 直季、 北井 一夫、楢橋 朝子、金川 晋吾、横湯 久美

 

 

総合ディレクター : 神野 真吾 ( 千葉大学 教育学部 芸術学研究室 准教授 )

CHIBAFOTO ディレクター : 粟生田 弓 ( 日本写真史研究家 )

アートディレクター : おおうちおさむ ( グラフィックデザイナー )

 

 

主催 : 千の葉の芸術祭実行委員会 構成団体 : 千葉市、公益財団法人千葉市文化振興財団、

   公益財団法人千葉市教育振興財団、千葉市文化連盟、 公益社団法人千葉市観光協会、千葉市メディア芸術振興事業実行委員会