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アート業界の新たな追い風『—凛— 日本橋三越美術市 2018』

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2018年7月19日

アート業界の新たな追い風『—凛— 日本橋三越美術市 2018』


 

アート業界の新たな追い風『—凛— 日本橋三越美術市 2018』

 

 

 

アート作品に触れたいとき、あなたはどこへ足を運ぶだろう。「美術館」「ギャラリー」が一般的な回答だと予想するが、本記事は「百貨店」という選択を提示したい。

 

百貨店と現代アートを取り扱うギャラリーが手を結んだ『—凛— 日本橋三越美術市 2018』が7月23日(月)までの期間、開催する。本展は好評を得た2017年に続く第二回目の開催であり、国内から出展するギャラリーは11を誇る。また、三越のセレクションによる7つのプロジェクトも展開され、現代アート、工芸、絵画、写真など幅広いアート作品を楽しめるのが魅力だ。

 

 

 


『なま玉子 Q』上田薫 縦45.5×横38.0cm 油彩、キャンバス

 

 

 

百貨店がアートフェアを開催する意図

 

 

 


GALLERY小暮ブース

 

 

 

『アートフェア東京2018』が過去最高の29.2億円の売り上げを達成し、日本のアート市場はますます熱を帯びている。本展は、公募展系作家の展覧会を多く開催するなど、オーセンティックなイメージが強かった百貨店が、日本のアート市場をさらなる高みに導びこうと、ギャラリーと手を取り合い、新たな風を吹かせようとしている。百貨店が持つスケールメリットと、ギャラリーが持つ独自性や専門性。勇気ある挑戦を見逃さない手はない

 

 

 

11のギャラリーと三越美術による堂々たるセレクション

 

 

 


『白釉ティーセット』ルーシー・リー 陶土

 

 

 

ex-chamber museum、GALLERY小暮、現代美術 艸居、小林画廊、秋華洞、SHUMOKU GALLERY、t.gallery、名古屋画廊、水戸忠交易、Röntgenwerke AG、Yutaka Kikutake Galleryの11ギャラリーが、それぞれ一押しの作家たちを紹介し、三越美術からは、草間彌生といった世界的アーティストから、もの派といった戦後美術、昨今ムーブメントとなっている写実画まで取り扱っている。深淵なる日本美術の世界を垣間見ることができるだろう。

 

 

 

百貨店でもっと気軽にアートを。三越美術から読者へのメッセージ

 

 

 


展示会場風景

 

 

 


『うさぎガールと黒縁眼鏡』シリーズ Light from the Top/Okuboji/July 12:09:46 所幸則 縦29.6×横44.7cm コットンペーパー

 

 

 

当展覧会を担当する、日本橋三越本店の木村将人氏は以下のように語ってくれた。

 

「時代を超えて残っていく優れた作品を紹介したい、という我々の熱意を現代アートの分野でも実現していきたいと考えています。

 

日本橋三越は、横山大観や小磯良平など、近代の巨匠とそこから繋がる画壇の作家を得意としてきましたが、現代を生きる我々の心に響くのはやはり同時代のアートです。

 

今回、参加されるギャラリーはどれも一流のプレイヤーで、レベルの高さもさることながら、ギャラリーの独自色も際だっています。

 

 現代アートのエッセンスを体験出来るまたとない機会と自負しております。是非ご来場をお待ちしています」

 

 

 


『峯』小野川直樹 幅30×奥行35×高40cm 紙、ミクストメディア

 

 

 


ex-chamber museumブース

 

 

 

 

最後に

 

 

 

ガールズアートーク読者の百貨店を利用する目的の多くは、化粧品や洋服を購入することかも知れない。今後は、その後、是非美術フロアに訪れて欲しい。また、アートフェアは敷居が高い、作品が集まりすぎて混乱するといった方にも本展はおすすめだ、百貨店らしい、わかりやすい導線配置や、広々とした空間作りなど、細やかな配慮が隅々に感じられる。アートの新たな風が、あなたを待ち受けているはずだ。

 

 

 

【開催概要】
『—凛— 日本橋三越美術市 2018』
期間:開催中〜7月23日(月)
場所:日本橋三越本店新館7階 催物会場
住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1
TEL:03-3241-3311
営業時間:午前10時〜午後7時 ※最終日は午後6時閉場
デジタルカタログ
https://my.ebook5.net/mitsukoshi/artrin180718/
クロストーク「今、欲しいアート」 7月21 日(土)午後4時~
※入場無料、事前予約不要

 

 

 

テキスト 鈴木佳恵
写真 丸山順一郎

 

 

 

 

バナー画像は、
題字:山口英紀



Writer

鈴木 佳恵

鈴木 佳恵 - Yoshie Suzuki -

フリーランスの編集者。
広告代理店に勤務後、フリーランスに。
得意分野は映画と純文学。
タルコフスキーとベルイマンを敬愛し
谷崎潤一郎と駆け落ちすることが夢。

 

暇があれば名画座をハシゴしています。