謎解きをするように、絵とマンガで砂漠を旅する
綾野本汰の不思議な世界
若手アーティストを支援する取り組みを続けているギャラリー「ガーディアン・ガーデン」では、6月5日から、グラフィック「1WALL」でグランプリを受賞した綾野本汰の個展「ラッキーオレンジメモリーズ」が開催されます。
約70点もの新作のイラストと、それぞれのキャラクターやシーンから連想した4コマ漫画には、近未来の砂漠に生きるキャラクターたちの日常が細部まで描かれており、見れば見るほど、背景にあるストーリーや、キャラクターの設定などが見えてきます。
例えば、上の作品の舞台は「かっぱ巻き」屋さんなのですが、店員さんがキュウリ柄の制服だったり、回転するベルトコンベアーには「ズッキーニ巻きできます。」の文字があったり、そもそも、店員さんたちが、ローラースケートで巨大かっぱ巻きを運んでいる?!光GENJIみたい!……など、とにかくツッコミどころ満載で、どんどん綾野本汰ワールドに惹き込まれていきます。
あれ?!かっぱ巻きやさんにいた、赤いカニのキャラクターが、下の作品ではイカダに乗っていますね。
パッと見だと繋がりがないように見える絵でも、同じキャラクターや場所が複数の絵の中に登場していたりするので、「あ、これは○○をしているところだったのか」、「ここは筋トレ部の部室だ」などと、謎解きをするように想像するとどんどん不思議な世界が奥行きを持っていくのがとても面白いです。
例えるならば、デビッド・リンチの映画を見ているような…、パラレルワールドを旅しているような感覚になりました。
オレンジ砂漠での旅は、川を流れていたペットボトルが色々なものに変身するという不思議な設定からから始まります。
2,3日前、私は(ドブ)川に捨てられていた ペットボトルでした。
いつもみたいに、よどみでのんびりしていたところ、
眼の前がピカーっと光って、
うわーなんて言っているうちに、イロイロなものに変身させられ、今、サソリです。
まだ少し混乱しています。けど
せっかくの機会だし、サソリを楽しんでみるつもりです。
2025年 吉日(展覧会チラシより)
綾野本汰ワールドの魅力は、なかなか文章では伝えきれないので、ぜひとも実際に足を運んで、じっくりと見ていただきたい。
さぁ、あなたも不思議な砂漠の旅に出かけてみませんか。
【開催概要】
第17回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展
綾野本汰展「ラッキーオレンジメモリーズ」
会期:2018年6月5日(火)〜22日(金) 時間:11:00-19:00 ※日曜休館、入場無料
場所:ガーディアン・ガーデン
東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1F
URL:http://rcc.recruit.co.jp/gg/?p=33029
【トークイベント】
「サブメモリーズ〜制作報告〜」
日時:2018年6月11日(月)19:10-20:40
場所:ガーディアン・ガーデン
東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1F
URL:事前予約制、お申し込みと詳細はこちら http://rcc.recruit.co.jp/gg/?p=33109
【アーティストプロフィール】
綾野本汰
1985年生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。
2016年 第200回ザ・チョイス入選(窪田新氏選)
2017年 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選
第19回アックスマンガ新人賞準佳作
第17回グラフィック「1_WALL」グランプリ
HBファイルコンペvol.28 仲條正義賞大賞