【映画】しなやかに生きるとは―。今春、心にそっと風がふく。「未来よ こんにちは」
20年後、あなたはどうなっていたいですか?
理想の人と結婚し、子供が産まれ、仕事も順調・・・。
誰しも、充実した何不自由ない人生を望むでしょう。
しかし、人生は、何もかもうまくいくということのほうが難しいのかもしれません。
その時あなたなら―?
今を懸命に生きるすべての女性に見てほしい物語。
【ストーリー】
この物語の主人公は、特別なことはない50代後半の女性、ナタリー。
愛する夫、独立した二人の子供、充実した仕事・・・。
認知症気味の母親の介護をしながらも、平凡な幸せを味わっているはずだった。
ところが、突然の離婚、母親の死、仕事の行き詰まりなどが襲いかかり・・・。
思いがけず、50代にして一人になった。
©2016 CG Cinéma · Arte France Cinéma · DetailFilm · Rhône-Alpes Cinéma
生きていれば経験する大小さまざまな困難。
それでも明日はやってくる。それでも今日を生きていく。
物語の中では明快な説明はありません。
しかし、私たちはわかるでしょう。彼女の涙の訳を。
誰しもが経験する、崩れ落ちるような、つらい経験。
彼女に巻き起こる問題を通して、女性なら大いに共感するはず。
その時、彼女は決して言葉にはしない。ぐっとまっすぐに受け止める。
そしてまた歩き出す、その足取りは少し早い。
それが彼女の未来の受け入れ方なのでしょう。
若干35歳の女優出身、ミア・ハンセン=ラブ監督による最新作。
それはきっと女性にしか描けない等身大のストーリー。
絵画のような自然の風景、センスの光る心地良い音楽。
クスっと笑えるユーモアも。
そしてナタリーを演じるのはフランスのベテラン大女優イザベル・ユペール。
決して気取らず凛と生きていく女性を好演する。
見終えた後、きっと心にそっと風がふく。
ぜひ、劇場でご覧ください。
文:Karin Sato
【情報】
2017年3月25日(土)より、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ 出演:イザベル・ユペール、アンドレ・マルコン、ロマン・コリンカ、エディット・スコブ
2016年/フランス・ドイツ/102分/カラー/1:1.85/5.1
原題:L’AVENIR/英題:Things to come
協力:フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、ユニフランス
配給:クレストインターナショナル
公式サイト:crest-inter.co.jp/mirai/