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春日大社にお詣りにきた気分になれる 国宝や重要文化財が目白押し!のありがた〜い美術展

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2017年2月8日

春日大社にお詣りにきた気分になれる  国宝や重要文化財が目白押し!のありがた〜い美術展


春日大社にお詣りにきた気分になれる

国宝や重要文化財が目白押し!のありがた〜い美術展

 

 

春日大社中門 撮影:桑原英文

 

 

奈良時代のはじめに、国家の平安と国民の繁栄のために建てられたのが、春日大社

です。

約20年に一度「式年造替」という社殿の建て替えや修繕などが行われているのですが

、2016年に60回目の大きな節目を迎え今回の展示が実現したそうです。

なかなかお目にかかることのできない、国宝や重要文化財の数々が見れるチャンス

!今回は春日大社展のみどころをお伝えします。

 

まずは、展示室内に入ると、赤い鳥居のような柱や装飾が目に入り、グッと神社熱

を盛り上げてくれます。

あの権力者藤原家の氏神していたのが春日大社だそうで、そのことから藤原家と縁

のある春日大社に多くの人が詣でたとも言われています。

春日の神様 は鹿に乗って登場!

 

 

 

鹿島立神影図 南北朝~室町時代・14~15世紀 春日大社蔵/展示期間:通期

 

遠くに見えるのは、御蓋山と春日山……。

春日の地を象徴するような景色が描かれているこちらの絵ですが、鹿に乗っている

のは春日の神様、武甕槌命(たけみかづちのみこと)で、常陸の国(現在の茨城県

)から鹿に乗って、御蓋山に降臨したと伝えられています。

ちなみに、春日の神様を乗せた鹿は、現在奈良にいる鹿のご先祖様にあたるそうで

すよ。

こちらが神様が鹿に乗るための鞍!なかなか貴重なもので、期間限定の公開だそう

です。

 

 

神鹿鞍 江戸時代 19世紀 春日大社蔵 展示期間1/17(火)〜2/12(日)

 

 

普段は見ることができない社殿をリアルに再現!

 

 

 

 

春日大社は四棟の本殿があるのですが、普段参拝者は近くでお詣りすることができ

ないそう。

今回は特別に第二殿を超リアルに再現!

中央には、最近まで本当に本殿で使われていた御簾と金具が展示され、その周りの

柱や空間も再現されているので、ついつい手を合わせたくなってしまうほどでした

中央にかかる瑠璃灯籠は実物が近くに展示されているのであわせてチェックしてみ

るとよりイメージが膨らみそうです。

 

 

瑠璃灯籠 昭和50年(1975) 春日大社蔵 展示期間:通期

 

 

豪華な奉納品の数々からは当時の貴族の暮らしが想像出来る

春日大社には、大切な行事の度に多くの神宝が奉納されました。神様は人間ではな

いけれど、きっとお使いになるだろう…と想像の元から、当時の貴族が使っていた

調度類が奉納されていたのだとか。

例えば、第四殿の女性の神様には、化粧箱や鏡などが奉納されていたり、奉納品か

ら当時の貴族の生活を想像してみるのもまた面白そうです。

こちらの画像は、秋草蒔絵手箱という、貴人の美貌を演出した化粧箱です。

 

 

重要文化財 秋草蒔絵手箱 鎌倉時代 14世紀 春日大社蔵 展示期間:1/17(火)〜2/12(日)

 

 

今回1番のレア物!当時最先端のカワイイ国宝

今も大人気の猫モチーフですが、当時も人気があったようです。

猫が雀をとらえる というモチーフは当時中国の宋で流行っていたそうで、その流

行のモチーフを当時最先端の技術で表現したのがこちらの太刀。

 

 

国宝 金地螺細毛抜形太刀 平安時代12世紀 春日大社蔵  展示期間:1/17(火)〜2/19(日)

 

 

とてつもなく貴重なものだそうで、春日大社でもなかなか公開されることはないも

のです。期間限定の公開で、5週間しか展示されない!というので、お見逃し

なく。絵柄がとても細かいので、近くでじっくり鑑賞したいものです。

 

 

国宝 金地螺細毛抜形太刀 平安時代12世紀 春日大社蔵  展示期間:1/17(火)〜2/19(日)

 

 

 

当時の刀剣乱舞?!社殿を擬仏化した曼荼羅

刀を擬人化したことで超絶人気を誇るゲーム「刀剣乱舞」ですが、当時も似たよう

なケースがありました。

神様が宿る春日大社の社殿を、仏様の形に表現したのがこちらの曼荼羅。

 

 

 

重要文化財 春日本迹曼荼羅 鎌倉時代13世紀 奈良·室山寺蔵 展示期間:1/17(火)〜2/12(日)

 

 

春日宮曼荼羅彩絵舎利厨子 室町時代 文明11年(1479)東京国立博物館蔵 展示期間:通年

 

 

鼉太鼓(複製) 昭和51年(1976)春日大社蔵 展示期間:通年

 

 

 

 

 

ミュージアムショップには、オリジナルキャラクターのグッズもたくさんありまし

た!

 

 

 

 

まだまだ国宝級のお宝がたくさんの春日大社展。一つ一つ紹介仕切れないので、こ

のあたりで……。

期間限定公開で国宝の甲冑が4つ揃う超激レアなチャンスもあるというので筆者も

このタイミングでまた見にいきたいなぁと思っています。2/14(火)〜2/19(日)

奈良まで行かずに、春日大社気分を味わえる本展、ぜひお出かけしてみてはいかが

でしょうか。

 

 

 

 

上:国宝 赤糸威大鎧(梅鶯飾) 鎌倉時代・13世紀 春日大社蔵 展示期間:1/17(火)〜2/19(日)

下:国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾) 鎌倉~南北朝時代・13世紀  春日大社蔵 展示期間:2/14(火)~3/12(日)

 

※会期中に展示替えがあります

※写真の無断転用は禁止されています

 

文・写真:新井まる

 

 

<展覧会情報>

特別展「春日大社 千年の至宝」

会期:2017年1月17日(火)~3月12日(日)

会場:東京国立博物館 平成館

所在地:東京都台東区上野公園13−9

拝観時間: 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)

休館日:月曜日

料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生900円 ※中学生以下は無料

電話番号:03-5777- 8600

公式サイトhttp://kasuga2017.jp/

 

 



Writer

【代表】新井 まる

【代表】新井 まる - MARU ARAI -

話したくなるアートマガジン「ARTalk(アートーク)」代表

株式会社maru styling office 代表取締役

 

イラストレーターの両親のもと幼いころからアートに触れ、強い関心を持って育つ。大学時代からバックパッカーで世界約50カ国を巡り、美術館やアートスポットなどにも足を運ぶ旅好き。新卒採用で広告代理店に就職し3年間勤務の後、アパレルEC部門の販促に約1年間携わる。人の心が豊かになることがしたいという想いから、独立。2013年にアートをカジュアルに楽しめるwebマガジン「girls Artalk」を立ち上げる。現在は「ARTalk(アートーク)」と改名し、ジェンダーニュートラルなメディアとして運営中。メディア運営に加え、アートを切り口にした企画・PR、コンサルティングなどを通じて、豊かな社会をめざして活動中。

好きなものは、自然と餃子と音楽と旅。

 

●Instagram: @marumaruc   

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