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14日まで!現代アートの見方がかわる?!若手7人による現代アートの競演!

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2016年11月12日

14日まで!現代アートの見方がかわる?!若手7人による現代アートの競演!


14日まで!現代アートの見方がかわる?!若手7人による現代アートの競演!

 

会期が残すところあと数日と迫っていますが、是非滑り込んでいただきたい!と思い、埼玉県立近代美術館で開催中の『NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体』をご紹介します!

展覧会タイトルにもなっている『NEW VISION SAITAMA』とは、現在活躍中の埼玉県にゆかりのあるアーティストに焦点をあて、今日のアート事情をリサーチすることを目的に継続してきた企画です。

今回の開催で5回目となります。

アートって結局なんなんだ?と普段からよくわからないと感じている方も、アートが大好きだ!とアートに深い関心をお持ちになっている方まで、幅広いジャンルの現代アートに触れられる面白い展覧会です!

本展の参加アーティストは1980年代生まれの感性豊かな若いアーティスト7名。

様々な手法の現代アートを通して、多様化する現代アートに迫っています。

会場に入ってすぐ、見えてくるのは
小左誠一郎さんの絵画たち。

 

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小左誠一郎《無題》2016年

 

普段密接に関わっている生活のなかでよく見る単純な形の図形や線が、多種多様なタッチと色で描かれ、柔らかく見えたり、鋭く見えたり、様々な表情を見せてくれます。

特に五芒星が連続する作品は大きさの迫力もさることながら、そのタッチや色によってかわいくもかっこよくも見えます。

単純なものに表情をつけるという実験的な部分も感じられますが、決して機械的ではなく観ていてあたたかく包まれ、奥深く感じられます。

(残念ながらこちらの作品は撮影ができないのでぜひ会場でご確認ください!)

次の展示室に向かうと鈴木のぞみさんによるガラス戸を用いた写真がずらりと並びます。

 

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ネガフィルムが並んだかのようなその全体の佇まいに目を奪われるのですが、よくよく見るとガラス戸に映された写真が水墨画のように見え息を飲みます。

 

窓ガラスに風景を焼き付けているこれらの作品は、ガラス越しに写真に収められた実際の風景を見ているような気持ちさせられます。

 

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鈴木のぞみ《窓の記憶:関井邸2階東の小窓》2012年 Courtesy of rin art association

 

そしてぶら下がったガラス戸の不安定さがガラスの向こうにで揺れる木々や、音までも視覚的に見せてくれているような気持ちになります。
彼女の作品は影までも美しく、窓から見える風景だけでなく空気や太陽、温度といったものまで作り上げられているようです。

そして細い廊下から始まる高橋大輔さんの作品たち。
実は以前、たまたま入ったギャラリーで彼の作品を見たことがあるのです!

彼の描く絵画の鮮やかな色彩と、幾重にも重なった今にも飛び出してきそうな絵の具(いや実際すでに結構キャンバスから飛び出しているんですが!)の迫力に当時感激し、名前を覚えていて、今回の展覧会に来る前から彼の作品が見れることを楽しみにしていました!

前回伺った際は数も少なく小さい作品が多かったのですが、
今回はなんと!
一部屋にびっしりと、小さいものから大きいものまで作品が並びます。
絵画といっても、平面表現では済まされない彼の絵画は、厚みがあり、影があり、それらも含めて一つの作品になっています。

 

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高橋大輔《無題(ケヴクサ)》2014-15年 Courtesy of HARMAS GALLERY 撮影:椎木静寧

 

色彩が豊かでみているだけでとてもワクワクさせてくれます。ぜひ皆さんのお気に入りを探してみてください。

そして二藤建人さんの彫刻・映像・インスタレーション。

 

 

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二藤建人《私の愛は私の重さである 森の家族》2015年

 

 

彼が手がける作品制作のジャンルの広さ、取り上げる題材の深さや作品を見たときの気づき、問いかけの重みにも驚かされます。

中でも今回特記したいのは、インスタレーションです。

こちらは宙づりの部屋で爆弾と添い寝するというもの。

 

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実際に触れて、体験するこの作品は異常なまでにドキドキさせられます。

真っ暗な部屋で最初は恐怖しか感じません。
そのうち、少し空間に慣れ始めると、「ここはどこなんだろう」「自分は今どういう状況にいるんだろう」と様々な疑問が浮かんでは消え、添い寝している爆弾の振動がさらに自分の鼓動を早くさせていることに気づきます。
そしてそのうちなんだか爆弾の振動が唯一の安心できるもののような気もしてきたり…。

五感をフルに使って対峙した作品でした。
まさに迫り出す身体!
ぜひ実際に体験してみてください。

 

そして続くのは中園孔二さんの絵画。
中園さんの絵画で驚かされたのはこの作品。

 

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中園孔二《無題》2012年(個人蔵)© Koji Nakazono, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 

あえてクレヨンでキャンパス地が見えるように余白を残し、緻密に描かれているのが目新しく、美しい!

 

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でもふと気づきます。

あれ?もう一つ絵が見える・・・?

よく見ようとしてさらに絵からはなれます。

後ろに絵が重なっているではありませんか!
すごいすごい!とよろこびながら再度絵を眺めます。

しかししばらくすると、
あれ??まだ絵がある??

そうなんです。

よく見ると何層にも絵が重なって一つの美しい色鮮やかな作品になっているのです。見れば見るほど面白い発見があり、その緻密な計算と遂行力に唖然としてしまいます。

また彼の作品の多くは無題であり、それがさらに絵を見た瞬間想像をかき立てられます。

あなたはいくつ見つけられますか?
どんなタイトルをあなたなら付けようと思いますか?

そんなことを考えながら見ても楽しいかもしれません!

そしてひときわ存在感を表していたのが小畑多丘さんの彫刻です。

ブレイクダンスの動きからくるという少し不思議なポーズ。

この2体が向き合っている長い空間もとってもイイ!

 

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近未来を彷彿とさせる衣装を着て向かい合うように男女の彫刻が立っています。
ロボットのようだけど、今にも動き出しそうなやわらかいポーズと温かみのある木の素材が不思議な気持ちにさせてくれます。

 

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小畑多丘《B-BOY Down jacket NANAME》2016年 installation view: PKCZ Gallery Store

 

ストリートカルチャーを通ってきた小畑さんだからこそ、こんなにファッショナブルでクールな彫刻を発信できるのでしょう!

洋服やアイウェアまでカッコイイ!と思わせてくれます。
頭の先から背中、足先までじっくり見てほしいと思います。

あまりにもクールでかっこよかったので思わず横でポーズのまねを(笑)

 

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そして最後に青木真莉子さんの映像・インスタレーション。

2階にあがってまず目に飛び込んでくるのはこちらの写真。

 

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逆さに人が写りこんでいて、愉快に見える後ろ姿に、何か別の表情があるのでは・・・!と感じさせます。
吹き抜けのホールをぐるっと取り囲むようにして、青木さんの独特な造形物がならびます。
すこしポップに展示されているものの、どこかグロテスク。
生と死、恐怖と喜びというものが入り交じったかのような作品に目が奪われます。
映像は壁三面に大々的に映し出され大迫力!
相反する感情が入り交じり、意思とは反対に心が奪われてしまう。
そんな大なり小なり皆が経験するその曖昧な感情や感覚が、彼女の作品によって引き出されていくような感覚でした。

今回の展示を通して「表現手法×世の中に伝えたいこと」の幅の広さに驚き、アートの可能性を改めて感じました。

また訪れた人たちが作品を通して、それぞれの意見を持ち、新しい発見がきっとある展覧会だと思いました。普段の生活がアートにつながっていたり、アートが生活の一部になっているかもしれないと考えてみたり、自分自身の考えや価値観とも向き合える面白い展示です。
これからますます世界で注目を浴びそうな7人が作り出す「迫り出す身体」展。

 

展覧会期間もあと少し。ぜひみなさまもその世界観を堪能してみてください!

 

 

文・写真:畠山愛弓 

 

会期 2016 917日(土)~1114日(月・県民の日)

休館日・月曜日(919日、1010日、1114日は開館)

開館時間 10:0017:30(展示室への入場は17:00 まで)

観覧料 一般1100円(880円)、大高生880 円(710円)

*( )内は団体20 名以上の料金。中学生以下、障害者手帳をご提示の方(付き添い1

を含む)は無料。併せてMOMAS コレクション(1F 展示室)も観覧可能。

 

会場・交通案内

埼玉県立近代美術館

330-0061 さいたま市浦和区常盤9-30-1 電話048-824-0111

http://www.pref.spec.ed.jp/momas/