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誰もが知る“天才”の新たな一面!ミケランジェロ展~ルネサンス建築の至宝~

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2016年7月7日

誰もが知る“天才”の新たな一面!ミケランジェロ展~ルネサンス建築の至宝~


誰もが知る“天才”の新たな一面!ミケランジェロ展~ルネサンス建築の至宝~

 

イタリア・ルネサンスの巨匠ミケランジェロ・ブオナローティ氏(1475‐1564)は、とても有名なため、日本で幾度と

なく展覧会が開催されてきました。

そして今回、それらとは一味違う、日本初となるミケランジェロ氏の建築的偉業を本格的に紹介する展覧会が行われ

ていると聞いて、パナソニック 汐留ミュージアムへ取材に行ってきました!

 

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彫刻、絵画、建築という視覚芸術の3領域において、彼がみせた卓越した人体表現と深い精神性から、人々は彼を

「神のごときミケランジェロ」と称えました。

「ダヴィデ像」に代表されるような彫刻、そしてヴァチカン宮殿の「システィーナ礼拝堂」に描いた史上最大の天

井画、そして「最後の審判」・・・

 

まさに超人技といえる彼の作品たち。

 

※以下の画像は美術館の許可を得て撮影しています。※

 

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しかし、それらの裏にはその時代の権力者に振り回された葛藤が満ちていました。

そんな彼の人生を紹介した映像が本会場の入り口では上映されています。

是非ご覧になってから展覧会に足を踏み入れてください。

 

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会場では”彫刻家”や”画家”としての偉業にも触れていますが、今回のメインテーマはなんといっても”建築家”としての

ミケランジェロ氏!

 

活躍の舞台となったフィレンツェとローマには、彼が手がけた建築が今も都市の景観を形作っています。

同時代の人々を驚かせた新しい表現形式や空間の取り扱いは、今でも人々を魅了し、彼に触れないガイドブックは無

いと言っても過言ではないはず。

 

様々な資料を用いて”建築家としてのミケランジェロ”の全貌に迫っています。

 

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建築の展覧会では、建物自体を持ってくることは不可能なため、展示方法にも工夫が必要です。

本展では模型や写真、映像に加えて多くの平面図と立面図といった図面を用いて解説しています。

 

私は建築に関わる仕事をしているため図面を毎日目にしていますが、彼の平面図はそれ自体がとてもお洒落なテキス

タイルのようで思わず見とれてしまいました。

美しいカーブで描かれたまるで花柄の様な平面図等、それ自体が”アート”として完成しています。

 

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さらには東京会場だけの特別コーナーでは、日本を代表する丹下健三氏や磯崎新氏といった建築家たちが、この

巨匠に対する畏敬の念を自らの作品に、どのように取り入れているかという資料も展示されています。

400年以上に渡ってミケランジェロ氏が建築家たちの師であり続けることの素晴らしさを改めて感じました。

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また建築以外では、子孫に受け継がれたミケランジェロ氏の邸宅、「カーサ・ブオナローティ」所蔵作品を中心に、

本人による真筆の素描および書簡約35点を含めた作品およそ70点を展観しています。

その内、30点を超える素描と 2点の手紙は日本初公開なのでこちらも見逃せません!

 

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実は死の直前に大量の素描を焼き、その模索や製作過程にヴェールをかけようとしたというエピソードもあり、

これらの資料を現在目にすることができることはとても幸せなことなのです。

本展入ってすぐの「ミケランジェロの肖像」を始め、17世紀にフィレンツェの職人によって作られた額縁を使

っているなど、細部にもこだわっているのでぜひ余すことなく当時の世界を堪能してください!

 

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「天才なる者を信じない人、天才とはどのようなものかを知らない人は、ミケランジェロを見るがいい。」本展の

チケットにも記載されているロマン・ロランが著書に書いたこの言葉を聞いたことがある方も多いのではないで

しょうか。

 

是非人々が”神”や”天才”と称え続ける彼の新たな一面を知りに会場に行ってみてください!

 

文 : 山口 智子  写真 : 丸山 淳一郎 ・山口 智子

 

【情報】

ミケランジェロ展~ルネサンス建築の至宝~

開館期間:2016年6月25日(土)~8月28日(日)

開館時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)

休館日:毎週水曜日 

夏期休館:8月12日~8月18日

入館料
一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料

20名以上の団体:各100円割引

障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能。

 



Writer

山口 智子

山口 智子 - Tomoko Yamaguchi -

皆さんは毎日、”わくわく”していますか?

幼いころから書道・生け花を始めとする伝統文化を学び、高校では美術を専攻。時間が許す限り様々な”アート”に触れてきました。

そして気づいたのは、”モノ”をつくることも大好きだけれど、それ以上に”好きなモノを伝える”ことにやりがいを感じるということ。

現在、外資系IT企業に勤めながらもアートとの接点は持ち続けたいと考えています。

仕事も趣味も“わくわくすること”全てに突き動かされて走り続けています。

instagram: https://www.instagram.com/yamatomo824/
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だから私はアートが好き。