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70年代 ニッポンの音楽とポップカルチャーに触れてみよう!@赤レンガ倉庫

NEWS

2015年8月27日

70年代 ニッポンの音楽とポップカルチャーに触れてみよう!@赤レンガ倉庫


『ひこうき雲』はみなさんご存知でしょうか?

数年前、ジブリの長編アニメーション作品『風立ちぬ』の主題歌に起用されました。

今から42年前…1973年松任谷由美 (旧姓:荒井由美)さんがリリースしたアルバムです。

 

…73年…と聞いても、あまり馴染みのない読者のほうが多数を占めてしまいそうですが(笑)

しかし、70年代を中心に生まれた独自の音楽や文化は、今を生きる私たちの原点といっても過言ではありません。

 

そんな“70年代”を知ることができる展覧会が、現在 横浜・赤レンガ倉庫開催中です!

 

ポスター、レコードジャケット、チケット、雑誌、貴重な資料、入手困難なグッズなどの「現物」に触れながら、
時間を超えて大きな足跡を残した音楽アートワークから、まるでその時代を生きているかのような追体験ができます。

 

それでは、70年代へタイムスリップしてみましょう!

 

まず、一番に目に止まったのは『YMO』のスペシャルコーナーです。

 

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1978年に結成された音楽グループ『YMO (Yellow Magic Orchestra) 』

シンセサイザーコンピューター用いる音楽スタイルを打ち出しました。

 

メンバーには、エイプリル・フール、はっぴぃえんど、ティン・パン・アレーを経て、

YMOのリーダ・プロデューサーでもあり、自身もベースを演奏している細野晴臣さんをはじめ…

サディスティック・ミカ・バンド、サディスティックを経て、参加した高橋幸宏さん。

ファッションデザインの技能を生かして衣装などのデザインも手がけています。

当時、ドラムを叩きながら自らヴォーカルを担当する異色スタイルは話題を呼びました。

そして、スタジオミュージシャンとして、大瀧詠一さんや山下達郎さんのアルバムに参加し、

レコーディングの際には楽曲を構築する重要な役割だけでなく、

ライブでもアレンジを一手に引き受けた坂本龍一さんの3人からなります。

 

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1979年のYMOワールドツアーで使用された楽器だけでなく、
ポスター、チケット、レアアイテムなどがご覧いただけます。

YMOの存在感を「現物」を通して体感できるブースになっています。

 

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YMOだけではありませんっ!!!

70年代に活躍していたアーティストレコードジャケットもあります。

井上陽水さん、矢沢永吉さん、よしだたくろうさんなど、今でも活躍なさっているアーティストだけでなく、

色んなアーティストにカバーされていることで知られる太田裕美さんの『木綿のハンカチーフ』

そして、冒頭でも『ひこうき雲』で取り上げた松任谷由美 (旧姓:荒井由美)さんなど…

レコードジャケットからアーティストの歴史が分かりました。

 

そして、数々のレコードジャケットに導かれた先には、現物のジュークボックスがありました!

ぽちぽとと指でボタンを押して楽曲をかけてみると、スピーカーから出る音質の素晴らしさに驚きました。

一緒に展覧会を訪れたライターのたなおさんが…

昔は、一曲の楽曲を聴くためにお金を支払っていたんですね。」という言葉に、

“70年代””現在”が持つ「音楽の価値」の違いに気づかされました。

 

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YMOやレコードジャケットなどの展示から音楽の歴史を目の当たりにした私たちは、

その時代背景にはどんな文化が息づいていたのかが気になり次のコーナーに移動しました。

黒電話、扇風機、カメラ、タイプライターなどの数々の日用品が生まれる一方で、

ファッションヒッピー文化と相まって日常を鮮やかに彩っていったのだとわかります。

ですが、その背景には戦後の立て直しを図りながら高度成長期を迎える日本がありました。

 

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こちらのコーナでは当時の横浜にスポットを当てた展示もありました。

元町にあるファッションブランドコラボレーションをしたリカちゃん人形

70年代、米兵と軍属が暮らした本牧地区は、返還までの間『リトルアメリカ』と呼ばれ、

ジャズや各ショーが上演されたクラブやバー、カタカナと英語表記が並ぶ看板の写真から、

欧米からの輸入文化が少しづつ浸透してきたのだと展示写真から見受けられました。

 

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やはり、この展覧会のメインとなるは音楽とアートワークです。

『豊かな時代』と表される一方で、ベトナム戦争70年安保闘争、オイルショックといった社会情勢。

1969年には『カウンターカルチャー』と呼ばれるロック/フォーク・ムーブメントの渦が

若者たちを巻き込んでいきました。

そんな中、革命的なアーティストたちが日本の音楽シーンに新たな風を吹き込みます。

一線を画した歌詞、メロディー、サウンドアレンジだけでなく、斬新なアイディアテクノロジーの進化と重なり合う音楽は、現在のシーンへとつながる『ポップカルチャー』重要的ポジションを築いていきます。

 

ここからは撮影禁止のゾーンなので文章で説明させていただきますが…

1970年代欧米からの輸入文化であるロック日本に定着した時代でもあります。

そんな革命的な表現者たちが生きた写真作品が展示していました。

 

メンズ・ファッションブランド『JAZZ』の広告やデヴィット・ボウイのポートレートを手がけ、

未来の扉を切り開いた鋤田正義さんの写真からは、被写体から立ち上がる「ロックスター」の輝きだけでなく、

カウンターカルチャー界住人特有の”鋭さ”が写し出されています。

 

井出情児さんの写真からは最も「アングラ」を色濃く体現しているように感じました。

 

迫水正一さんは、「自由なステージ」を撮影することにかけているといことから、

会場の雰囲気をまるごととらえたような写真からは圧倒的な力量を発揮しています。

 

音楽が生まれる現場を自分の目で確かめたいという意思を抱えた桑本正士さんの写真からは、

70年代独特の空気の中でミュージシャンたちが交差した瞬間的確に記録されていました。

 

はっぴぃえんど大瀧詠一さんや忌野清志郎さん、サディスティック・ミカ・バンドミカさん。

モノクロ写真から伝わってくる存在感に圧倒されながら、故人を偲びながら一枚ずつ向き合いました。

 

70年代以降の音楽シーンを変革した成功者のひとりである大瀧詠一さんの特設コーナも設けられていました。

ご本人の衣服だけでなくジュークボックス、ナイアガラ・レコードのジャケットに収められた肖像

その全てから当時の大瀧詠一さんの佇まいを感じることができます

 

そして、1967~1968年、1969年。新しい時代の胎動を予感させました!

ジミ・ヘンドリックスビートルズ、ローリング・ストーンズの楽曲がヒットする中、

日本では宇多田ヒカルのお母さんにあたる藤圭子さんの『新宿の女』など、

憂鬱な空白感や敗北感、孤独や哀しみが漂う、暗い歌が流行しました。

 

1970~1979年、1980年。

アンダーグラウンドのフォーク、ロックが脚光を浴びはじめます。

そんな中、フォーク、ロックを日本語で歌う是非について論争がおきました。

自分たちの表現として消化していくための一つの通過点とも言えます。

その後、メジャーレコード会社フォーク、ロックに力を入れはじめ、

レコード表現の主体がシングルからアルバムに移行していきます。

フォーク、ロックのアーティストが歌謡曲に影響を与えはじめ、

都会のライフスタイルが音楽テーマの主流となっていきます。

その後、全国各地にFMラジオ曲が開局していくなか、

地方都市からの新しいミュージシャンが登場していきました。

ロックシーンからメジャーヒットが生まれ、ポップミュージックの第二世代が登場

メディアミックスされてCMとのタイアップでヒット曲が量産され、

そして、ウォークマンカーステレオの普及により音楽が部屋から飛び出していきます。

さぁ!時間旅行を楽しんでいただけましたでしょうか?

70年代を知っている人からしたら「懐かしの過去へ」知らない人からしたら「未知なる過去へ」

 

今回の展覧会では70年代を追体験できるだけでなく、「現物」に触れられる音楽とアートワークから、

私たちが普段触れている『ポップカルチャー』の重要的ポジションとして根付いてることがわかりました。

 

ショップでは展示とコラボレーションし、

松任谷由実さんと岡村靖幸さんとの対談インタビューなどが掲載されている「SWITCH」誌だけでなく、

レーベルの垣根を越えて数々の名曲をおさめたコンピレーションアルバム会場限定で発売されています。

 

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この夏、あなたも赤レンガ倉庫で時間旅行を楽しんでみてください。

 

【情報】

70’s バイブレーション YOKOHAMA

会期:2015年8月1日(土)~9月13日(日)

会場:赤レンガ倉庫1号館 2階スペース

時間:月~木・日 10:00~19:30

        金・土 10:00~20:30

   ※最終入館時間は閉館の30分前まで。

チケット:【一般】前売り1000円/当日 1200円

     【高校・大学】前売り 500円/当日 700円

     ※中学生以下無料。

 

【関連イベント】

◎中村のん × ザ・スクーターズ ターバン“チャダ”jr
 写真集 [70’ HARAJYUKU]発売記念
 『私のデビッド・ボウイー、僕のよしだたくろう』

会場:赤レンガ倉庫1号館 1F「パイドパイパー・カフェ」
料金:2,000円(ドリンク別、税込)全席自由
   ※70’sバイブレーション!YOKAHAMA2階展示スペース入場券付
   ※70’s バイブレーション!ALLDAYS FREEPASSをお持ちの方は1,000円返金致します。
    入場の際にご提示ください。
   ※お申し込み多数の場合は抽選にて当選者を決定します。(先着順ではありません)
   ※チケット購入時に以下金額が必要となります。
   ・決済手数料 216円/件・発券手数料 108円/枚・システム利用料 216円/枚

企画/制作/お問い合わせ:70’sバイブレーション横浜実行委員会 e-mail.70s@momm.jp

チケット:チケットぴあ専用サイト

受付期間:8/14(金)12:00〜8/19(水)12:00

 

◎〜時間旅行へようこそ!〜
 青春フェイバリットソングズ

森山良子/大貫子/清水ミチコ/高野寛(Gtr,cho)/高野漣(Gtr,cho)

8/30(日)@KAAT神奈川

開場:17:30 / 開演:18:00

料金:7000円 全席指定
お問合せ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
チケットイープラス
    チケットぴあ
 0570-02-9999 (P:270-865)
    ローソンチケット 0570-084-003 (L:78104)
※横浜赤レンガ倉庫にて開催されている「70’sバイブレーション!YOKOHAMA」に、本券提示いただけますと、¥500にてご入場いただけます。
ただし、公演当日(8月30日)、本券1枚につきお1人様限りになります。

 

〜横浜でダージリン・スペシャル〜

日時:9月13日(日)
開場: 16:30 開演: 17:00
料金:6,000円(全席指定)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場
出演:ダージリン(Dr.kyOn/佐橋佳幸)with 渡辺等(Ba)/上原裕(Drs)/駒沢裕城(P.steel)
ゲストアーティスト(五十音順):尾崎亜美/金子マリ/鈴木慶一/曽我部恵一
※2・3F最前列は立見不可
※年齢制限 未就学児童の入場不可・小学生以上チケット必要
お問合せ:SOGO TOKYO 03-3405-9999 http://www.sogotokyo.com/

■発売初日
SOGO TOKYO オンラインチケット
チケットぴあ[特別電話]0570-02-9568
ローソンチケット [特別電話]0570-084-795
イープラス
チケットかながわ

■翌日以降
SOGO TOKYO オンラインチケット
チケットぴあ 0570-02-9999 [Pコード:269-911]
ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード:77820]
イープラス
チケットかながわ
※横浜赤レンガ倉庫にて開催されている「70’sバイブレーション!YOKOHAMA」に、本券提示いただけますと、
¥500にてご入場いただけます。ただし、公演当日(8月30日)、本券1枚につきお1人様限りになります。

 

文 / 新 麻記子   写真 / たなお