◎和紙の部屋 / 竹之内 直記
とっても格好良いモダンテイストのダブルルーム。
藤川さん曰く、竹之内さんが17日間という短期間で製作されたお部屋なんだとか…?!!
手で描かれたという風神・雷神をイメージした壁画には小さな仏様たちがちりばめられています。
その数は煩悩と一緒という遊び心が含まれています(笑)
クッションやベットスローまでも作風に合わせて特注したらしいです。
和紙を使用したこちらの客室は伝統の新しい可能性を垣間見れた気がしました。
◎鯉 / 内藤 瑶子
こちらは縁起の良い魚として古来から尊ばれている「鯉」をモチーフにして描かれた客室です。
油絵の具やアクリル絵の具だけではなく、墨や和紙によるコラージュ、
その手法などを凝らした様々な表現方法で、躍動感に溢れる鯉を描いています。
また、鯉が描かれていない入り口や窓側は、古来より生命力を表すことから神の色として神社仏閣などで用いられる、
弁柄(べんがら)といわれる「朱色」で塗られています。
そうそうッ! 皆さんに朗報ですッ!
ここは美術館ではなくホテルなので直接作品に触れることができます!
油絵の具の凹凸やコラージュの和紙の触感など触れる楽しみを味わってみてください!
◎祭り / 石原 七生
とても賑やかな世界が広がるこちらの客室は、終わらない「祭り」をテーマにしています。
日本古来の縁起物として用いられる動物だけでなく、セーラー服を着ている表情豊かな女子高生が、
天井から壁まで所狭しと描かれています。
1カ月半という製作期間の早さに驚きました。
また、通気孔を生かした獅子舞などには石原さんのおちゃめな遊び心が見えます。
宿泊するのには少し賑やかすぎるのでは?!という疑問に対して、
藤川さんが実際に泊まった体験談を語ってくださいました。
藤川さん:ホテルには"癒し"という側面があるので、僕も心配になったんです…
ですが、実際泊まってみると不思議と目が慣れくるのか、全然気にならなくなるんですよ。
とのことなので…心配御無用!!
確かめるためにも、宿泊してみるのもいいかもしれませんね。
◎城 / 水口 和紀
今回、特別に製作途中のお部屋にお邪魔することができました!
どうしてテーマに「城」を選んだのかを本人にお尋ねしたところ…
水口さん:こちらの窓から皇居が見えるんですが、その奥の方角にはかつて江戸城が建っていました。
自分が城を描くことによって、日本の歴史に思いを馳せてほしい…
そして、夜になると自分の描いた城が窓ガラスに写るんです!
つまり、そこにあったかつての江戸城…昔の風景が甦るんです!
キラキラした瞳を輝かせながら素敵なお話をしてくれた水口さん。
その他にも完成をイメージしたお部屋の模型、お城や石垣の参考資料、
お城のドローイングなどを見せていただきました。
最後に、お部屋を訪れた記念に水口さんとツーショット!
完成が楽しみです♡
今回、直接足を踏み入れたのは上記の客室だけでしたが…
その他にも客室を水槽に見立て、壁や天井を500匹以上の金魚が漂う、成田朱希さんによる「芸者金魚」や、
微笑みを浮かべる大きなおたふくの顔が特徴的な、近藤亜樹さんによる「おたふく」。
木村浩之さんによる「相撲」や右田啓子さんが手がけた「銭湯」など…
部屋に描かれたアートから様々な日本文化に触れられます。
成田朱希「芸者金魚」
近藤亜樹「おたふく」
木村浩之「相撲」
また、25階の喫煙室にも林晃久(=マロンちゃん)による可愛くもありながらも、
少し毒っ気がちりばめられた日本の風景が描かれています。
こちらに置いてある灰皿のイラストも本人が手がけられました。
31階フロアの壁やロビーを見下ろせる窓では、『YOKAI TOUR 2』の展覧会と連動させ、
馬籠伸郎さんが描いた様々な妖怪が迎えてくれます。
『Artist in Hotel』の企画を立てているPARK HOTEL TOKYO。
客室を描いてくれるアーティストの公募も行っており、
製作期間中の滞在や食事の一部はホテル側が負担してくれるという…
それは、アーティストにとって大変心強い取り組みといえるのではないでしょうか。
これからも客室から新しい日本を届けてくれるPARK HOTEL TOKYOのお・も・て・な・しに期待したいと思います。
【情報】
『Artist in Hotel』/ PARK HOTEL TOKYO
ホームページ:http://www.parkhoteltokyo.com/artcolours/aih.html
予約・宿泊に関する問い合わせ:03-6252-1100
文 / 新麻記子 写真 / 洲本マサミ