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誰だって、好きな映画の1本、2本はきっとあるはず…
そんな、あなたにとって映画作品を思い浮かべてみましょう。
テレビが一般家庭に普及するまでのあいだ…
映画は「世界で起こっている出来事」を世間に広く知らせるための報道媒体であり、
映像や音楽といったエンターテイメントを魅せる庶民にとっての数少ない娯楽でもありました。
しかし、映像技術が格段に進歩し、テレビが報道媒体や娯楽の両質を満たした現在でも尚、
私たちが映画館に足を運ぶのはどうしてなのでしょうか?
迫力ある大画面のスクリーンや、リアルなサラウンド音響が、
劇場内に1つの世界を作り出し、観客を作品の中へと引き込みます。
そして映画は、作品を通して喜怒哀楽だけでなく、様々な疑似体験をさせてくれます。
鑑賞した私たちは映画の影響を少なからず受けています。
それが、映画の力です。
今回の展示では東宝映画作品の裏側…その製作過程を体感できることで、
映画という文化への理解を深められると同時に、
その秘められた力を解き明かせる内容となっています。
1954年に公開された…
怪獣映画の金字塔であり、新作が2016年に全国公開されることが明らかになった『ゴジラ』。
昨年のハリウッド版『GODZILLA』も記憶に新しいですね。
『ジュラシック・パーク』など、数々のヒット作を手がけているスティーヴン・スピルバーグや、
『スター・ウォーズ』のジョージ・ルーカスなど、各国の映画人から支持され続けている、
「世界のクロサワ」の代名詞でお馴染み! 黒澤明監督が手がけた『七人の侍』。
これらの代表作をはじめとした様々な作品の裏側に迫ります。
ポスター、スチール写真、記録映像などの資料はもちろん、
監督の絵コンテ、セット美術のデザイン画、衣装のデザイン画、映画音楽の楽譜…
様々な映画を形作るものたち。その展示数の多さや豊富な情報量に驚きが隠せません!
当日はレセプションのため様々な関係者がいらっしゃいました。
その中で、祝辞の挨拶を述べるため壇上に立たれた恩地日出夫監督が、
「現場の人たちに可愛がられたり…イジメられたり…意地悪されたり…
1200人 ( 当時、東宝に所属していた人たち ) が先生だったよ。」と、
遠い過去に思いを馳せて仰られていたことが印象的でした。
その言葉の通り…
作品には出演している俳優や女優だけでなく、
監督をはじめたくさんの製作人たちの人生が行き交ってます。
映画作品から登場人物の人生を汲み取るように、
展示物からも製作人たちの歩みを辿って疑似体験してみましょう。
映画の観方がまた変わるかもしれません。
【情報】
『東宝スタジオ展 映画=創造の現場』
会期:2015年2月21日(土)~4月19日(日)
場所:世田谷美術館
〒157-0075 東京都世田谷砧公園1-2
休館日:毎週月曜日
開館時間:午前10時~午後6時 (入場は午後5時30分まで)
会場:世田谷美術館 1階展示室
観覧料:一般1,000(800)円、65歳以上800(600)円、大高生800(600)円、中小生500(300)円
※()内は20名以上の団体料金。
連絡先:TEL 03-3415-6011 (代表) ハローダイヤル TEL 03-5777-8600
【関連企画】
◆記念講演会
タイトル:「史料からみる砧撮影所―音画芸術の殿堂―」 講師:冨田美香(立命館大学教授/映画史)
日時:2015 年 2 月 28 日(土)/午後 2 時~3 時 30 分(開場:午後 1 時 30 分) 会場:世田谷美術館 講堂
定員:先着 150 名(午前 10 時よりエントランス・ホールにて整理券配布) 聴講料など:無料/手話通訳付
◆映画講座―創造の現場を語る(各講演会共通)
会場/定員: 世田谷美術館 講堂/定員:先着 150 名(午前 10 時よりエントランス・ホールにて整理券配布) 時間/聴講料など: 午後 2 時~3 時 30 分(開場:午後 1 時 30 分)/無料、手話通訳付
★「1特撮美術篇」講師:三池敏夫(特撮美術監督)×島倉二千六(背景師) 開催日:2015 年 3 月 7 日(土)
★「2映画監督」
講師:小谷承靖(映画監督)
開催日:2015 年 3 月 8 日(日)
★「3映画美術」講師:竹中和雄(映画美術監督)×聞き手:竹内悦子(映画美術監督) 開催日:2015 年 3 月 14 日(土)
◆「成城映画散歩」-成城界隈のロケ地を訪ねる 内容:成城界隈を中心として、さまざまな東宝映画のロケ地をめぐります(スタジオ内の見学はありません)。 講師:高田雅彦(成城大学学生部次長/東宝映画研究家)
日時:4 月 12 日(日)/4 月 16 日(木)/※両日とも内容は同じ
いずれも午後 1 時 30 分東宝スタジオ前集合、午後 4 時小田急線・祖師谷大蔵駅前にて解散(予定)
定員:各回 20 名(応募者多数の場合は抽選)
申込方法:当館ホームページ「プログラム&イベント」参加フォームより(3 月 1 日(日)より申込み開始)3 月 14 日(土)申込〆切。 参加費:無料
◆100 円ワークショップどなたでも、その場で気軽に参加できる工作など 会場:世田谷美術館 地下創作室 日時:会期中の毎土曜日〔ただし3月28日(土)を除く〕 午後1時~3時 参加方法:時間中随時受付 参加費:1 回 100 円
文/新 麻記子 写真/丸山 順一郎