皆さん、新妻聖子さんという人物を知っていますか?
最近では、フジテレビで放送された『2015 FNS歌謡祭』などの歌番組や、
『関ジャニ∞のTheモーツァルト音楽王No.1決定戦』などの番組に出演し、
その類まれなる素晴らしい歌唱力だけでなく、長年ミュージカルで培われてきた表現力を、
私たちのいるお茶の間に届けてくれています。
そんな彼女はミュージカルの名作として知られる『レ・ミゼラブル』に出演する他、
これまで数多くの舞台を経験し、第一線で活躍するミュージカル女優です。
今回、12月9日(水)銀座・山野楽器本店にて新妻聖子の最新アルバム
『SEIKO』の発売を記念したイベントを取材してきました。
客席サイドや会場後方にも迫りくる立ち見客が押せ寄せ、会場全体がパンパンに満員状態になるほどの盛況っぷり!
観客の中には長年にわたり彼女を応援しているファンをはじめとし、
関ジャニ∞のTheモーツァルトのカラオケバトルを見てきた人など、
年齢も世代も様々な人達が彼女の歌声を聴こうと詰めかけてました。
イベントのスタート時刻になり、固唾を呑む観客のボルテージは最高潮!
軽快に開け放たれたドアから登場した新妻聖子さんを盛大な拍手で迎えました。
「皆さん、ありがとうございます〜。 こんばんは。こんばんはですよね?」と、
茶目っ気溢れる挨拶をして、早々に会場を笑いの渦にしました。
「こんな師走の忙しいなかありがとうございます。」と観客に感謝を述べると、
早々にアルバムに収録されている『SWANLAKE』が披露されました。
チャイコフスキーが作曲した三代バレエの一つとして数えられる『白鳥の湖』の有名なメロディーをベースにし、
80年代風の打ち込みサウンドを取り入れてヴォーカルメロディが冴える完全オリジナルメロディーに合わせて
ご本人が作詞された楽曲です。
作中のお姫様と王子様の恋を描くロマンチックな要素は敢えて取り入れずに、
作品の着想にもある”悪魔の呪いをかけられて森から抜け出せない設定”から、
「まずは抜け出せ!」という斬新な切り口から生み出された歌詞で、
困難に立ち向かう誰かの背中を押すような内容になっています。
「前から吹き荒れる風に背中を向けるより、頭から突っ込んだほうが風の抵抗もないし、
いいんじゃないか?!負けるなよ自分!!」という過去の経験や自分への決意を込めて書かれたそうです…
楽曲は歌詞部分と間奏部分で歌声を自在に操って変化を持たせなくてはならない技術が必要で、
ご本人もレコーディング中は分けて録音するので、そのしんどさに気づかなかったと話してくれました(笑)
そこは流石プロ!そんなこと微塵も感じさせないくらい軽快に歌っていましたよ!
続いて、新妻聖子の代名詞としてアルバムにも収録されているミュージカル楽曲から
『レ・ミゼラブル』の代表曲として有名な『I Dreamed A Dream(夢やぶれて)』が披露されました。
『I Dreamed A Dream』が収録選曲された背景には、ご自身が2011年にファンティーヌ役を演じた経緯があります。
情感のこもった歌声に不幸の窮地に立たされたファンティーヌのワンシーンが蘇りました。
魅了された観客の中には、目頭を熱くさせ度々押さえたり、ハンカチで涙を拭う方もいたほど…
新妻さんが持つ表現力だけでなく、一瞬で観客を引き込む力に圧倒されました。
そして、JDLのCMソングとしてOA中の『自由の鳥になれ風になれ』が歌われました。
春夏秋冬を巡る季節をテーマに書かれた歌詞は、新妻さんのお姉さんが手がけたものです。
爽やかな未来を感じさせるPOPSのメロディーに合わせ、一年を通して感じる風景がとてもあたたかく、
大空に羽ばたいていけるような綺麗な歌詞です。
ここで、ミュージカル好きのあなたに朗報!
来年1月にご本人の出演が決まっているミュージカル『DNA-SHARAKU』のお話になりました。
今から30年後である2045年には人工知能が人類の能力を超えるとされ、
スティーヴン・ホーキング博士なども警告を鳴らしています。
本作は人工知能が支配するであろう2116年の未来、その分岐点となるであろうとされる2045年と、
作品の公開年にあたる2016年を現在とし、謎の絵師・東洲斎写楽が活動する1793年にスポットを当て…
4つの時代を舞台として繰り広げられるSFスぺクタクルミュージカルです。
原案は「天地明察」などを著し、「攻殻機動隊ARISE」ではシリーズ構成と脚本を担当した沖方丁さん。
そして、脚本・演出・歌詞は「カルメン」、「ピトレスク」等で、
今注目を浴びている気鋭の演出家・小林香さんが手がけます。
様々な工夫を凝らした演出などもあるみたいなので…今からとっても楽しみ!!!
そして、最後はアルバムに収録されている巨匠フランク・ワイルドホーンさんが来日した際に、
ご本人のピアノ演奏とともにデュオセッションでレコーディングに挑んだ「GOLD」が披露されました。
フランク・ワイルドホーンさんの名作であり、
新妻さん自身も主演したミュージカル「GOLD~カミーユとロダン~」より、
作中の最後に歌われる白眉となる楽曲です。
作品は実際にフランスに実在したカミーユ・クローデルという女性の半生を描いた壮絶なストーリーで、
彼女は、溢れるばかりの才能を持ちながらも、時代が天才女性彫刻家の誕生を許さないうえ、
ロダンに妻としては受け止めてもらえず、家族にも見捨てられて…最後には、一人精神病院で息を引き取ります。
楽曲は一見不幸に見えた彼女が魂として蘇り、ロダンに名前を呼ばれて…
自身が最後に何を話すのか?!というシーンで歌われている名曲です。
ワイルドホーンさんのピアノの音色と相まって、新妻聖子さんの歌唱は息をのむものでした。
そして、ミニライブが終わり握手会に移りました…
このライブを見に来ていたほとんどの方が並ばれて、楽しそうにコミュニケーションをとっていました。
文 / 新麻記子 写真・提供 / 山野楽器
【情報】
新妻聖子
http://www.seikoniizuma.com/?size_adjust=1
【CD情報】
『SEIKO』
¥2,000+税 MHCL33031
2015年11月18日Release
<収録曲>
1. SWANLAKE(作詞:新妻聖子)
2. Nessun Dorma lounge mix
3. GOLD(「GOLD~カミーユとロダン」より)
4. I Dreamed A Dream(「レ・ミゼラブル」より)2015 LIVE録音
5. 自由の鳥になれ風になれ(JDL CM曲)
【出演ミュージカル情報】
『DNA-SHARAKU』
【原案】冲方丁
【演出・脚本・作詞】小林香
【音楽】井上ヨシマサ
【映像】齋藤精一(ライゾマティクス)