interview

「時間」をギュッと閉じ込める。記憶メディアとしての陶芸 美術作家・山本優美さんインタビュー

NEWS

2016年5月23日

「時間」をギュッと閉じ込める。記憶メディアとしての陶芸   美術作家・山本優美さんインタビュー


「時間」をギュッと閉じ込める。記憶メディアとしての陶芸  

美術作家・山本優美さんインタビュー

 

 

DSC_2113_m

DSC_1981_m 

 ©Masami  Yamamoto

 

 

レースのキャミソールにランジェリー……。

何気なく畳まれた衣類に見えるこちらは、なんと陶芸作品です。

 

 

 

金沢在住の美術作家、山本優美さんによるこれらの繊細な作品は、レースの模様や、ニットやシルクなどの素材感

まで、ひとつ、ひとつ、柔らかい粘土の塊から手彫で生み出されます。

衣類は肌に直接身に着ける身近なもので、皺、シミ、色褪せといった変化が絶えずある。それはとても人の記憶や

時間と似ていることから布に強い憧れを持っているのだそう。

 

 

「焼き物という”記憶メディア”に人々の存在の記憶時間を留めることに情熱を注いでいます。」

と語る彼女の真っ直ぐで真摯な姿勢が印象的です。美術作家を志したきっかけ、作品や制作〜日常の好きなあれこれまで。

自宅兼アトリエで実際に制作する様子までたっぷりとお伝えします。

 

 

13149929_10208961286006015_115972215_n 

 

 

 

 

アーティストまでの道のり

”記憶メディア”に現代に生きる私たちの感覚を託すことでアートの世界に提示する

 

ARTalk編集部:

アーティストを志したきっかけを教えてください。

 

山本さん:

私は元々ファインアートをやりたいと思っていました。

10代の頃は工芸とファインアートの違いも分からず、その領域の違いも全く持って意識していませんでした。

そんな中、浪人時代に足を運んだミニマルアートの展覧会に衝撃を受けます。

歴史的な背景を完全に理解していたわけではなかったのですが「どうしてこのようなものが存在しているのか?」、

「どうしてアートとして成り立っているのだろうか?」とてもポジティブな意味で疑問を持ち始めたのです。

その経験から立体作品やインスタレーション作品を制作したいと思ったのがアートを志すきっかけでした。

 

ARTalk編集部:

そこからどのように工芸科に進まれたのでしょうか。

 

山本さん:

立体、空間といえば彫刻科に進む方々が多いと思うんですが、ミクストメディアに興味があったことから様々な素材に

触れたいという想いがあり、工芸科に進めば、金属、粘土、木など様々な素材にも触れられると考えたのです。

 

ARTalk編集部:

絵画という選択肢はなかったのですか。

 

山本さん:

絵画は好きだったのですが、描くとなると自分には向いていないことに薄々気づいていて(笑)。

それより、色々な素材を使って作品づくりをしたいという想いがあったので、工芸科を選んだんです。

 

ARTalk編集部:

そして色んな素材を触るうちに”土”に魅せられたんですね。

 

山本さん:

そうですね。工芸を選択した時には”工芸”と”アート”の考え方の違いを意識していなかったんです。

学ぶにつれて工芸が持っている価値観と自分がやりたいと思っていることのズレを感じてしまったんです。

 

ARTalk編集部:

それはどういったズレだったんですか?

 

山本さん:

工芸は”素材とその技術による表現の探求”ですね。

自分が思い描いているイメージに対応してくれる素材は”焼き物=粘土”だということで選択しました。

当時を振り返ると、最初は単純に色んな形を作れるという可塑性に興味があったんだと思います。

でも、他のメディアと対比した時になぜ陶芸素材を用いて作品を作るかの理由が可塑性だけでは説得力が

弱いということにも気付いてしまう……。

私はミニマルアートに惹かれた経緯から技術や素材による結果としての作品だけではなかく、前提となる

コンセプトに重要性を感じており、同時代の多様なメディアによる表現との交感を目指していました。

 

ARTalk編集部:

コンセプトありきでしたら他のメディアでも表現が可能ですもんね。

 

山本さん:

それが陶芸から離れられなかったんですよね。

その後、ベルギーの大学院のセラミックコースに留学し、ブリュッセルで学生生活を送るなかで陶芸がある種の

”記憶メディア”のようなものなのではないかと気づいたんです。

そして、その”記憶メディア”に現代に生きる私たちの感覚を託すことができれば、焼き物で制作された作品を

アートの世界に提示することが可能だと思いました。

 

 

 

 

手作りの道具と、実験室のようなアトリエ

 

1O1A0693

 

ARTalk編集部:

制作に使用する道具は色々な種類があるんですね。何種類あるのでしょうか。

 

山本さん:

他の作家さんと比べると私は少ないと思いますが、30種類くらいでしょうか。

粘土を削る輪がんなについては市販のものもあるのですが、自分好みのラインや形の微妙な具合を出したいので、

その輪の大きさや針金の細さを調整し作品に合わせて自作しています。

色々な種類を使い分けているので、一つでも欠けると作業が上手くいかないこともあるので欠かせない大切な道具

なんです。

 

ARTalk編集部:

山本さんの作品は、本物と見紛う程の繊細さですよね。例えば、レースの模様だったり、洋服のドレープ感などは

陶芸の窯で焼くというプロセスで崩れてしまうのではと心配になってしまいます。

 

山本さん:

要になるのは水分調整ですね。制作中は乾燥を防ぐために何度も霧吹きで水分を粘土に吹き掛けますが、水分が

蒸発して爪が食い込む程度の硬さがないと仕上げられなかったり、その工程に合わせながら微妙な水分バランスを

常に気をつけて調節しています。

 

ARTalk編集部:

モチーフを横に置いていつも制作されていますが、土の状態と焼いたあとでは水分が抜けて縮みますよね?

焼き上がった時に原寸大になるように計算をしているのでしょうか。

 

山本さん:

そうなんです!粘土によって収縮率が違いますが、私が使用しているものは約12%です。

これは制作時の湿った状態の粘土から、窯で焼いて土に含まれている水分が蒸発し、焼き締まった時の差。

土の成分や粒子によって収縮率が異なり、特にキメが細やかな土ほど収縮率も大きいですね。

定規や電卓で正確な数値を計算しつつ、目で見ながら感覚で制作しています。

 

13231010_10208961283925963_424753252_n

1O1A0583

1O1A3053 

 

 

ARTalk編集部:

粘土自体にも色々な種類があるようですが、今お使いの素材を選んだ理由はあるのでしょうか。

 

山本さん:

陶芸は土、釉薬、焼き方の掛け算を考えなくてはいけません。それは同時に無限のバリエーションがあるということ

なんです。ですから釉薬などの美しい表情が多くある中で制作を通して、自分がどうして”陶芸”というものに惹かれて

いるのかを見つめなおし、「ざらっとした釉薬がかかっていない土の触感。」その存在の強さに惹かれていることに気づきました。

そこから焼き物らしい”釉薬”という要素を敢えて削いでいき、数種類の土を配合して土のテクスチャーや色を研究しました。

この思考の過程はキャミソールや靴下などの衣類を象った『存在の感触』というシリーズから反映されています。

 

 

 13233315_10208961284765984_1384454371_n

1O1A0580

DSC_2856_m 

©Masami  Yamamoto

 

 

ARTalk編集部:

衣類の皺や窪みが水が溜まったようにキラキラしていますね。

 

山本さん:

ここだけ釉薬を使用しています。本来の繊維なら水は溜まりませんよね。

その時に「おや?これはなんだろう?」と疑問や違和感を持って欲しいと思ったんです。

この衣類の隙間に溜まっている釉薬を『識閾』と名付けていました。

『識閾』とは意識と無意識の間という意味を持つ心理学の言葉です。

現代に生きる人々の無意識の底に流れている生命力のようなもの、その流れのようなものを表現しています。

 

ARTalk編集部:

実際、作品を目の当たりにすると見え方が随分と変わりますね。

 

山本さん:

そうですね。写真を撮っても素材感までは写らないせいかただの衣服に見えてしまうんです。

ですが、現物を目にした時に写真とは違う鑑賞体験になるのではないかと思っています。

 

ARTalk編集部:

窯での焼成後に衣服のシワとは違う部分などにヒビが入っても作り直しはしないのでしょうか。

 

山本さん:

しませんね。制作過程で出来たヒビも作品の一部だと思っていて、意図的に割れやヒビを残す場合もあります。

そこには鑑賞者がその罅を見ることで違和感を持ち、作品に引き込まれて欲しい意図があるからです。

また、この衣類を身につけていた持ち主たちへのオマージュのような思いで制作しているので同じモチーフを2度作ることはほとんどありません。

 

 DSC_1464_m_m_m

©Masami  Yamamoto

13245840_10208961285806010_2113846672_n

1O1A0674 

 

 

 

 

山本さんの1日のスケジュール

制作と生活のバランス

 

 

ARTalk編集部:

一つの作品が完成するまでには、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。

 

山本さん:

モチーフによって最終工程のアプローチで変わってはくるのですが、例えば、順調にいけば靴の片足で1週間ぐらいですね。

モチーフとなっている衣服の持ち主に対して、敬意を込めながら制作しているんです。

持ち主の記憶や時間と、私の時間を重ねるようなイメージで……。

なので、急いで終わらせるような乱雑な仕事には絶対にしたくないという気持ちがあります。

 

日々の生活など現実的な部分もありますが、やっつけ仕事にはしたくないので、毎日のリズムを整えたり、

生活と制作の気持ちを切り替えるなどの意識をしています。

 

ARTalk編集部:

制作は1つの作品が終わると次へ、という流れなのでしょうか。

 

山本さん:

2つ、3つ、並行してみたこともあったんですが、やはり気持ちの面で分散してしまいました。

効率も変わらなかったので、今は1つずつ最初から終わりまで制作しています。

 

ARTalk編集部:

1日のスケジュールを教えてください。

 

山本さん:

朝の9:00〜12:00、13:00〜17:00と1日6、7時間ぐらい小さな休憩を挟みながら仕事をしています。

作業量としては多くないと思います。衣類であるモチーフを観察し、自分の中で消化しながら、粘土に

変換する……。地味な作業を黙々とやっていますね(笑)。

 

 

 13235928_10208961285406000_1358246388_n

 

 

 

 

自分の時間を重ねる、制作という行為

大切に、丁寧に、粘土に「時間」を閉じ込める

 

 

モチーフである衣類の持ち主の記憶や時間、そこに山本さん自身の時間を重ねて、大切に、大切に粘土に

閉じ込める彼女の制作時間。次は作品についてより詳しくお伺いしました。

 

ARTalk編集部:

『存在の感触』では、革靴だったり、サテンだったりと、質感が全く違うものを同じ粘土で表現するのは

大変だと思うのですが、その点においてはどのように作り分けていますか。

 

山本さん:

皆さん「本物そっくりだ!」って言ってくれるんですが。

私は物の持っているイメージを土のざらっとした表情に置き換えるように制作しています。

それは鑑賞者の記憶と組み合わさり土の質感であっても、作品に刻まれたシワによってモデルのなった衣類の

素材や違いが分かったりするんです。

 

13249359_10208961285686007_1930714209_n

 

 

ARTalk編集部:

『存在の感触』のシリーズではモチーフとなる衣類のストーリーをヒアリングしているのでしょうか。

 

山本さん:

2つのパターンがあって、1つ目は持ち主が分からない匿名の衣類です。

こちらの場合はその衣服のシワや色褪せに惹かれて古着屋などで購入します。

2つ目は私的な人間関係の中から選んだ人物に協力してもらうパターンです。

その提供してもらう人物に衣類にまつわる記憶や思い出、エピソードなどをインタビューしながら制作する場合です。

こちらは『うつしみ(現し身)』というシリーズです。

 

ARTalk編集部:

前者の場合はどんな人だったのかと想像しながら制作されるのでしょうか。

 

山本さん:

そうですね…顔の見えない相手に想いを馳せながら制作するので、とても想像力が掻き立てられて刺激的ですよ。

「うつしみ」を作って分かったのですが、持ち主たちと直接コミュニケーションを取ることができないので、

自分に引き寄せて考える部分が多く色味にはニュートラルな寒色になることが多いです。

 

IMG_4119

©Katsuhiro ICHIKAWA  Coutesy of SPIRAL/Wacoal Art Center

IMG_4101

©Katsuhiro ICHIKAWA  Coutesy of SPIRAL/Wacoal Art Center

 

 

ARTalk編集部:

後者の『うつしみ』シリーズのモデルはどんな方ですか。

 

山本さん:

こちらは私の祖母がモデルです。

幼い時から祖母の青春時代にあたる戦時中の思い出話を何度も聞かされて育ちました。

内容は初恋、お見合い、祖父に出会うまでの恋愛の話が中心でしたね。

自分が記憶と人の関わりで作品を制作するようなった時に、祖母が繰り返し語る記憶について考えはじめました。

 

ARTalk編集部:

2つのシリーズの違いについてはいかがですか。

 

山本さん:

表現の切り口として2つのパターンを設けていますが特に『うつしみ』シリーズは鑑賞者が作品の中に入って行き

やすいのではないかと思ったんです。というのも、少なくとも鑑賞者の多くは”祖母”という存在がいますよね。

作品に祖母のストーリーを付け加えることで、鑑賞者が自分の祖母に抱く記憶と繋がり、作品との距離感が近づくと

考えたんです。

 

今制作中のこの靴もそうなのですが、大学時代の友人が次の『うつしみ』のモデルです。

色んな人とコミュニケーションをとりながら制作していく過程が、とても面白いのでこれからも続けていきたいと

思っています。

 

少し物悲しいような印象を受けたり、対してあたたかみが感じられたり……。

自分の記憶や思い出と繋がり、言葉にはできない感情が湧いてくる山本さんの作品。

まるで映画作品を鑑賞しているかのような、はたまた小説を読んでいるような錯覚に陥ります。

そして、さいごは彼女の素顔に迫ります。

 

1O1A3063

 

 

 

 

 

 

素顔の山本さん

好きな音楽や趣味のおはなし

 

 

ARTalk編集部:

お休みの日はどんなふうに過ごされますか。

 

山本さん:

展覧会がひと段落着いた時には同じく作家の友人たちとカフェでお茶をしています。自分の失敗談の笑い話や

情報交換をしたり。制作期間中はずっと一人で喋ることが少ないので、人と会う時間を大切にしていますね。

 

ARTalk編集部:

何をしている時が一番楽しいですか。

 

山本さん:

美味しいものを食べている時は幸せです(笑)。

 

ARTalk編集部:

いいですね〜(笑)。

お好きな映画や音楽などはありますか。

 

山本さん:

最近、音楽のジャンルを広げてみようと試みているのですが、石橋英子さん、青葉市子さんの音楽などが好きです。

作業中もずっと音楽を聴いていますその時の気分だけでなく、季節によっても変わりますね。

 

観る映画は、洋画より邦画が多いですね。

園子温監督の『愛のむきだし』はとても印象に残っている作品の一つです。

 

<山本さんの好きな音楽と映画>

★好きなミュージシャン:石橋英子さん、高木正勝さん、青葉市子さん、SOUR、阿部海太郎さんなど
★好きな映画、影響・衝撃を受けた映画 :「沙羅双樹」「追憶のダンス」河瀨直美監督
★励まされる元気になる映画 :「Shine」Scott Hicks、「ピンポン」曽利文彦

 

 13249362_10208961284165969_73339208_n

 

ARTalk編集部:

長時間本当にありがとうございました!最後に読者へメッセージをお願いいたします。

 

山本さん:

自分が好きだと思う作品やアーティストにはどんな共通点があるのか考えてみるとおもしろいかもしれません。

そして作品から感じたことなどを言葉にしてみること。私自身もそうなのですが、頭の中で考えていても、

いざ言葉を与えようとするととても難しかったり時間がかかったりします。けれど言葉にすることで、自分の

考えや感性がクリアーになって、毎日の暮らしへの眼差しがちょっぴり変わるかもしれません。

 

 

 

<番外編>

山本さんの作品が見たい!

たくさんのアートに出会える素敵なホテル

 

写真だけでは伝わらない山本さんの作品の魅力。ぜひ生で見てみたい!という方に朗報です。

山本さんの作品を間近でみれるシェア型ホテル『HATCHi(ハッチ)』が金沢に生まれました。

 

『HATCHi』は漢字で書くと”発地”。金沢からどんどん良い物を発信して、国内外の素敵な出会いの場になるように、

という想いが込められているそうです。

現在は金沢を拠点に新しい表現に挑む35歳以下のアーティストさんの作品を期間限定で展示中。ロビー、階段、

部屋……。ホテルの至る所に作品がちりばめられているので、館内の散策が楽しい。

山本さんの作品は、地下のシャワールームに展示中です。

 

1O1A0436 

1O1A04601O1A0367 

girls Artalk編集部:

今回ホテルで、しかもシャワールームでの展示ですが、感想はいかがですか?

 

山本さん:

私の作品は具体的な衣類をモデルにして作品を制作しているので、作品を発表する空間によって作品の印象が変わります。

日常であって、非日常であるホテルという空間に魅力を感じていたので、そこで私の作品がみなさんの目にどううつるん

だろうと、とてもワクワクします!

しかも、普通『シャワールーム』に展示することってないと思うんです。実際にお伺いしたら雰囲気のあるとても素敵な

場所でした。なので、ぜひ沢山の方にみていただきたいですね。

 

 

1O1A0285 1O1A0275 

1O1A0292

 

 

山本さん:

HATCHiはギャラリーなどではないので…アートが好きだ!アートを見にきた!という

アート作品を鑑賞しに訪れた目的とは違う人達が『HATCHi』という場所に足を運ぶと思うんです。

だけど、”シェアから生まれる喜び”というホテルのコンセプトに惹かれた人達には共通点があります。

その人達はそれぞれが持ち合わせてる、それぞれの専門領域があると思います。

その知識を交差させることで想像力が生まれて、混ざり合うことで変化が生まれたら面白いので、その人たちとの

出会いに私は期待しています。

 

ARTalk編集部:

今回、『アトリエ訪問』で山本さんのもとへ旅行者をご案内しますが、こちらについてはいかがでしょう。

 

山本さん:

私のアトリエに来ていただいて楽しんでもらえるのだろうか?という不安はありますが、

作品を購入することは敷居が高いですし、物理的に作品を所有しなくても、作品を鑑賞することによって”何か”を

得て”何か”を持って帰ることは自由です。その”何か”によって日々の生活を豊かしてくれることがアート作品を鑑賞

する醍醐味とも言えます。作家側からの意見ですが、思い出でもいいので”何か”を持って帰ってください。

 

ARTalk編集部:

今回企画している『アトリエ訪問』もそうですが、本当の意味での金沢の日常をテーマにしています。

そんな日常を感じられる金沢での山本さんおすすめの場所があれば教えてください。

 

山本さん:

観光地の通りは舗装されて美しいのですが、ツーリズムで歩くルートには日常の風景があります。

それは東茶屋街ほど整備されてはいないけれど古くて立派な建物が残っています。

金沢のお家って玄関先の手入れが行き届いていて……、そういう風景を見ながら街中を歩くのがオススメです。

ほかは、打木(ウツギ)グレーの日本海が好きですね。

 

『HATCHi』というシェアー空間から生まれる素敵な体験や出会い。

アーティストのアトリエを見学できるツアーも毎週末開催しているそうなので、作品に込められた記憶や時間、

そして想いを金沢のお土産として持ち帰ってみてはいかがでしょうか。

 

1O1A0310 

1O1A0385

 

写真:Iichiro Yoshizawa

文:新井まる

 

 

 

【アーティストプロフィール】

13245861_10208961287006040_1313484311_n

山本優美(Masami Yamamoto)

1983年大阪生まれ。2007年金沢美術工芸大学美術学部工芸学科陶磁専攻卒業、

2009年ベルギー国立ラ・カンブル美術大学修士課程修了、

2013年金沢卯辰山工芸工房技術研修終了、現在石川県金沢市で制作を行う。

http://www.yamamotomasami.com

 

 

 

【情報】

◉HATCHi  to アートツーリズム / アートツーリズムへの発地

シェア型ホテル金沢HATCHiのオープニングに合わせ、金沢を拠点に新しい表現に挑む35歳以下の作家や

アートギャラリーを紹介。また期間中は作家のスタジオやギャラリーをめぐるアートツーリズムを開催。

会期:3月18日(金)-5月29日(日)

   ※山本優美の作品は、16日オープンホテル以外は宿泊者のみ鑑賞可

   http://www.thesharehotels.com/hatchi/event/c=event_view&pk=16

会場 : THE SHARE HOTEL HATCHi金沢

   石川県金沢市橋場町3-18

   TEL 076-256-1100

             http://www.thesharehotels.com/hatchi/event/?c=event_view&pk=13

 

 

 

【今後の山本さんの展覧会情報】

①金沢21世紀美術館でのグループ展

展覧会タイトル  Nous ぬう

会期       2016年5月21日(土) 〜2016年9月25日(日)

会場       金沢21世紀美術館
         展示室1〜6、レクチャーホール、アートライブラリー

営業時間     10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)                    

WEB                        http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1735

 

 

②6/4(土)〜の個展

展覧会タイトル  青む膚(あおむはだ)

会期       2016年6月4日(土)-6月26日(日)(日)

会場       茶房一笑  石川県金沢市東山1-26-13

TEL       076-251- 0108

営業時間     10:00-18:00(喫茶のラストオーダーは17:30)

                               月曜日定休

WEB                            http://issho.kagaboucha.com/

 

 



Writer

【代表】新井 まる

【代表】新井 まる - MARU ARAI -

話したくなるアートマガジン「ARTalk(アートーク)」代表

株式会社maru styling office 代表取締役

 

イラストレーターの両親のもと幼いころからアートに触れ、強い関心を持って育つ。大学時代からバックパッカーで世界約50カ国を巡り、美術館やアートスポットなどにも足を運ぶ旅好き。新卒採用で広告代理店に就職し3年間勤務の後、アパレルEC部門の販促に約1年間携わる。人の心が豊かになることがしたいという想いから、独立。2013年にアートをカジュアルに楽しめるwebマガジン「girls Artalk」を立ち上げる。現在は「ARTalk(アートーク)」と改名し、ジェンダーニュートラルなメディアとして運営中。メディア運営に加え、アートを切り口にした企画・PR、コンサルティングなどを通じて、豊かな社会をめざして活動中。

好きなものは、自然と餃子と音楽と旅。

 

●Instagram: @marumaruc   

話したくなるアートマガジンARTalk(アートーク)」