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アイデアと時代が回転する! ハッピーな世界観、 ロブ・キドニー個展「KAITEN KIDNEY」

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2016年1月22日

アイデアと時代が回転する! ハッピーな世界観、 ロブ・キドニー個展「KAITEN KIDNEY」


1月16日(土)〜2月7日(日)まで、原宿の老舗PUNKショップ「A Store Robot」店内ギャラリースペースにて、ロブ・キドニー氏の個展「KAITEN KIDNEY」が開催されています。

 

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左横の白い建物が「A Store Robot」(渋谷区神宮前2-31-18)

 

私も大好きなロブ・キドニー氏ご本人にお会いする機会に恵まれた本展覧会。
同氏の描く子どもから大人まで幅広く愛されるイラストの魅力や、グッズの制作秘話など、経歴にも触れながら様々なお話を伺いました。

 

ファッションストアでの異色の組み合わせ

会場である「A Store Robot」は、創業32年目になる老舗のROCK・PUNKファッションショップ。

日本で初めてVivienne Westwood や Seditionariesを取り扱った伝説のショップであり、今でも著名なアーティストたちが買い物に訪れます。

 

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店内は、小さな空間ながらもアンティークとファッション、音楽とアートが集結しています。
海外のカルチャーがROCK・PUNKファッションと混ざり、店内はまるで異国のような雰囲気。

 

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アンティークな天井は細かなところまでこだわりが見られ、こだわりの雑貨と混ざり合って面白い空間に。

 

ファッション、音楽、アート、そのどれもが大好きなものばかりで「昔から憧れていたミュージシャンの写真やディスプレイに囲まれながら、自分のイラストとプロダクトが展示できて、とっても幸せ!」と笑顔で語るロブ・キドニー氏。

 

また、通訳をしてくれたパートナーであるYOKEYさんとともに「ギャラリーに行く人は決まっているけれど、ブティックやショップに行く人は様々なので、そういった人の目にも留まって、洋服を見るように楽しんでもらえたらという思いもあります。」と笑顔で語ってくれました。

 

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ロブ・キドニー氏。

 

アーティスト、ロブ・キドニーの魅力

英国出身のロブ・キドニー氏は、雑誌、音楽やアパレルなどで活躍するイラストレーター兼アーティストです。
その力強い色彩と元気の出る手描きのイラストは、見る人をハッピーな気分にしてくれます。

また、彼のイラストがプリントされた子供服は、即完売することもしばしばあり、子ども達にも大人気です。

時折、日本人アーティストのCDジャケットでも、彼のイラストを見かけることがありますが、その色彩感覚と手描きの自由でハートフルな表現は、日本人の感覚には持ち合わせていないものであると、感心してしまいます。

 

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人気のキャラクター達が並んでいます。

 

そんなロブ・キドニー氏は、少し変わった経歴を持っています。

英国時代、幼少の時から音楽・ファッション・POPアート・カルチャーが大好きで、特にアメリカのカルチャーにも憧れていました。

特に音楽が大好きで、アーティストのレコードジャケットから、どんどんアートに惹かれていきました。

高校を卒業してから約10年間、印刷会社の工場に働いていたそうで、日本の印刷機を使っていたそうです!

「絵を描きたい!」という想いをずっと心に持っていた彼は、その想いに突き動かされてイラストレーションを勉強するため、27歳の時に英国ブライトン大学に入学します。

 

「若いうちに大学に行っていたら、僕はパーティ三昧だったかも!」と苦笑いしながら、続けて「今思えば、大人で大学に行ったことが、とても良かったと思っています。」と語るロブ・キドニー氏。

 

そこには今日に至る自分の意思で「学びたい」という想いと、自分で貯めたお金を学費として支払い、その一方で決して無駄にはできないという誓いがあるからだと話してくれました。

また、10年近く印刷会社に勤めたことで、彼のプロダクトには印刷の知識が生かされています。

今回の個展用に販売されているグッズでは、英国で制作したシルクスクリーン印刷のオリジナルポスターや、海外でしか使用できないインクを使った特殊印刷のカードなどがあるからです。

 

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インキの知識が豊富ロブ・キドニー氏のグッズは色使いが面白い。
おちゃめなキャラクターグッズと子どもに大人気の塗り絵など。

 

KAITEN KIDNEY

 

本展覧会のテーマ「KAITEN KIDNEY(カイテン・キドニー)」。

“回転寿司”のようにぐるぐると頭の中を回る!というアイデアのもと、ロブ・キドニー氏の日々描き溜められた絵の中から、大好きなものをピックアップ。

大学時代に描いたドローイングの上に新しく描き足しているものや、お気に入りのキャラクターグッズなどが集結しています。

KAITEN KIDNEYは、アイデアの回転であり、時代の回転なのです。

 

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今回の個展のDMも色使いがロブ・キドニーらしい。

 

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中央の絵は、古い絵の上に新しい絵を重ねたもの。
右端のクッションは実は、YOKEYさんのお母様も作るのを手伝ってくださったそう。

 

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POPアートとファッションの混在がとても面白い。

 

そこでロブ・キドニー氏に質問してみました。

面白い色彩の組み合わせのイラストや、とハッピーな気分にさせてくれるキャラクターで、幅広い層に愛されていますが、そのポップなスタイルはずっと昔からなのでしょうか?

 

「実は、若い時は“COOL”なものに憧れて、かっこいい絵を描いていたけれども、
 かっこつけた絵は、かっこつけた人にしか興味を示してもらえない。
 それから、徐々にスタイルを変えていき、現在のスタイルに辿り着いたんだ。」

 

と、答えてくれました。

子どもから、お爺さん、お婆さんにまで幅広く愛されるスタイル、それこそ“COOL”ですよね!

また、展示する場所も伊勢丹での展示や、子供服の売り場でのライブペイントと様々。

ライブペイント会場では、描いてもらった絵をプレゼントされた子どもたちが歓喜あふれておおはじゃぎするそうです。そんなお話を聞いているだけで、こちらも笑顔になってしまいます。

 

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A STORE ROBOTのキュレーターさんが制作した刺繍のワッペンキャップ。

 

日本の魅力を教えてください!

初めて日本に訪れたのは、英国のグループBASEMENT JAXX(XL-RECORDINGS)の仕事を手掛け、彼らの日本ツアーに同行した時です。

その時、東京に訪れてカルチャーショックを受けた彼は、ずっと日本を忘れられず、2003年33歳の時に日本に永住することを決意したそうです。

「ロンドン、NY、パリ、色々な都市に行ったけれども、こんなに面白い(へんてこな)街は他に無い!」と語るロブ・キドニー氏。

 

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音楽、カルチャー、ファッション、どれをとっても日本は面白い! と感性を刺激されるようで、特に渋谷カルチャーが大好きなんだそう。

その後、2010年に東京在住のグラフィックデザイナーであるYOKEYさんに出会い、お二人で、「楽しいことをやっていこう!」と、田端にスタジオ兼ギャラリースペース「WISH LESS(ウィッシュレス)」を2012年にOPEN。

 

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WISH LESS(東京都北区田端5-12-10)

 

お二人とも、雑貨を作るのが好き。

ロブ・キドニー氏のプロダクトや、こだわりのオリジナルブランド、イギリスのアンティーク、さまざまなグッズが展開されています。

プレゼントにも最適なものがずらり。

 

また、日本・英国のアーティストの作品展示イベントも行っています。

ジャンルを超えてアート、プロダクト、ファッション、音楽、イベントなど自由に表現できるスペースなので、アートを身近に楽しんでもらえます。

 

普段は、ギャラリー「WISH LESS(ウィッシュレス)」にいらっしゃるので、ロブ・キドニー氏にお会いしたい方は是非、そちらを覗いてみてください!

 

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写真左:ロブ・キドニー氏の着ているニットは、今回のエキシビジョン用にA Store Robotとコラボレーションして制作されたアイテム。満面の笑みがチャーミング!

写真右:今回はパートナーであるYOKEYさんが通訳をしてくださいました。

 

とっても素敵なお二人で、理想のパートナー像ランキング1位です!

 

執筆・写真/洲本マサミ  (SUMODESIGN LLC.)

 

【展覧会情報】

ロブ・キドニー 個展「KAITEN KIDNEY」

会期:2016年1月16日(土) 〜 2月7日(日)
時間:12:00以降 ~ 20:00位(不定休)
会場 : ア ストア ロボット www.astorerobot.co.jp
住所 : 〒150-0001  東京都渋谷区神宮前2-31-18
協力:WISH LESS GALLERY

 

【アーティストPROFILE】

Rob Kidney/ロブ・キドニー

1969年英国ブライトン出身。音楽やアパレル、雑誌などで活躍するアーティスト/イラストレーター。
鮮やかな色と力強い手描きのラインでインパクトのあるイラストを多数手掛ける。
Basement Jaxx(XL-Recordings), Ozone Rocks, Universal Music, BMG Japan, 祥伝社,
Victor/Speedstar Records, avex music creative Inc. など様々な企業とコラボし、
最近ではX-girlやCHUBBYGANGなどの子供服ブランドのデザインで人気。
クラブやファッションショーなど各種イベントでのライブペイントも好評。
2012年、東京・田端にアートギャラリーWISH LESSをオープンさせ、展示会のキュレーションを担う。
2014年9月にはインテリアブランドunicoで家具へのライブペイントが話題を呼んだ。

アーティストウェブサイト:robkidney.com

WISH LESS GALLERY:http://wish-less.com

 

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YOKEYさんの2人展もWISH LESSで行われます。

“パンと柴犬”Misa Sugata & YOKEY 2人展

場所:WISH LESS (東京都北区田端5-12-10)
会期:2月13日(土)~3月6日(日)
時間:水~金 16:00~21:00 土・日 12:00~19:00 月・火は定休日 最終日は18:00まで

奇妙なヒトや動物をパンで表現する菅田ミサと柴犬の愛くるしさを陶芸で象るYOKEYの2人展。
自由な発想のもと手で生地や土を練り、欲求を思いのままカタチに表す展覧会です。
2人が好きなモノに向ける屈折した愛情表現。
固定観念に捕らわれないパンと柴犬という奇妙なコンビネーションをぜひお楽しみください。

こちらも是非、お楽しみください!
※2人展の開催場所は、WISH LESSになります。

 

 



Writer

洲本マサミ 

洲本マサミ  - - Masami Sumoto - -

京都市生まれ。SUMODESIGN LLC.代表。グラフィックデザイナー・アートディレクター。
1998年より京都のデザイン会社に勤務後2012年東京へ転勤。
都内でフリーランス活動を始め、2013年に事務所を千駄ヶ谷に移転し、2015年SUMODESIGN.LLCとして法人化。
girlsArtalkの立ち上げ時よりDesigner・Photographerとして参加しながら、カメラやアートを楽しんでいます。
毎日フレンチブルドッグのビビとオフィスに出勤中。
http://sumodesign.jp
https://www.instagram.com/sumoto_vivienne/