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新しい自分に出会えるミュージアム!ニフレル!

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2015年12月18日

新しい自分に出会えるミュージアム!ニフレル!


“水族館、動物園、美術館のジャンルを超えた生きているミュージアム”と位置付けられている空間、ニフレル。
ここでは生命の神秘さや驚きを間近で発見することができます。
しかしそれだけでは終われず、そこから何かを感じ、誰かと共有したくなる!
そしてその共鳴が繋がりをを生み、私たちの感覚は生き物のように目を覚ますのです!
それは新しい自分に出会える瞬間でもあります。

そんなチャンスは逃したくない!と向かった先は、かの万博記念公園駅。
モノレールから外を眺めていると、真っ先にお出迎えしてくれたのがこちら。

 

写真①(2)   写真①

 

折角なので太陽の塔 “昼・夜バージョン”で撮り納めました。
諸説あるこちらの作品に込められている、矛盾した社会に向けた岡本太郎さんのメッセージは、昼夜問わず今でも力強く私たちに語りかけます。

そして、いよいよニフレルの中へ。
新しい世界への入り口とでも言うような、水の泡をモチーフにした幻想的な作品からの始まりです。

 

写真②

 

ここから「感性にふれる」7つのゾーンへ進んでいきます。
25年の間、大阪天保山にある海遊館を運営されているこちらの会社では、これまで発信してきた大型水槽からは伝わりづらかった個々の生きものの魅力を、こちらのニフレルでは追求しています。

 

1. いろ

休日には積極的にフィールドに出かけ、中でも奄美大島がお気に入りの館長さん。
「実際に現地の海を再現したかった」という想いも込めたこちらの空間では、各水槽で生きる魚、イソギンチャク、サンゴ等の色のコラボレーションが見事に調和しています。様々な色で照らし出す空間は、毎秒違った表情を見せてくれます。

ここで着目したのが、生き物たちの特徴を綴った「五七五」紹介文。
例えば…
「オスの群れ 強い個体が メスになる」 (カクレクマノミ)
「美人さん ケンカの時は 容赦ない」(バイカラードッティーバック)
など、思わず笑ってしまいながらも好奇心をそそられるものばかり。
最後のセクションまで、この紹介文は続きます。

 

写真③
シロボシアカエビ

 

写真④
アカハチハゼ

 

写真⑤
俳句 オスの個体がメスになる

 

2. わざ

光がガラッと変わり、こちらは理科の実験室のような空間。
生き物が本来持っている能力をクローズアップしています。
例えば、こちらのタコ。ビーカーの中を自由に出入する様子が見られます。

 

写真⑥

 

こちらのヨダレカケは、水が苦手なので木の上で休憩中。
尻尾で床を蹴りながら、ピョンピョン軽快に移動していました。

 

写真⑦

 

こちらのセクションでは、童心に帰った大人たちの素敵な笑顔で溢れていました。

また大型のサメをトリーニングにより、左の木のステージに上がるようにし、将来はエコー検査や採血などの健康管理の様子を、実際に目の前で見られるようにすることを目標にしているようです。

 

写真⑧

 

3. すがた

足を踏み入れると、目の前に現れたチンアナゴ。生き物をどの角度からでも見られる様、透明のポリマーを使用しています。
こちらは鏡張りの部屋となっていたり、水槽の下から光を取り入れたりと、生き物全体が浮かび上がる様、工夫を凝らしていました。

 

写真⑨

写真10

 

4. Wonder Moments

光のアーティスト松尾高弘さんによる、自然の瞬間をテーマにした作品。
季節感を出すことが難しい博物館の中で、生き物を使用する以外の方法で何か出来ないか、という発想がはじまりだったそうです。
12分間で17ものシーンが織り成す光は、私たちの感性にまるでシャワーのように降り注ぎます。

 

写真11
FLOWER FIELD

写真12
EARTH

 

地面に映った光を追いかけながら、子どもたちが楽しそうに駆け回っていました。
幻想的でメッセージ性の強いこちらの空間において、ニルフルでもこの現象は想定外だったそうです。感覚に忠実な子供達の発想に改めて感心しました。

 

 

5. みずべ

木立の様な造形が迎えてくれる、みずべの世界。
一番の見所はここ。何だと思いますか?

 

写真13

 

ホワイトタイガーの部屋です。トラは、ネコ科の動物で、唯一水浴びをする特徴を生かし、彼らの水中での姿を紹介してくれるそうです。
(冬は寒いのでなかなか水浴びしてくれないそうですが。。)
頭上をホワイトタイガー歩けるよう「タイガーウォーク」になっています。
下からトラを見るって経験、なかなか他では見られないですね。

その他、ミニカバやワニも水中で遊んでいました。どれも迫力のある動物ばかりなので、予想外の動きにはドキリとさせられます。

 

写真14

 

またカフェが隣接しており、”水に触れる” にちなんだコンセプトフードが販売されています。写真は食べる水という食べ物。お味は?・・・・実際に食べてのお楽しみということで。きっとこれも人それぞれの感覚で違ってくるものだと思います。

 

 

6. うごき

ワオキツネザル、フクロウ、カピバラ、ペリカンなどが放し飼いにされており、近い距離で動物の生命体や感情を感じることが出来ます。(動物に触ることは出来ません)

夕方になると動物たちの動きも活発になってくるとの事で、狙い目の時間帯かもしれません。

 

写真15   写真16

 

 

7. つながり

こちらはニフレルの集大成とも言える、「ニフレルが表現したかった事」をショートムービーで見せてくれるセクションです。
「We are different, 全ての姿は美しい」「見える見え方が違う、だから出来ることも違う」
数々のフレーズが、自然や動物の映像と重なります。

 

写真17

 

ニフレルを後にした時、心地よい疲労感と高揚感に包まれました。
これほど様々な角度からアートのシャワーを浴びる体験は少ないですし、その中でも ”受ける” だけでなく “自ら何かを掴み取ろうとした結果” でもあるのかと思います。
五感を研ぎ澄まして生きること。忙殺された日常では忘れがちですが、精一杯生きることに繋がり、個々の豊かさを生み出していくカギとなるのではないでしょうか。

「明日は何にふれる?」

“つながり” での最後のメッセージに、優しく背中を押された気がしました。

 

文 ・写真  /  川口 可南子

 

【情報】
展覧会名 : ニフレル
住所 : 大阪府吹田市千里万博公園2-1 EXPOCITY内ニフレル
営業時間:10:00-20:00
※最終⼊館は閉館の1時間前まで
※季節により営業時間が変更になる場合がございます。
料金:大人(高校生/16歳以上)1,900円、こども(小・中学生)1,000円、幼時(3歳以上)600円
HP:http://www.nifrel.jp



Writer

川口 可南子

川口 可南子 - Kanako Kawaguchi -

5歳より、青春の全てを捧げたバレリーナとしての15年間の時間が私の宝物。
その後NYやLAでブロードウェイやコンテンポラリーのレッスンを通じて、表現の幅を広げてきた。

アメリカ西海岸で生活しモデルとしてショーや撮影に参加。ファッション界のプロ達が、センスを頼りに猛スピードで仕事をする様に圧倒されながら、モデル業、写真やアパレル、ブランディングについて学ぶ。

パリジェンヌになって、かのHelmut Newtonと撮影の日々……
昼間、商社で働きながら来世へ思いを馳せています。