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“原点回帰” を試みた”イマ”の『大谷工作室』に突撃取材!

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2016年12月1日

“原点回帰” を試みた”イマ”の『大谷工作室』に突撃


“原点回帰”を試みた”イマ”の『大谷工作室』に突撃取材!

 

『大谷工作室』と聞いて集団を想像する方も少なからずいると思いますが、大谷滋さんという1人のアーティストです。”工作室”という屋号を掲げ、様々な素材を使い、手や指の温度を感じるような作品を多く生み出しています。

今回、世界のムラカミとして親しまれているアーティストの村上隆さんが店主を務めるKaikai Kiki Galleryにて、個展『僕が17歳の時、ジャコメッティの話を美術の先生に聞いて、彫刻に憧れて、僕は今、彫刻を作ってます。』が開催中。

 

最近は陶芸作品が多かった大谷さんですが、今回はタイトルに”彫刻”と入っています・・・となにやらいつもと一味違う予感・・・・

さっそく回廊直前の1時間に突撃取材してきました!

 

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沢山質問に答えてくださった大谷工作室さん。本展1大きいスケール(座高3.5m)の作品の前で。

  

まずギャラリーに入室して真っ先に目に入る、真っ白い壁に静かに座る巨大な女の子。

思わず目を奪われていると大谷工作室さんが笑顔で出迎えてくださいました。

搬入が無事終わり、レセプションまであと1時間と迫ったお忙しい時にも関わらず、girls Artalk読者のためにご本人自ら展示の紹介をしてくださりました!

 

girls Artalk編集部(以下gA):
HPに掲載されていた村上さんとのやりとりもありましたが(是非読んでみてください!)、今回は”彫刻”の展覧会なんですね。

 

大谷工作室さん(以下大谷氏):
はい。どんな展覧会にしていこうかというやりとりの中で、”原点回帰”というものが大きなテーマとなってきて・・・卒業以来、沖縄の母校にも帰ってみたりしたんです。
そこで『1日で出来る』というのもあって石膏をつくったんですよね。
それで、ここ最近陶器ばっかり作ってきたけれど、その質感にこだわらなくても自分が作りたいものって、作れるのかもしれないという発見があったんです。

そして芸術家になりたいと思った時に、強く憧れていた”彫刻家”たちのことも思い出して・・・・今の自分らしい、今だから作れる、みたいな作品を見てほしいと思ったらこのようになりました。

 

gA:
なるほど、タイトルにある”ジャコメッティ”に特定しているわけではなく、”彫刻家”というものに憧れていたんですか。そして、今”彫刻”を作ることへの欲求があるんですね。材料とか、色とか、よくみると多様ですね。

 

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大谷氏:
そうなんです。今回、1番大きい作品とあと2点は石膏で出来ています。例えば、この耳がついている作品は耳の部分だけ木だったり・・・・

 

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これは、初期段階では陶器で作ったんですけど、なんか違うな~と思い、顔の部分だけ石膏で上から作り直したんです。

 

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gA:
え!!この子達はハイブリットなんですね。確かによくみるとそれぞれ質感が違って、またそれも面白いですね。 なんだか石膏のものは表情が柔らかい・・・というか、すこし優しい感じがします。

 

大谷氏:
実は1番大きい子は娘がモデルなんです。自分の中でも、なんかこの作品からまた違うというか・・・新しいものが作れたという特別な作品です。まだ作りかけなんですけどね。あまりに大きいので部分ごとに作り、初めてここで組み立てたんですよ。

 

gA:
そうなんですか!沢山の作品がありますけど、他の作品にもモデルはいらっしゃるんですか?

 

大谷氏:
いるものと、いないものがあります。さっき少し触れた耳が木彫りの作品は妻がモデルです。あと畳の部屋の角にいる子(下の写真)は、豊田市美術館で以前開催されていた子供がテーマの展覧会(『The Child-内なるこども』2006)のポスターを工作室の壁に貼っており、見てるうちに「良い表情だな~」と思ったから、その子供をモデルにしています。

 

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なるほど・・・。そうお話しを聞いた後に改めて鑑賞すると、モデルがはっきりしている作品は目の印象が強いように思えます。思わず見つめてしまいます・・・。

 

 

話しは変わって、展示方法について。

Kaikai Kiki Galleryさんは大きく2つの空間に別れています。大きい作品たちが展示されているのは天井が高く壁が真っ白空間。一方比較的小さめの作品たちは和室の温かみのある空間に展示されていました。

どちらも空間と作品が見事にマッチしてより作品が魅力的に見えたのでその辺についても質問してみました。

 

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展覧会責任者の方や広報の方も一緒に”新しい大谷工作室”さんについてトーク!

 

gA:
ところで今回彫刻展としてはかなり作品がおおいですね。全部で何点くらいありますか?

 

大谷氏:
持ってきたのは80点以上、約100点とかだったのですが、昨夜奈良美智さんがNY帰りにギャラリーに来てくださって・・・。本当に見せたいものだけにしようと思い、40点くらいやめたので多分60点前後ですかね。

 

gA:
えええ、あの奈良さんが?!以前、大谷さんが奈良さんの陶芸作品を手伝っていたとは伺ってましたがすごいですね・・・!

 

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大谷氏:
めちゃくちゃ勉強になりました・・・!村上さんのギャラリーで奈良さんがインスタレーションしてくださるって物凄い豪華ですよね。約4時間も、畳の空間に展示するための作品配置とか、廊下にも作品を置こうとか、本当に丁寧にアドバイスを頂いて・・・有難かったです。

 

世界中で活躍し、「日本で最も有名な現代アーティストといえば?」という問いでは、必ず名前が挙がるであろうビッグネーム2人が目をかけているなんて、やっぱりアート女子たちは要チェックのアーティストさんですね!

 

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なにより彼の作る作品は表情が愛らしいんです。

1つ1つの作品が魅力的な”かお”をしているのですが、とにかく”かわいい”。

堅苦しい感想よりもその表現が合う気がします。

今回ご本人と初めてお会いして、大谷さんが放つ空気が、とても作品と似ていると感じました。

とても親切で優しく、おっとりしている方。用意された言葉を並べるのではなく、一つ一つの質問をご自身の中でじっくり消化しながら答えてくれる・・・・”人間らしい”けれど、強い個性を内に秘めていると。

 

本展は12月24日まで。

”なぜか癒される空間”です。

是非ご覧になってください。

 

展覧会責任者の方が「作り手と表情似てるよね!」と仰っていました。

みなさんはどう思いますか・・・?!

 

 

文・写真  : 山口 智子

 

 

■開催概要■

◇タイトル

僕が17歳の時、ジャコメッティの話を美術の先生に聞いて、彫刻に憧れて、僕は今、彫刻を作ってます。

◇会期

2016年11月26日 – 2016年12月24日
開廊時間 :11:00 – 19:00
*会期中無休

◇場所

Kaikai Kiki Gallery(カイカイキキ ギャラリー)

Motoazabu, Tokyo, Japan
106-0046 東京都港区元麻布2-3-30
元麻布クレストビルB1F
03-6823-6038

◇HP

http://gallery-kaikaikiki.com/category/exhibitions/ex_solo/otaniworkshop-exhibition/

 

 



Writer

山口 智子

山口 智子 - Tomoko Yamaguchi -

皆さんは毎日、”わくわく”していますか?

幼いころから書道・生け花を始めとする伝統文化を学び、高校では美術を専攻。時間が許す限り様々な”アート”に触れてきました。

そして気づいたのは、”モノ”をつくることも大好きだけれど、それ以上に”好きなモノを伝える”ことにやりがいを感じるということ。

現在、外資系IT企業に勤めながらもアートとの接点は持ち続けたいと考えています。

仕事も趣味も“わくわくすること”全てに突き動かされて走り続けています。

instagram: https://www.instagram.com/yamatomo824/
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