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「宇宙」を想う、感じる、考える! 森美術館「宇宙と芸術展」~かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ~

NEWS

2016年8月23日

「宇宙」を想う、感じる、考える! 森美術館「宇宙と芸術展」~かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ~


「宇宙」を想う、感じる、考える!
森美術館「宇宙と芸術展」~かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ~

 

昨年より長い梅雨が明け、世間はすっかり夏休みモード。
とはいえ、社会人の皆さんはまだまだお仕事が忙しく、遠出や旅行に行けてない方々も多いのでは・・・

そんな皆さんにニュースです!お仕事の帰りでも、連休が取れなくても、”宇宙”にワープできる企画展が森美術館で開催中!

その名も「宇宙と芸術展~かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ~」。

”大人の自由研究”にもってこいの大注目展覧会をさっそく取材してきました!

 

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本展は大きく4つのセクションで構成されています。

人類の歴史が始まるずっと前の隕石から、未来に思いを馳せた作品まで、何万年という時をまたいだ研究や作品が展示されています。まだまだ未知なる”宇宙”という存在を、様々な角度から解剖しているのです。

 

展示内容が盛り沢山でとても紹介しきれないので、各セクションごとに1つずつ特に興味を持った作品をピックアップします!

―SECTION 1―”人は宇宙をどう見てきたか?”からはこちらの作品!

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『竹取物語絵巻』江戸時代前期/巻子/33×約1440cm/所蔵:國學院大學図書館、東京

 

室町時代や江戸時代の普段お目にかかれない貴重な資料から、歴史の中で”宇宙”を人々はどのように捉えていたかをひも解いていくこちらのセクション。

”日本最古のSF小説といえる”という解説を読んでハッとしました。誰もが知ってる『竹取物語』ですが、その発想は持っている人は少ないのではないでしょうか。

確かに”月に帰っていくかぐや姫”っていわゆる宇宙人なのでは!?

他に一瞬”宇宙”を連想しないものが展示されており、ハッとするような発見がありました。

 

その他にも、複数枚ある曼荼羅も大迫力サイズで展示されていますが、これらは時代物なので作品が傷まないように展示替えがあります。

 

会期中何度来ても楽しめますね。

 

―SECTION 2―”宇宙という時空間”からはこちらの作品!

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ビョーン・ダーレム『ブラックホール(M-領域)』
2008年/木、スチール、蛍光灯、電球、塗料/サイズ可変/撮影:ブレイズ・アディロン/画像提供:サーチ・コレクション、ロンドン

 

巨大なブラックホールを中心に回る銀河系、多元宇宙理論などを表現したこちらの作品。

よくよくみると簡単に手に入りそうなものばかりでつくられています。銀河系をイメージしている照明もよくみると1つ1つ違ったりして、まるでどこからか集めてきたガラクタのようです。

そんな”日常”にあるものたちで、実際に見たことがない壮大な”宇宙”を表現しているのがとても面白いと思いました。

夜に行ったので、大きなガラス窓に反射してさらに幻想的でした。

―SECTION 3―”新しい生命観-宇宙人はいるのか?”からはこちらの作品!

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パトリシア・ピッチニーニ『ザ・ルーキー』
2015年/ファイバーグラス、シリコン、毛/48×65×46cm/作家蔵/Courtesy:トラルノ・ギャラリー、メルボルン、ロズリン・オクスレイ9・ギャラリー、シドニー、ホスフェルト・ギャラリー、サンフランシスコ

 

今回Tシャツやショップバッグにもなっているこちらの作品。作者はとっても可愛らしい女性のアーティストであるパトリシア・ピッチニーニ氏ですが、なんだか不気味。

ガラスケースに入っていないので近づいてみると、思った以上に”リアル”な質感で今にも動きそう。可愛い人間の赤ちゃんのような、芋虫のような・・・目のうるおい、足の毛、爪の先までかなり凝って作りこまれているので、思わず見入ってしまいます。

 

この他にも様々な”未確認生命体”についての資料が一同に会しているので、マニアにはたまらないセクションです!

 

―SECTION 4―”宇宙旅行と人間の未来”からはこちらの作品!

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チームラボ『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space』2016年/インタラクティブ・デジタル・インスタレーション/4分20秒/サウンド:高橋英明

これまで何度もあらゆるチームラボの作品を見てきた私が、今までで一番その創りこまれた世界観に引き込まれました!

 

狭くて暗い部屋に入ると、床も含めた360度の視界が全て映像で包まれ、2つの光が宇宙で自由に追いかけっこをするように飛び回ります。

部屋が揺れているような感覚に陥り、美しい世界と音に酔いしれることができます。

 

この作品のシリーズは昨年に開催された『学ぶ!未来の遊園地』(2014/11/29(土)〜2015/5/10(日))でも見たのですが、格段に迫力が増しています。思わず”わぁ・・・”と声を出してしまうはず!

 

また、今回チームラボ新作の音声ガイドは、代表取締役 猪子寿之氏が解説されているそうです。

以前girlsArtalkでもインタビューしたことがあるので、良かったら併せてご覧ください。

インタビュー記事はこちらから… http://girlsartalk.com/interview/19480.html

と、ざっと紹介しましたが、どうですかこの幅広いラインナップ!
これ以外にも紹介したいものがありすぎて、かなり悩みました・・・

ちなみに、以前girlsArtalkでインタビューさせていただいた空山基さんの『セクシーロボット』も展示されています!今回は回るお立ち台に乗っているためかより妖艶な魅力を放っていました。前回の展示ではあまり見れなかった後ろ姿もバッチリ見えます。本当にセクシーすぎて写真を撮るのになんだか照れてしまいました(笑)

過去のインタビュー記事で空山さんの作品への想いや人柄も是非知ってみてください!

インタビュー記事はこちらから… http://girlsartalk.com/feature/20457.html 

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空山 基『セクシーロボット』2016年/FRP、鉄、金・銀メッキ調塗料、LEDネオンライト/182×60×60cm/Courtesy: NANZUKA

 

 

写真撮影がOKな作品が多いところも嬉しいポイント。思い出にも残せるので、宇宙を感じた余韻に浸ってしまいました。

 

私は正直、科学的な視点での宇宙にも、宇宙人などのゴシップ情報にも、興味があったわけではありませんでした。また、今回アートデートの企画で俳優のJustinさんとご一緒したのですが、彼は美術館に来ることが初めてでした。そんな私たちが揃って”最高におもしろい!”と思えたのは、単にアートを並べた展示ではなく、多角的な視点を持って集められた資料が絶妙な方法で展示されているからだと思います。

会場を後にする頃にはすっかり宇宙ファンになっていました!

 

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セミコンダクター『ブリリアント・ノイズ』
2006年/マルチチャンネル・ビデオ・インスタレーション/10分(ループ)

 

”どんな時代の人も宇宙のことを考えていたんだなぁ・・・!”

”宇宙人の目撃情報ってこんなに昔からあったの?!”

”将来宇宙に住めたらこんな服を着るのかな? 家はこういう機能がないとだよね・・・!”

なんてどんどん会話が膨らみます。

1つの展覧会で歴史的資料からアトラクション感覚の作品まであり、飽きることなく楽しめるので是非実際に体感してみてください。

文:山口智子   写真:新井まる 

 

 

【情報】

「宇宙と芸術展~かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ~」

■会期■

2016年7月30日(土)-2017年1月9日(月・祝)

■開館時間■
10:00-22:00(火曜は17:00まで)
※「六本木アートナイト2016」開催に伴い、10月21日(金)は翌朝1:00まで、10月22日(土)は翌朝6:00まで
※いずれも入館は閉館の30分前まで
※会期中無休

■会場■

森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

■主催■

森美術館、NHK、NHKプロモーション、読売新聞社

■企画■

南條史生(森美術館館長)
椿 玲子(森美術館アソシエイト・キュレーター)

■企画協力■

龍谷大学 龍谷ミュージアム、
金沢工業大学ライブラリーセンター

■助成■

在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

■協賛■

NEC、株式会社大林組、IHI運搬機械株式会社特別協力宇宙航空研究開発機構(JAXA)制作協力パナソニック株式会社協  力日本貨物航空株式会社、シャンパーニュ ポメリー

■入場料■
一般 1,600円
学生(高校・大学生) 1,100円
子供(4歳-中学生) 600円
※表示料金に消費税込
※展望台 東京シティビュー、屋上スカイデッキ、森アーツセンターギャラリーへは別途料金がかかります。

■公式HP■

http://mori.art.museum/contents/universe_art/index.html

 



Writer

山口 智子

山口 智子 - Tomoko Yamaguchi -

皆さんは毎日、”わくわく”していますか?

幼いころから書道・生け花を始めとする伝統文化を学び、高校では美術を専攻。時間が許す限り様々な”アート”に触れてきました。

そして気づいたのは、”モノ”をつくることも大好きだけれど、それ以上に”好きなモノを伝える”ことにやりがいを感じるということ。

現在、外資系IT企業に勤めながらもアートとの接点は持ち続けたいと考えています。

仕事も趣味も“わくわくすること”全てに突き動かされて走り続けています。

instagram: https://www.instagram.com/yamatomo824/
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だから私はアートが好き。