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girlsArtalk4周年記念★山種美術館貸し切りイベントレポート!

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2017年4月28日

girlsArtalk4周年記念★山種美術館貸し切りイベントレポート!


girlsArtalk4周年記念★山種美術館貸し切りイベントレポート!

 

いつもガールズアートークをご覧頂き有難うございます。 ガールズアートークはおかげさまで、丸4年が経ち、5年目に突入しました! 皆さまに楽しんでいただきたい一心で、渋谷区・広尾にある日本画専門の山種美術館を豪華に貸し切 りでお祝いイベントを開催しました。
【girls Artalk 4 th anniversary NIGHT MUSEUM〜夜の美術館でお花見をしよう〜】
少し張り切り 過ぎてしまったかな?という不安をよそに、蓋をあけてみれば 140 人以上ものお客さんが!!! something “Flower”というドレスコードを設けたので、会場は既に花・花・花柄の嵐!なん とも華やかで思わず気分が高揚してしまいます。 思い思いの装いと期待と共に、まずは、山種美術館・学芸員部長の髙橋美奈子さんとアートテラーとに〜さんのお二人の解説つきトークを交えながらの鑑賞会からイベントスタートです。

 

 

 

 

 

 

山種美術館の学芸員さんならでは!トリビアが満載♪

 

 

イベントの舞台となった山種美術館は、日本画専門の美術館。去年開館50年目を迎えました。近代・現代の日本画を中心に約1800点もの所蔵があります。「山種証券」の創業者・山崎種二さんの個人コレクションを元に開館した美術館ですので、その名前を省略して「山種」美術館になったそうです。

今回の展示 「花*Flower*華ー琳派から現代へー」は、日本の四季を「花」で表現。春、夏、秋、冬の順に季 節を追っていく構成となっています。  

 

田能村直入 《百花》 (部分) 1869(明治2)年 絹本・彩色 山種美術館

 


鈴木其一《四季花鳥図》19世紀(江戸時代) 紙本金地・彩色 山種美術館

 

山種美術館では展示室に入って正面の壁には、毎回必ず展覧会を象徴する作品をセレクトして展示しているのだそうです。

今回、選ばれたのは小林古径「菖蒲」。これから5月に入り、季節を象徴する花であることと、山崎種二さんとも親しい画家だったということから今回展の「顔」として選ばれたのだそう。ちなみに色とりどりの花菖蒲が生けられた古伊万里の壺は、実際に古径が所蔵していたものです。

 


小林古径《菖蒲》1952(昭和27)年 紙本・彩色 山種美術館

 

 

こちらは、小林古径の別の作品。青い鳥(瑠璃鳥)とお花(泰山木)がとってもオシャレです。


小林古径 《白華小禽》1935(昭和10)年 絹本・彩色 山種美術館

 

 

 

次に、奥村土牛「醍醐」。これは枝垂桜を描いた作品です。土牛は小林古径に師事しており心から尊敬していたそうです。古径の7回忌で訪れた薬師寺の帰り道に立ち寄った醍醐寺で、土牛はこの桜に出会い、その後10年近い時間をかけ作品を完成させました。普通、桜を描くときは花を主にしますが、この作品はどっしりとした太い幹が画面中央に描かれている点がユニークです。土牛はこの桜に古径の姿を重ねたとも言われているので、この幹は大きな存在であった師の姿を映したものなのかもしれませんね。

 

 


小林古径 《白華小禽》1935(昭和10)年 絹本・彩色 山種美術館

 

 

加山又造は、山種美術館のエントランスを入って正面にある《千羽鶴》の壁画の絵付をしています。今回展示されている加山又造の「華扇屏風」は、金と銀がふんだんにあしらわれた大変艶のある作品です。背景や波の模様は平安時代の《西本願寺三十六人家集》に使用した料紙装飾を意識して描いており、扇面を散らして画面を構成するのは、江戸時代・琳派の流れを汲んでいると思われます。平安時代の料紙装飾から江戸の琳派まで、古典を良く研究した成果ともいえる、見ごたえのある作品となっています。

 

 


加山又造《華扇屏風》(左隻)1966(昭和41)年 絹本・彩色 山種美術館

 

 

今回は参加者が多かったこともあり、よく作品が見えなかった、声が聞こえづらかったという方のために、ギャラリートークは第二ラウンドも開催していただきました。こちらは学芸員の山本由梨さんによるツアー。第一ラウンドでは紹介されなかった作品についても紹介していただき、二回目のツアーも大勢の方が参加されました。

 

 

 

 

 

 

色々なトリビアも学芸員さんならでは。

今回、花の作品だけを集めた展覧会ということで、描かれた花について、種類や原産地、花言葉のキャプションがついていました。
お花好きの人のニーズも満たす細やかなパネルも要チェックです♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アート女子はお酒&食べ物が好き!?妄想アートデート・トークショー

 

 
 
 

ショッピングタイムを経て、いざ第2部へ。

ガールズアートークの人気企画「イケメンと行く妄想アートデート」のトークショータイムです。司会はお馴染み、アートテラー・とに~さん!

 
 

 

 

トップバッターはガールズアートークの山口智子。プラン名は「大人の休日アートデート」。デートエリアは進化した天王洲アイルです。ゆっくり午後に待ち合わせをしたなら、まずは「PIGMENT(ピグモン)」にてオリジナル絵の具作り。「T-Art Gallery」にてアート鑑賞後は、美味しいものとお酒を楽しむ…。忙しく働く現代の女性にぴったりのコースでした。

続いて、山口もも子の箱根でゆっくりじっくりデート。最初に訪れるのは「箱根彫刻の森美術館」。次に強羅公園にある「箱根クラフトハウス」でサンドブラスト体験をします。出来上がったグラスを持って宿にチェックイン、お酒で乾杯。翌朝は「箱根ガラスの森美術館」へ。併設のカフェでお茶をしながら、想い出に浸るという女子の憧れが凝縮されたプランでした。

 

 

ガールズアートークの週末女優・川嶋一実がプレゼンするは、異国情緒あふれる横浜デートです。これもやはり午後からの待ち合わせ。神奈川芸術劇場でのお芝居を鑑賞後、「象の鼻テラス」に行き、「Motion Blue」で飲みながら音楽を聴きます。良い気分になったところで、赤レンガ倉庫で愛を語り合い、帰りがたい夜へと…。うーん、ロマンチック!

 

 

ここでなんと、山種美術館の学芸員さんからの妄想デートプレゼンが!

 

 

山種美術館・学芸部長の高橋美奈子さんのプランは「Cool Japan!」がコンセプト。山種美術館を鑑賞後、縁結びのスポットである氷川神社へ。末永い幸せを願ったら、隠れ家的レストラン「エパヌイ」へ。腹ごなしを兼ねて歩き、岡本太郎記念館へと。根津美術館では、ちょうどこれから燕子花が見頃なのだとか。最後は「BLUE NOTE」でジャズを楽しむ…。正に王道のアートデートです。

 

次の提案は、山種美術館・学芸員の塙萌衣さんから。「花*Flower*華ー琳派から現代へー」を楽しんだら、「写真集食堂 めぐたま」へ。がっつり食べたいときは「ゴッサムグリル」に。「cote cour」のブラウニーは恵比寿に来たら絶対食べて下さい!とのこと。東京都写真美術館でアートに触れたなら、ディナーは「レッドペッパー 恵比寿店」またはネパール料理屋「ソルティーモード」へ。恵比寿の食が満載のプレゼンでした。

 

 

満を持しての登場、ガールズアートーク代表・新井まるの提案は「癒しのデート」。山梨でのドライブデートだそうですが、初っ端からお酒の話に…。 まるさん、飲酒運転は法律違反ですよ!(笑) 昇仙峡にあるキュートな「オットセイ岩」、高さ30Mの「仙娥滝(せんがたき)」といった名物スポットを巡ったら「影絵の森美術館」へ。メルヘンな世界に思い切り浸り、絶景の「ほったらかし温泉」へと。自然と芸術を愛する、新井まるらしいプランでした。 最後に、三菱一号館美術館、東京国立近代美術館、ブリジストン美術館から一人ずつ集まった3人ユニット「美熱女子」からのプレゼンを、とに~さんが代理で読み上げて下さいました。美熱女子のみなさんそれぞれのキャラクターが出ていてとっても面白い! パリデートのプランまでありました。(パリでのアートデートは全女子の憧れですね…。)

 

とにかく、プレゼンに出てくるのは「お酒」&「食べ物」。
アート好き女子は食にもこだわりがあることが判明しました!
男性陣、少しは参考になったでしょうか?

 

 

 

 

 

 

~イベントを終えて~皆さま本当に有難うございました!

 

 

今回のイベントを通して初めて出会った方同士が、早速、お友達になっている姿も見受けられました。自分とは異なる年代の方触れ合い、新たな作品への見解を知ることが、良い刺激になるという方も。ガールズアートークでは「アート」を通して、これからもどんどん人の輪を繋いで行きたいと思います。 5年目に突入したガールズアートークを、これからもどうぞ宜しくお願いします!

最後に・・・展覧会会場では、今まさに季節の花・牡丹を特集したコーナーもありますので、ぜひ画家の個性あふれる牡丹の図をお楽しみくださいね!

 

 

 

 


渡辺省亭《牡丹に蝶図》1893(明治26)年 絹本・彩色


鈴木其一《牡丹図》1851(嘉永4)年 絹本・彩色 山種美術館

 

 

協力:山種美術館
取材・文:鈴木 佳恵 写真:吉澤 威一郎

 

 

「花*Flower*華ー琳派から現代へー」
会期:2017年4月22日(土) ~ 6月18日(日)
会場:山種美術館
主催:山種美術館・朝日新聞社
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日
入館料:一般1000円(800円)・大高生800円(700円)・中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金および前売料金。※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)は無料。
きもの割引:会期中、きものでご来館のお客様は、団体割引料金となります。リピーター割引:使用済み入場券(有料)のご提出で会期中の入館料が団体割引料金となります(1枚につき1回限り有効)。



Writer

鈴木 佳恵

鈴木 佳恵 - Yoshie Suzuki -

フリーランスの編集者。
広告代理店に勤務後、フリーランスに。
得意分野は映画と純文学。
タルコフスキーとベルイマンを敬愛し
谷崎潤一郎と駆け落ちすることが夢。

 

暇があれば名画座をハシゴしています。