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恋する♡アートデート 人情味溢れる街でギャラリー巡り! アートデートin馬喰町♡

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2014年9月26日

恋する♡アートデート 人情味溢れる街でギャラリー巡り!  アートデートin馬喰町♡


恋する♡アートデート

人情味溢れる街でギャラリー巡り!

アートデートin馬喰町

 

 

 

 

アートの街と聞くと近代的で都会的な場所を想像しがちですが、昔ながらの下町にもギャラリーが沢山集まっているアートの街があります。

コレクターさんやアートファンの間ではよく知られているエリアですが、私にとっては意外な、浅草橋駅で待ち合わせ、早速ギャラリー巡りに出発しました。

 

本日のデートをエスコートしてくださるのは、屈指のアート好きと名が高く、ギャラリー通いが生き甲斐というアートウォッチャーの加藤大輔さん。毎週のように訪れるというお気に入りの馬喰町エリアを案内していただきました。

 

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下町感たっぷりのこのエリアは歩くのも楽しみのひとつ。人情味溢れる駅前から歩くこと約10分でお目当てのギャラリー「ラディウムーレントゲンヴェルケ」に到着しました。

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白い壁に赤いドアのオシャレな外観。ドアに取手がないのでどうやって入るか躊躇してしまいますが、加藤さんが押し開けてくださいました。

 

 

 

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入ってすぐ、受付エリアの真っ赤な壁に展示されているのは、「毒」をテーマにしている長谷川ちか子さんの作品。

イタリアルネサンスの時代の名家、メディチ家からフランスに嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスの紋章と、フィレンツェのウフィツィ美術館にあるメディチ家のコレクションルームの内装、海洋生物のアメフラシから採取した毒の化学式が組み合わされ、強大な財力や権力の裏側にあった陰謀を示唆する内容になっています。

 

 

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一通り盛り上がってから早速二階の展示空間へ。

 

 

 

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ずらりと並んだ小さい写真は、すべて何かの機械を撮ったもの。

 

写真の機械は、宇宙のはじまりや、人間がどういうふうに物質化されていったか、など分子の在り方から研究している、世界各地にある巨大な研究施設。

その研究に何千億も使って、お金に糸目をつけずに世界のトップの科学者たちが集まって基礎研究をしているというのだから驚いてしまいました。

 

例えば、スイスのジュネーブにある「CERN(欧州原子核研究機構)」では地下100mに27Kmの長さのトンネルを掘って、加速器という機械を取り付けて素粒子を光の早さで走らせています。そこで起こった事や、出て来たものをいろいろと調べているのだとか。素粒子物理学の総本山と言われている施設です。

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2005年くらいからこのような施設をまわって写真を撮られているという吉岡さん。

そもそものきっかけは、吉岡さんがアメリカにお住まいだった頃のルームメイトが、カリフォルニア州にある、巨大な施設の研究者だったこと。

「その施設は宇宙の誕生について研究していると聞かされて、宇宙の誕生の謎を研究している施設が地球上にあるなんて!しかも国直下の施設でそんなロマン的なことを研究しているなんて。」と、とても衝撃を受けたのだそうです。

 

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研究の対象も、施設も、予算も、すべてが他と比べ物にならないくらいのスケールの大きさ。今となっては、秘境アマゾンにだって旅行ツアーで行ける時代だけれど、それでも私たちには全く想像がつかない世界です。

そんな巨大なスケールの施設やメカを敢て今回は小さなサイズで展示しています。吉岡さんの「標本箱に収集したメカ・メカコレクション」をみながら、私たちは束の間宇宙に思いを馳せたのでした。

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そして次に向かったのは武蔵野美術大学が運営しているというギャラリーαM。

 

布に絵を描いて何度も洗ったものが洗濯物のようにずらーっと展示してあります。

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一見キレイかな、と思って近寄ってみてみると、歴史の教科書で見かけたような歴史上の人物や、戦争の兵士のような姿も見当たりました。

 

奥には小さな資料スペースもあるので、過去の展示資料などをみながら足を休めることもできますよ。

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そして最後はギャラリーやカフェが集まっているワクワクするスペースへ向かいます。

その前にお腹が空いたので馬喰町ART+EATでランチをいただくことにしました。

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こちらはカフェとギャラリーが融合したスペースで、ご飯をたべながら展示も楽しめちゃいます。

東地中海料理が中心のメニューから、わたしはレバノン風ビーフストロガノフをチョイスしました。

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さて、エネルギーチャージが完了したところで、再びギャラリー巡りスタート。

隣の建物にある、ギャラリーTARO NASUにお邪魔しました。

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こちらでは、富士の樹海に不法投棄されたゴミを拾い集めて立体に組み上げてそれを撮影して帰ってくるということを2年間やり続けたアーティスト、万代洋輔さんの作品が展示されていました。

 

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万代洋輔「あばら骨しか信頼してないじゃないですか俺 」

 

 

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万代さんご自身が、何故そういうことをしていたのかを今になって振り返りつつ、写真とは自分にとって何なのか、また写真という概念は何なのかという、写真というものへの考察と組み合わせてつくられたシリーズの作品です。

 

万代さんは、富士の樹海で写真を撮っていたことを「供犠的情念につき動かされて」と表現していますが、人が神様に何かを捧げて祈る時は、自分の力では超えられないことに直面した時で、当時の万代さんもそれに近い状況で、自主的とか能動的にではなく、受動的に何かに突き動かされて行っていた。

まず、自分の直感を形にするということが作品をつくる行為の中にでてきて、それが何なのかは後から分析がついてくる。そして、もう一回廻って作品にもどってくるというプロセスが万代さんの制作活動の常です。

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私たちだけでただ見てもなかなか理解が難しいですが、ギャラリーの方に説明していただいたので色々と知る事ができ、楽しめました。気軽に質問してみるのもいいかもしれません。

アートというと、その作品をどういう想いでつくったのか、ということをいつも気になっていましたが、意味が後からついてくることもあるのだなぁと新鮮な発見をした気分になれました。

 

 

 

 

 

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また、お隣のギャラリーtaïmatzでは蛭子未央さんの個展「家電」をみることができました。

 

Taïmatzは日本の若手作家のペインティング専門のギャラリーです。

 

 

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蛭子さんの作品はキレイな色で描かれていて、一見風景画のようですが、実は誰もが知っているビックカメラだったり、apple storeだったりして、「あ!これはapple storeだね」などと見つけるのも面白かったです。

 

 

 

そんなこんなで盛りだくさん大満足のアートデート!

初めての場所で初めてのギャラリーで少しドキドキしていましたが、そこは流石の加藤さん。いつものルートをさらりと、そしてギャラリストさんと親しげで沢山説明を引き出してくださったので緊張もほぐれてとても楽しめました。

 

 

 

<今日のデート辛口採点!>

★★★新境地開拓成功!安心感抜群の星三つ

 

<本日のお相手>

 加藤さん

加藤大輔

メーカーで働きながら、週末はギャラリーや美術館に足繁く通う「現代アートおたく」。SNSで美術に関する情報や展覧会の様子、作家の横顔を草の根的に発信しつつ、年に数回雑誌やウェブマガジンで若手作家を紹介することも。

 

 

 

 

「メカ・メカ」吉岡さとる個展

■営業時間:11:00-19:00
■会場:ラディウムーレントゲンヴェルケ
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
■電話/fax:03-3662-2666
■URL:http://www.roentgenwerke.com/
■mail:info@roentgenwerke.com

 

 

パランプセスト ―重ね書きされた記憶 vol.2 岩熊力也

キュレーター:北澤憲昭
Curated by Noriaki KITAZAWA
●岩熊力也 Rikiya Iwakuma
2014年6月28日(土)~7月26日(土)
11:00~19:00 日月祝休 
入場無料

ギャラリーαM  (アルファエム)
東京都千代田区東神田1-2-11アガタ竹澤ビルB1F  
T 03 5829 9109  F 03 5829 9166  alpham@musabi.ac.jp 
www.musabi.ac.jp/gallery

 

馬喰町ART+EAT

営業時間:火〜木 11:00〜19:00(ラストオーダー18:30)
金・土11:00〜21:00(ラストオーダー20:30)
日、月、祝日休廊
〒101-0031東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル202
TEL:03-6413-8049

 

TARO NASU

〒101-0031  東京都千代田区東神田 1-2-11
Tel. 03-5856-5713
Fax. 03-5856-5714
火~土11:00~19:00 日月祝 休
info@taronasugallery.com

 

taïmatz

〒101-0031  東京都千代田区東神田 1-2-11
1-2-11 Higashi-Kanda Chiyoda-ku Tokyo 101-0031 Japan
TEL +81 (0)3-5820-8088
info@taimatz.main.jp

 

<これからの展示情報>

■TARO NASU
春木麻衣子個展
2014.10.10-11.8

■taimatz
泉イネ個展
2014.10.4-11.1

 

 

執筆:新井まる

記事監修:チバヒデトシ

撮影:洲本マサミ

 



Writer

【代表】新井 まる

【代表】新井 まる - MARU ARAI -

話したくなるアートマガジン「ARTalk(アートーク)」代表

株式会社maru styling office 代表取締役

 

イラストレーターの両親のもと幼いころからアートに触れ、強い関心を持って育つ。大学時代からバックパッカーで世界約50カ国を巡り、美術館やアートスポットなどにも足を運ぶ旅好き。新卒採用で広告代理店に就職し3年間勤務の後、アパレルEC部門の販促に約1年間携わる。人の心が豊かになることがしたいという想いから、独立。2013年にアートをカジュアルに楽しめるwebマガジン「girls Artalk」を立ち上げる。現在は「ARTalk(アートーク)」と改名し、ジェンダーニュートラルなメディアとして運営中。メディア運営に加え、アートを切り口にした企画・PR、コンサルティングなどを通じて、豊かな社会をめざして活動中。

好きなものは、自然と餃子と音楽と旅。

 

●Instagram: @marumaruc   

話したくなるアートマガジンARTalk(アートーク)」