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「この人に会いたい!」〜TOKYO PHOTO 2013開催 代表の原田知大さん〜

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2013年9月24日


「この人に会いたい!」〜TOKYO PHOTO 2013開催 代表の原田知大さん〜


Interview

TOKYO PHOTO 2013開催

代表の原田知大さんに聞いてみました。

 

 

 

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2009年に幕を開けた現代アートとしての写真の祭典TOKYO PHOTO。

国内外からトップギャラリーが集結。今年はなんと会場を増上寺へ移転。テートモダンのキュレーターによる特別展示や酒ナイトの開催、フォトカードの販売など、ガールズにも必見のイベントがまもなく開幕。アンドレアス・グルスキー展で混み合う国立新美術館で、代表の原田知大さんにインタビューしてまいりました。

 

 

 

NYのGagosian Gallery、ベルリンCAMERA WORK, etc.

 

 今日美術館すごい込んでますね。グルスキーの取り扱い画廊でもあるガゴシアンギャラリーなんだけど、今回のTOKYO PHOTOにも出展しますよ。そこの担当者とグルスキーどうかなって話はしていたんだけど、エド・ルシェを持ってくるかもしれない。エド・ルシェってペインターだと僕ずっと思っていたんだけど、けっこう写真をやったり、元々デザインもやっていた。リチャード・プリンスとか、その年代の人たち、ウォーホルだって写真や映像やってましたけど、特化した表現ではなくて、インスタレーションとかコンセプチュアルとか、色々ミックスしていた。 さっきそこで偶然会ったアランっていうのも、写真家なんですよ。カメラワークていうベルリンのギャラリーから出している。そこ去年すごい売れたんですよ。マーティン・ショーラーのジョージ・クルーニーのポートレイトなんて全部売れちゃった。今年も彼ら来ますよ。もちろん日本のギャラリーもたくさん参加します。

 

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5年目をむかえたTOKYO PHOTO

会場を増上寺へシフト!“らしさ”と“ライブ感”を重視

 

 

 今回はTOKYO PHOTOらしさをもっと出していきたい。増上寺って、スペースとしてすごくおもしろいんですよ。江戸と関係が深く、戦後焼かれて立て直されたり、比較的寺としては新しいところなんですよね。東京ぽさっていう面において、まぁ東京タワーも近いですし。現代アート的な写真を含めて写真というものがきわめて現代的であるとするならば、増上寺みたいな若干クラシックなところでの意外性のあるマッチングはおもしろいと思いますよ。海外の作品にこだわるわけではなく、もちろん日本の作家さんもいっぱいいる。

 

 

 TOKYO PHOTOってライブイベントっていう位置付けもあるんじゃないかな。今年ここでやってどういう作品がくるかわからないから、それを見にいく買いに行くっていう。毎年同じところでやっていると美術館と変わらなくなってしまうでしょ。僕、アートフェアとしてはロンドンのフリーズがすごい好きなんですね。なぜかっていうと非常にライブ感があるし、ロンドンていう都市がすごく気持ちがいいんですよ。

 

 

 元々僕は増上寺が使えるってことも知らなくて、知人から紹介していただいた。初めて会場を見に行った時は、従来のミッドタウンに比べると少し小さいからちょっと難しいかなぁと思った。ミッドタウンと増上寺って近いんで、二つの会場を使おうかとも考えた。ただ、六本木アートナイトやアートフェア東京とかG東京見ていて、やっぱり集中させるべきだなって。ばらばらにするとメッセージも伝わりにくいし、誤解も生みやすいから良くないなって。それで今回も当初はミッドタウンで開催しようということになっていた。

 

 ただ、規模的な拡張という意味では今年は大きくなるとふんでいた部分もあったんですが、ちょうど2.3ヶ月前ってまだ出展者も固まっていなかったわけですよ。その時点では去年よりも小さくなるという懸念があったんで、ミッドタウンでやるにしても全体使う必要ないかもしれないと。それなら増上寺でも出来るんじゃないか、という現実的なところから始まってますね。

 

 

 

必見!Pictures From Moving Cars 「車窓からの眺め」

Curated by Simon Baker (TATE Modern)

 

 今回の特別展示は、キュレーションをアメリカちっくな内容にしました。コンセプトは「ピクチャーズ・フロム・ムービングカーズ」、要するに「動く車からの写真」ってことなんですよ。自動車産業、車とフリーダム、アドベンチャー的な要素が濃く、非常に西海岸的なものになるでしょう。キュレーションはテートモダンのサイモン・ベーカー氏にお願いしている。

 映画にもなって今公開されているジャック・ケルアックの「オンザロード」という小説があるけれど、あれに触発されたアーティストが50年代60年代にいた。その中にジョエル・マイロウィッツっていう写真家がいるんだけど、彼もオンザロード的な写真を撮っている。偶然なんですが70年代に森山大道さんも車で移動しながら、車の中から撮るという手法をとっていた。それからジョン・ディヴォラ。彼ら三人の写真家による展示です。

 

 

 

感覚的に取り入れる

コレクターの存在

 

 アートってすごくおもしろいけど、音楽ほどマスに対する影響力がない。そのかわり、買える層の人もしくは、社会でエリートと呼ばれている人たちが感心をもつべきものだと思う。写真は単価が安いから、アートコレクションとしては入りやすいんじゃないかな。これまでの購買層でいえば、30代、40代の個人のお客さんが多かったですよ。ぱっときてぱっと買う、みたいな。友達や知り合いでお客さんとして来てくれて、その場で気に入ったものを買う。もちろん事前の情報もあるかもしれないけれど。30万から100万円くらいのものですから。もちろん安くはないけど、ぱっと見て感覚的に取り入れられる人って日本にもいますよ。そういう人たちが1000万円クラスの作品を蒐集しているかというとそうでもないし。その手始めに写真というのがあっていいかもしれない。

  コレクターって結局フェアでなくても買う人たちじゃないですか。それに、良いフェアに良い作品が出てるからそれ目がけて買いに行く人とかがそんなにいるわけじゃない。たとえばG東京とかのタイミングに合わせて、作家さんが作品を発表するっていう流れが出来ているならそれもありだと思うけれど。全体の流れとしてはそういう感じではない。アートフェアの中ではなく。それ以外のギャラリーの方で商談があることはあるかもしれないけど。アートコレクターっていっても、そんなにいるわけではないですから。もちろん海外でもそういう人たちはいますけど、彼らが日本に買いに来るかといえばそういうわけでもない。まぁ5回目ともなると、作品が売れないとなるとかなり問題になるからね(笑)。

 

 

 

マテリアルなフォト 

写真との新しい付き合い方

 

 

 

今回は物販に力いれていますからみなさんにも気に入っていただけるんじゃないかな。たとえば、写真を写真集でもなくポスターでもなくポストカードでもなく、別の形体のフォトカードみたいなものとして、350円くらいで売ろうと思っているんです。野球のベースボールカードにヒントを得た。アートが手で持ち歩けて、おもちゃ感覚でおしゃれで、もっとグッズとしてのデザイン性があってもいい。いかに身近にするかって、これなんですよ。

 

 写真は印刷物ということもあり、もっともっと多様性のある新しいつきあい方がしたいですね。最終的にはね、その作品そのものやコンセプトがあったりってなっていくけど。

 

今、写真がデジタル、情報になっちゃったわけじゃないですか。ただね、こうやって実際に会って話しをしていて、そうなると当然現実の世界でおこっているわけだから。

 

たとえばポケットにこのフォトカードをこうやっていれておくわけですよ。それで街角で落としてみる。あっって落とすんですよ。で女の子に拾ってもらう。落としましたよって。僕ね、以前それボタンでやってたんですよ。ボタンをひろって、落としましたよって、あ、え、ボタンないですって。ぼくナンパしない日ないですから。ご飯食べない日がないのとおんなじですよ(笑)。

印刷物としての写真のおもしろさってこういうところに集約されています。

 

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それと他にはポスター作ってます。写真を引き伸ばして印刷してポスターにしましたってことよりも、そもそもポスターを作りたかったていう。僕ポスターから入っているからさ笑。印刷しただけだとつまらないから、表面に加工したりとか。今回も招待状とかもUV加工していたりする。

 

 

 

 

カルチャーシーン全体のお話し

「日本でアートって、はじっこの方ですよね」

——原田氏自身について

 

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カルチャーシーンが、アートもクラブ音楽も、デザインも建築もそうだし、ファッションも含めてそういうのは総体としてある。日本は結局全体のオーガナイズが上手くない。ファッションとかクラブカルチャーとか、ユースカルチャーまで含めてって雰囲気じゃないよね。上野の動物園の代わりにここに国立新美術館があるっていう、そんな感じゃないですか(笑)。今の日本のカルチャーシーンは完全にファッションと商業、のみ。アートは端っこの方。メディアも芸能界ばっかり、ニュースばっかり。終わり(笑)。

 

僕のバックグランドは元々ビジネスの方面で、アートにそんなに興味があったわけではないんです。学生の頃シカゴにいて、美術館の周りにあるショップでポスター買ったりしていましたけど。クレーとかピカソとかかな、ルノアールやモネとか印象派は飾る気全然なくてね。それに写真もまだそんなに興味なかった。

 

 

仕事をアメリカで始めて、会社のそばに美術館があったので、よく通っていましたね。ミュージアム・オブ・コンテンポラリーアート・シカゴ、というところがあって、そこにウォーホルはじめ、チャック・クロースとかドナルド・ジャットとか、当時は意識していなかったけど、今でもおもしろいのが置かれていた。僕なんて特にポスターから入ってるから、アートは壁に掛けるものという認識から始まっているんだけど、インテリア的な要素もあったんですよね。ジャットなんてそうじゃない、壁に棚みたいなのがあって。チャック・クロースに関して言えば、その頃大規模な個展をやっていた。90年代の半ばくらいだと思うけど。壁一面に大きな絵が飾ってあって、それも写真に見えるわけですよね。それこそアンドレアス・グルスキーもまだなかったから、あんなでっかいの見るとすごい、ってなってたんですよね。それにシカゴはやっぱり企業文化が強いんですが、そんな中にアートがあって、食とかカルチャーがあった。

 

 

2000年に入る手前はニューヨークにいたんだけど、あっちはアーティスト文化とかクラブカルチャーとかが強いんですよね。MOMAやグッゲンハイム、色んな展覧会に行きましたね。ただそれだけじゃなくてクラブや音楽イベントにも行ったりして。インターネットが95年頃から広まって、情報の伝わり方が変わったわけですが、ニューヨークにいいDJが集まったりして、DJカルチャーが発達した頃ですよね。

 

その後ロンドンに行ってたんですよ。行きの機内誌でグルスキーの写真見て、ウワかっこいいって思ったんですよ。今から10年くらい前の話しだけど、当時のロンドンはミレニアムブリッジやデザインミュージアムが出来たり、YBAが出てきたり、クールブリタニアてやつで、すごくかっこよかったですよ。そして日本もクールジャパンとかいって真似してるんだけど。

 

 

 

トラフィックをうむ

写真の地位向上とダイナミックなビジネス展開

 

 世界から来た人がおもしろいと思ってくれるものであれば、何の作品見たかも覚えてないけど来年も来ようっていうのを作りたいんですよ。結局ね、人が来る理由って企画力なんですよ。作品が良いのも当然だけど、やっぱりディレクションしていかないと、どんどん退化するし老化していっちゃう。われわれは美術館やアートギャラリーやるわけでもなく、かしこまって見せるのでもない。

 今までのアートフェアが写真になりましたっていうのではなく、新しいムーブメントをつくっていく必要がありますよね。意識の高い人たちや若い人たちを含めて交流をしていく。トラフィックを生もうとしている。みんなで写真カルチャーを共有するっていう流れを作りたい。 食、ファションその他のメディアも含めて、われわれのグッズ展開もそうですし、美術館それから出版、アートギャラリーとの連携をどんどん強めていく。写真というもので日本をブランディングしたり。杉本博司にしたって、アラーキーにしたって、日本にはすごい写真家がいるわけですから。海外にも売りに行けるし海外からも買いに来る。写真の地位を向上させて、そういうダイナミックなビジネス展開をしようと思います。 

 僕はアート至上主義でもないけど、アートがあったから生活が豊かになった部分もあるし、アートがなくなった時の状況ってただ単純につまんない生活になっちゃうと思う。美味しい食事ができなくなるようなもの。

 

 

927日はSAKE NIGHT開催!

 

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9月27日金曜の夜は酒ナイトをやります。プレオープンが26日の木曜の夜なんですよね。たぶんこられる人も限られるでしょうから、金曜の夜に開催します。いくつか日本酒の会社とタイアップして、試飲しながら作品を見るってなりますから、みなさん参加してくださいね。

 

 

 

〈イベント情報〉

TOKYO PHOT 2013

会期:2013年9月27日(金)〜30日(月)

場所:増上寺(港区芝公園4−7−35)

チケット:一般1,300円/学生1,000円/前売り1,000円

(9月27日のみ学生 500円)

SAKE NIGHT 9月26日19:00-22:00

http://www.tokyophoto.org/2013/

 



Writer

★【代表】新井 まる

★【代表】新井 まる - MARU ARAI -

アート専門webマガジン「 girls Artalk 」代表 / 株式会社maru styling office 代表取締役

 

イラストレーターの両親のもと、幼いころからアートに触れ、強い関心を持って育つ。

大学時代からバックパッカーで世界40カ国を巡り、美術館やアートスポットなどにも足を運ぶ旅好き。

新卒採用で広告代理店に就職し営業として3年間勤務の後、アパレルEC部門の販促に約1年間関わる。その後、一念発起して独立。アート専門webマガジン「girls Artalk(ガールズ・アートーク)」を立ち上げ、アートの魅力を伝えることに日々奮闘している。

 

好きなものは、餃子とお酒と音楽と旅。

 

 

 

★「 girls Artalk(ガールズ・アートーク) 」は、「ガールズトークをするように、アートの話をしてほしい」という想いからできた、アートをもっと身近に楽しむためのアート専門webマガジン。各分野で活躍する女性ライターやモデルたちがリアルな目線で情報を発信。アート業界から注目を集めている。

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