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日仏メディアアートに衝撃!第6回「デジタル・ショック」 ―欲望する機械― 

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2017年2月27日


日仏メディアアートに衝撃!第6回「デジタル・ショック」 ―欲望する機械― 


日仏メディアアートに衝撃!第6回「デジタル・ショック」 ―欲望する機械― 

 

前回は トークショー「人工知能の時代のクリエーションについて」の様子をレポートしました。今回は『第6回「デジタル・ショック」 ―欲望する機械―』の展示作品をいくつかピックアップしたいと思います!

第6回となる本展は、アンスティチュ・フランセ東京を中心に、20以上のイベントが都内各所で開催されます。そのどれもが、機械やロボットと人間の関係性に焦点を当て、人工知能が私たちにどのような未来をもたらすかというテーマのもと展開されていきます。そこには面白いデジタル・アートがたくさん!

 

■モーターファミリー・ジャム・バンド / 宇治野宗輝(うじのむねてる)

会場であるアンスティチュ・フランセ東京に展示されているのは、宇治野宗輝さんの『モーターファミリー・ジャム・バンド』。宇治野さんはこれまで、生まれ育った20世紀の日本の消費社会を背景に「物質界のリサーチ」として家電製品や自動車、家具などを用いたサウンド・スカルプチャーを制作してきました。そして、それらを使い様々な展覧会やライヴパフォーマンスを国内外で行ってきました。この作品は、そのサウンド・スカルプチャーのプロジェクト「ザ・ローテーターズ」の最新作です!

家電製品とエレキギターの技術を接合したドラムマシン、コンピューターを使用しない機械バンドの生演奏をヘッドホンを通じて鑑賞することができます。彼らの生み出すサウンドは予測不可能な複合リズムによって奏でられます。

 

ポールという名のロボット / パトリック・トレセ

この作品は、「絵を描くロボットと観客のインタラクションを通して人間の行動を探求する演劇的なインスタレーション」です。学習机に設置されたアーム型のロボットが黒いボールペンを握り、木の棒に取り付けられたカメラが椅子に座っている観客を捉えます。そして、まるで生きた人間のように椅子に座る人の顔をデッサンするのです。

書き上げられた肖像画は、12000枚ものデッサンからなる記念碑的インスタレーション作品『Collection』の一つに加わります。

 

■棒人間の知能 / 松尾拓実

この作品は、AI(人工知能)を搭載した棒人間が様々な障害物にぶつかりながら、ゴールを目指してひたすら走る様子を映します。しかし、棒人間はゴールにたどり着けず、死んでしまいます。その様子を延々と繰り返すことで、何も学ばない人工知能を表現しています。私たちの知能を凌駕するほど、昨今の人工知能は目覚ましい発展を遂げています。一方でこの作品の人工知能は、何も学びません。危険があっても次の瞬間には忘れてしまうのです。

人間は機械と違って忘れる生き物です。それが人間と機械の大きく異なる点かもしれません。忘れるということが人間を人間らしくするのであるならば、覚えてうまくやることが知性なのではなく、忘れられることこそが知性なのではないかと考えさせられます。

 

いかがだったでしょうか?このようにデジタル・ショックは、インスタレーションやオーディオビジュアル・パフォーマンス、対談などを通して、すでに新しいものではなくなった人工知能というテクノロジーが、私たちにどのような未来もたらすのかを解明することを提案します。メディアアートという新しい分野における日仏間の文化交流と、そこから生まれる刺激的で創造性豊かなプログラムをこの機会に楽しんでみてはいかがですか?

 

文:鈴木萌夏

写真:田村渓太郎

 

【情報】

第6回「デジタル・ショック」 ―欲望する機械―

会期:2017年2月10日(金)~3月20日(月・祝

会場:アンスティチュ・フランセ東京、東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)、渋谷WWW、gallery COEXIST-TOKYO、EARTH+GALLERY、座・高円寺、ほか

主催:アンスティチュ・フランセ東京

詳細:http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/digital-choc-2017/

 

【プログラム(予定)】

2月17日(金)19時 @渋谷WWW

○ライブ・パフォーマンス『欲望する機械(マシン・デジラント)』 出演:Qosmo AI DJ + Nao

 Tokui (Back to Back set) / ビジュアライゼーション:Shoya Dozono、Sonic Robots (モーリッツ =サイモン・ガイスト)、ダヴィッド・ルテリエ(a.k.a Kangding Ray)、他

2月10日(金)~3月19日(日)@アンスティチュ・フランセ東京

○宇治野宗輝『モーターファミリー・ジャム・バンド』(インスタレーション)

○パトリック・トレセ『ポールという名のロボット(Etude Humaine #1, RNP-J.a)』(インスタレーション)

○サミュエル・ビアンキーニ『ALL OVER』(インスタレーション)

○自然知能研究グループ『棒知能(Bar Intelligence 01)』&松尾拓実『棒人間の知能』(インスタレーション、2月19日まで)

2月11日(土)~26日(日)@gallery COEXIST-TOKYO

○Disnovation.org、渡邉朋也、Goh Uozumi、Yumiko a.k.a MTP

『プレディクティブ・アートbot』展

2月11日(土)~3月12日(日)@六本木ヒルズ森タワー52階 東京シティビュー(Media Ambition ○Tokyo)

ダヴィッド・ルテリエ『ヴァーサス』(インスタレーション)

2月11日(土)@六本木ヒルズ森タワー52階 東京シティビュー

○Media Ambition Tokyo Live

2月15日(水)~21日(火)@EARTH+GALLERY

○ジュスティーヌ・エマール『生まれ変わる ReBorn』(インスタレーション)

2月20日(月)@gallery COEXIST-TOKYO

カテリーナ・バルビエーリ スペシャル・ライブ

2月21日(火)~26日(日)@東京ドイツ文化センター

○Sonic Robots(モーリッツ=サイモン・ガイスト)『Tripods One』(インスタレーション)

2月24日(金)19時 @東京ドイツ文化センター図書館

○ハイケ・ノイロート講演会「デジタル・ヒューマニティーズ」

3月3日(金)~12日(日)@六本木ヒルズ森タワー3階 プレゼンテーションルーム(Media Ambition Tokyo)

○ノガミカツキ『Rekion Voice —礫音—』(インスタレーション)

3月4日(土)・5日(日)@アンスティチュ・フランセ東京

CCMC2017 コンテンポラリー・コンピューター・ミュージック・コンサート

3月8日(水)@アンスティチュ・フランセ東京

○上映会:ゴブラン特集

3月17日(金)19時 @アンスティチュ・フランセ東京

○『Practicable』出版記念ラウンドテーブル 登壇:サミュエル・ビアンキーニ、他

3月18日(土)~20日(月・祝)@座・高円寺

○子供向け参加型ライブゲーム『OCTOPOP』

4月7日@Club Sankeys TYO

○ライブ「フレンチ・ウェーブズ」

デジタル・ショック賞2017

 



Writer

鈴木 萌夏

鈴木 萌夏 - Suzuki Moeka -

girlsArtalkでは毎日の【今週のおすすめアート】を担当。

1996年8月6日生まれ。

女子美術大学アートプロデュース表現領域の学生。

銭湯でのアコースティックライブ『肩までつかりましょ』などのイベントを企画している。

 

 






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