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アート女子のアートな目線「偶然から生まれるアートvol.2〜ロシアアヴァンギャルド〜」

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2013年5月14日


アート女子のアートな目線「偶然から生まれるアートvol.2〜ロシアアヴァンギャルド〜」


▼偶然から生まれるアート
vol.2「ロシアアヴァンギャルド」

アートは生き物。これと決まったルールはなく、偶然の中でいかようにも姿形を変えるから。

今回は「ロシアアヴァンギャルド」を紹介します。

名前のとおりロシアで生まれた芸術の形ですが、ロシア、という国は知れば知るほど奥深い。

たとえばドストエフスキーやナボコフといったロシア文学は重厚なページ数に比例する数多くのアジェンダを含んでいますし、ウクライナ人やユダヤ人から大きな影響を受けたとされるロシア音楽はきまった形式にとらわれず宗教音楽からクラシック音楽まで多岐にわたります。

それらは時代を超えてもなお新しい議論の題材となる。これだと結論づけられず、いつまでも飽きることがない、慣れることができない深いひろがりのある芸術を抱きかかえた国だといえるでしょう。

そんなロシアで広まったとされる「ロシアアヴァンギャルド(Russian Avant-Garde)」は1917年のロシア革命を機に生じた前衛芸術運動のこと。

斬新で未来的な芸術ブームはその後ピークをむかえ、1932年のスターリンによる「芸術における社会主義リアリズムの一本化」により事実上終焉となりました。

ロシアアヴァンギャルドとしてのジャンルは建築、音楽、文学、絵画、批評など幅広いですが、今回はもっとも象徴的と思えるグラフィックにしぼって紹介しようとおもいます。

これらグラフィックの主な用途は大衆に向けてのポスター。

RA-2

RA-1

RA-3

この独特なフォトモンタージュとタイポグラフィー、色使い。

ただレトロと言われればそれまでですが、大胆な文字組みやレイアウトは今見ても斬新で、簡単そうに見えるのに真似できないオシャレ感が漂います。

しかし、これらグラフィックも「仕方なく」生まれたいわば消去法から生まれた芸術の一つだったのです。

「仕方なく」とはどういうことでしょうか。

グラフィックの特徴からなにが仕方なかったのかがわかります。

まずこの大胆な色使い。当時のロシアでは「リトグラフ印刷」という4色ほどの色しか使えない印刷手法しか普及しておらず、微妙なグラデーションなどの多くの色を用いた作品を印刷することが出来なかった。

そのためそれらの刷れる色を大胆に当てはめたレイアウトをするほかなかったのです。さらに、このように情報の中にビジュアルが大きく、そして直接的に入っているのは、当時のロシア国民の識字率が低かったのでビジュアルを用いて確実にメッセージを伝えるためだったと言われています。

つまり印刷技術が満足に向上されていて、識字率が高かったとすれば、この前衛的なグラフィックは生まれていなかったのではないでしょうか。

こういったシンプルで親切、だけど斬新で心に残る、そんな要素はいまも私達のせわしない日常生活に必要不可欠。よってロシアアヴァンギャルドのグラフィックは今も尚、あらゆるタッチポイントでひきつがれています。

みんなの心に残るいいものはどんな背景でうまれたとしてもきっとずっと残り続けていくものなのでしょう。

日本では

「行くぜ、東北。」

4

「パルコ」

5

の広告にその息吹を感じることできるのではないでしょうか。

 








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